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Contagious Orgasm “Impregnate Mannequin”
今回も出ました名古屋が世界に誇るインダストリアル・ユニットContagious Orgasmの作品 “Impregnate Mannequin”です。国内よりも海外、特にAnt-Zenを中心にしたヨーロッパで絶大なる人気を誇る橋本浩さんのユニットです。バイオグラフィーは前回書きましたので、省略しますが、1980年代後半からずっとマイペースで活動を続けている「もう一つの日本の顔」でもあります。時には、ニューウェーブにも近くなる作品もありますが、基本的には、ダーク・インダストリアルな路線で一本筋を通しています。それで,本作品ですが、リリース元は英国のHarbingerが行っています。しかしながら、オリジナルの音源は1986-1988年に作成されています(私は未聴)。そして、今回、橋本さんが1997年にリクリエイト/セルフ・リミックスして、作り上げた作品になっています。この頃は、まだ、彼の音楽的要望に応えるだけのスペックを持ったサンプラーがなかったのか、ショート・ループや逆回転などを組み合わせて、かなりノイズ寄りのインダストリアル・ミュージックになっています。聴き方によっては、荘厳なリチュアル・ミュージックですらありますね。流石にセルフ・リミックスしただけであって、音の配置などや展開に凝っています。また,この頃は彼のソロと言う意味合いで活動していたようです。本作品のスリーブは広げると特大ポスターになるように成っており、そのデザインはS. Sugiura氏が担当しています。クール❗️そんなContagious Orgasmの初期作品にも触れてみてください。因みに本作品は独逸のレーベルRaubbauによってCD再発されていますが,ヴァイナルの方が荘厳さが伝わりやすいかな? “Impregnate Wave Body” https://youtu.be/wSK1Pa_gVFc #ContagiousOrgasm #ImpregnateMannequin #IndustrialMusic #Noise #Ritual #HarbingerSound
Industrial, Noise Harbinger Sound 不明Dr K2
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Phew “Our Likeness”
日本を代表する音楽家の一人であるPhewさんの1992年にイギリスのMuteから出た作品です。Phewさんのバイオグラフィーは前回、書きましたので、省略しますが、このアルバムは初の海外レーベルからのリリースであって、これをもって、彼女の世界的評価に繋がったのだと思います。近年では、彼女は、自身のヴォーカルとアナログ・シンセ及びリズムボックスでのソロ活動で有名ですが,本作品では、Phewさんに加えて、元CanのJaki Liebezeit, Einstrutzende Neubautenにも在籍していたAlexander Hacke, D.A.F.やBBCHでも有名なChrislo Haas及びThomas Steinの言う布陣で臨んでいます。普通、楽曲が出来てから、歌を考えて入れると思うのですが、本作品では歌が先にあって、それに合わせて、楽曲を後から使ったのでは?と勘繰ってしまうぐらい、彼女の唄は、高らかに、しなやかに歌われています。まあ、歌詞は日本語なんですが(英訳は付いています)、他のメンバーにはどう理解されていたのか?或いは歌詞の内容の理解無しに楽曲が作られたのか?そこら辺の謎解きも面白いですね。A-3 “Being”ではパンク調のデス・ヴォが特徴的ですが、個人的には、B-1 “Smell” ~ B-2 ”Depth of the Forehead”の「昔話の語り」のように囁くようなヴォーカルと断続するバックの音との対比からヘビーなビートに対抗する力強いヴォーカルへの流れが、一番面白かったですね。しがしながら、彼女の表現力は凄いですね。決して歌が上手い(譜面通りに歌うと言うこと)訳ではありませんが、その不安定な音程や言葉の選び方、字余りな歌詞などは一聴してPhewさんだ!と分かる程、個性的ですね。それこそがヴォーカリスト冥利に尽きると思います。これからも、我々をビックリさせる音楽を聴かせて下さい。 https://youtu.be/jr5xCnlm5Gk #Phew #OurLikeness #Mute #JakiLiebezeit #AlexanderHacke #ChrisloHaas #ThomasStein
Alternative, Avant-Pop Mute Records 2500円?Dr K2
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Phew “New Decade”
もう皆さん、Phewさんと言えば、ご存知でしょう。1978-1980年に伝説のパンクバンドAunt Sallyのヴォーカリストとして活動し、大阪Vanity Recordsに1枚の素晴らしいアルバムを残して、以後、ソロとして、彼女は、坂本龍一氏、独逸CANやノイバウテンの元メンバー、Conny Plank、大友良英氏や山本精一氏等とのコラボ作品、最近では英国のThe RaincoatsのAna da Silvaのとコラボ作品も出しています。また、ソロ以外にもパンクバンドMOSTやBig Picture, Radium Girlsなどのバンドでも八面六臂な活動しています。Phewさんは、近年、アナログシンセとリズムボックス及びヴォーカルだけで唯一無二のサウンドを作り続けており、また声だけで作成された”Voice Hardcore”と言ったコアな作品も出しています。それらの音楽は、シンプルですが、とてもユニークな作風です。単純ながら変幻自在な電子音と古びたリズムボックス音は、彼女の声質や歌詞などと共に、聴く人に強烈な印象を与えてくれます。今回も使用楽器は基本的には同様なのですが、曲の印象は全く異なるように感じられます。エコー/ディレイのかかった声とデッドな声の対比、シンプルながらも更に深化した電子音、必然を感じさせるリズムボックスやフィールド録音された音、ギター音の効果的使用等々、そこ此処に何かしらの変化を見せ、更に深い世界に我々を連れて行ってくれる感覚を覚えます。彼女の作品を聴いたことのない方は是非とも触れて欲しい音楽です。それはアヴァンギャルドとか実験的とは違う次元の音楽、例えるなら「未完と必然」の音楽だからです。しかもタイトルは「新しい10年」ですよ! 因みに、本作品では、Phew (Voice, Synth, G, Rhythm Box, Recording)の他に、ゲストとしてSeiichi Yamamoto (G [B3]), Hiroyuki Nagashima (Synth, Perc [A3], Mixing)も参加しています。 曲順 A1 “Snow And Pollen” A2 “Days Nights” A3 “Into The Stream” B1 “Feedback Tuning” B2 “Flashforward” B3 “Doing Nothing” A2 “Days Nights” https://youtu.be/Iw2o1K0Wn2U?si=eC0wHABUlZ-YSuzo [BandcampのURLです] https://phewjapan.bandcamp.com/album/new-decade #Phew #NewDecade #MuteRecords #SoloAlbum #Experimental #Electronic #AnalogSynthesizer #Synthesizers #Voice #RhythmBox #HiromiMoritani #AuntSally
Experimental / Electronic Mute Records 3630円Dr K2