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Ryoko Ono, Hiroki Ono & Yuko Oshima (学生実験室) “碧山 (Hekizan)”
これは、先日、ライブで知り合った小野浩輝さんとの交換で入手したレコードでありますが、この「学生実験室」と言う名称はちょっと前からSNS上で聞いていたので興味を持っていたのです。この「学生実験室」と言う名称で、Discogsでは違うものが出てきますので、類似品に注意です。それでメンバーは小埜涼子 (Sax), 小野浩輝 (Electronics), 大島祐子 (Drs)から成ります。詳細な情報は殆どありませんが、1998年結成の名古屋のパンドと言うこと、他にこのバンド名でのリリースは無いと言うことです。大島さんのサイトに少しだけでありました。結成当初は、3人でスタジオに入ったりして、ライブもやっていたとのことですが、2000年以降、大島さんが渡仏してからはライブは他のアーティストを誘って時々やっていたようです。そして、2006年に活動ストップ宣言をしています。しかしながら、2014年に、当初のメンバーで学生実験室として録音物を作製しようと言うことになって、2016年にアルバムを1枚出しています。それがこの「碧山」です。バンドは日本ツアーや欧州ツアーを2017-2018年に計画していたみたいですが、本当にやっているのかどうかは確認できませんでした。なお、メンバーの小埜さんは、ドラマーの吉田達也さんのデュオSaxRuinsやインキヤパ/非常階段のT.美川さんのとのデュオなどでも有名な日本屈指のサクソニストでもあります。 それで内容ですが、SaxとDrsだけなら、まあ、よくある即興演奏になるところを、小野さんのelectronicsが加わることで、単なる即興演奏以上のメタ・インプロの如く、異化作用を及ぼしています。また恐らくはミックスやマスタリングを担当したいる小埜さんのポスト・プロダクトしたと思われる部分もあることから、単に即興演奏の実録ではないなぁとも思います。今や、録音の編集も可能になってはいるので、今までの「即興」以上の領域にじわじわと広がって行っている証だと思います。ドレミの音階のあるのにフリーキーに吹かれるSaxとビートを刻まない自由なDrs、それに加えて、色々な音を生成していく電子音、どれもが違う方向を向いている方向は違うのに、出来た音楽に一体感のあるようになっているところは流石だと思います。ここら辺のアイデアは東西の間に位置する名古屋独特の文化と言うか折衷性と言うか、自由度の高い発想だと感じます。いま、名古屋が熱い❗️そう確信させる1枚だと思います。大変面白い音楽なので、是非是非、聴いてみて下さい。新しい「即興演奏」を発見できるでしよう!因みにジャケのアートワークは小埜さんによるものです。またCDもあるので、レコードプレーヤーがなくても、CD、プレーヤーでも聴くことができますよ。 “AAN” https://youtu.be/VAWnFUS-xkg #RyokoOno #HirokiOno #YukoOshima #GakuseiJikkenShitsu #学生実験室 #碧山 #Hekizan #BamBalamRecords #Sax #Drums #Electronics #Improvisation #PostProduction #Nagoya
Experimental music / Improvisation Bam Balam Records 不明。Dr K2
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Grim “Discharge Mauntain”
Grim、それは小長谷淳氏のソロ・ユニットです。元々は1980年代にWhite Hospitalと言うインダストリアル・ユニットで、桑原氏と共に活動してきた小長谷氏が.同時期にソロをやりたいと言うことで、1985年に始動したユニットのことです。1986年に自身のEskimo Recordsより”アルバムFolk Music”をリリースするも、その後、沈黙。そして、26年の冬眠期間を経て、2013年に突如、Grimは、”Love Song”と”Psycho Sun”2作品を国内及び国外のレーベルからリリース、リスナーの度肝を抜きました。それからの怒涛の進撃は、多分私よりも詳しい方々がいらっしゃるとは思いますので、割愛させて頂きます。その音楽のスタイルは、単にインダストリアルとかパワー・エレクトロニクスと言うのとは異なり、個人的には、寧ろリチュアルと言った方が良いかと思います。今まで日本に無かったタイプのノイズ・ミュージック(ノイズと言うのが正しいかとうかはよく分かりません、取り敢えずその文脈で)であると思います。ある種、修験道者のような意味合いでの「リチュアル」です。そして、少し調子がズレていますが、気合一発のVoがグリム語で歌われていますライブではギターの方やメタパーのLinekraft大久保君が参加しているようです。基本的にはライブとレコードなどの録音物は別物なのかもしれませんね。録音物では、より構築的な曲を作っているようです。それで本作品ですが、アートワークも秀逸なだけではなく、音の内容もよく練られたホーンの響き、グリム語のヴォイス及び鈴の音。神聖なる邪教の宴が垣間見られます。日本ではこのスタイルの音楽は希少だと思いますが、それ故にGrimは突出しているとも言えますね。一言で言うと「ジャパニーズ・リチュアル・インダストリアル」と言う感じでしょうか? 個人的には、神道やチベット仏教を想起しました。10㌅なので、ちょっと物足りないかもされませんが、それ故にまた聴きたくなる仕様です。皆さんもGrimの録音物に触れてみて下さい。きっと何か発見がありますよ! https://youtu.be/1XQ2Dr_MQ-8 #Grim #JunKinagaya. #DischargeMountain #Athanor #Japanese #Noise #Ritual #Industrial #WhiteHospital
Industrial / Ritual Athanor 不明。Dr K2
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Tristan Disco “Demonstration Takes and Retakes”
1980年代、日本でオルタネイティブ(90年代のオルタナではない)の狂騒が席巻する中、大阪Vanity Recordsからアルバム”Background Music”を出していた東京のバンドBGMの首謀者白石隆史さんが新たにバンドを始めたとの噂が密かに流れていたのですよ。一つが前回も紹介したMLD、もう一つがこのTristan Discoです。どちらも「リズム」に焦点を当てた音楽だったのですが、今回、MLDとは違うアプローチを取ったTristan Discoのオリジナル・トラックとリミックスされたトラックからなるアルバムが、リリースされました。メンバーは白石さんとSonohara Junに、DrにSuyama Takakiとなっています。リミキサーはKrikorとCivilistjävelです。先ずもって、これは33回転なのか?45回転なのか?がわかりません。33回転だと初期Swans並みに重いし、45回転だとファンキーに聴こえる。う〜む、やっぱり33回転かなあ?手数の多いドラムにスラップすら入るベースが曲の屋台骨を作り、そこに様々な音(ギターのカッティングやヴォイス、シンセ、テープ音など)が挿入されると言う音楽構造になっています。MLDがミニマリズムかつ禁欲的なのに対して。Tristan Discoは派手で、享楽的であると言えるかもしれません。リテイクのヴァージョンも敢えて不明瞭化しており、そう言う解釈もあるのか!と驚きました。皆さんも33回転か45回転かで悩んでみて下さい! “Be On The Decrease” https://youtu.be/V2wkldycHxE #TristanDisco #DemonstrationTakesAndRetakes #CamsoleRecords #TakashiShiraishi #Krikor #Civilistjävel #Retake
Alternative, Post Punk Camisole Records 2980円Dr K2