ジュリアにハートブレイク
初版 2021/12/20 16:30
改訂 2021/12/20 16:30
♪Oh My Julia 覚えてるかい?
…という歌が昔ありました。
今回は、
そんな歌が流行っていた頃のお話。
ある休日。
妹を連れてデパートへ。
真っ先に行くのが玩具売り場~♪
新製品があったらいいね、
無かったらドレス買おっか~とか言いながら。
※当時は定期刊行の情報誌もインターネットもなかったので、
FCにでも入っていない限り、
新製品の発売は売り場でしか知ることができなかったのです。
そこで見つけたのが写真のジュリア。
この子にしよっか、と手に取った時。
「私っ、ジェニーちゃんもリカちゃんも持ってるわ!」
突然、甲走ったような女の子の声がしました。
見れば、
妹より少し年少くらいの女の子が、
両手をぐっと握りしめて、真っ赤な顔をしてこちらを見ています。
「ジェニーちゃんなんか3つもあるもん!
リカちゃんのママだって持ってるし!」
小さい女の子によくある「持ってる自慢」かな、とその時は思いました、が。
今思うと…。
羨ましかったのかも。
推測にしか過ぎませんが、
その子もお人形が欲しかったのに、
何らかの理由でその日は買ってもらえなかった。
でも、
私の妹が買ってもらえそうなのを見て、
思わず口走っちゃったのかな…と。
あれから30年以上経ちました。
あの子はとっくに、
お人形を卒業してしまったかしら。
それとも、
“立派なお人形者”になっているかしら。
ジュリアを見るたびに、
ふと、あの女の子を思い出すのです。
#思い出