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Colin Newman “A-Z”
ようやく入手しました。英国WireのVo/GのColin Newmanのソロとしてはファーストに当たるアルバム”A-Z”です。彼のソロとしてのバイオグラフィーは前回書きましたので、そちらを参照して下さい。なお、私の購入したのは、再発・リマスター盤です。それで、参加メンバーですが、Colin Newman (G, Vo)の他、Desmond Simmons (B, G), Robert Grey (Drs: WireのドラマーRobert Gotobedの本名), Mike Thorne (Synth, Kbd: Wire初期3枚のプロデューサー)で、B1 “Troisième”でBilly Bagg(実はThis HeatのCharles Bullen)がClarinetで参加しています。本作品は、元々は1981年にBeggars Banquetからリリースされたものですが、リマスターに際しては、Denis Blackhamが行っています。内容的には、驚く程、シンプルなロック・ミュージックで、尚且つWireの持っていた実験性も合わせ持った稀代の名作ですね。多分、Wireの成長を見てきたMike Thorneの全面的参加やWire時代からの盟友Robert Greyの参加もあるからではないでしょうか? 因みにDesmond Simmonsは、2013年1月16日に、58歳と言う若さで他界しています。また、A3 “Alone”はThis Mortal Coilがアルバム”Filigree & Shadow”でカバーしていたり、何と❗️P-ModelがB2 “S-S-S-Star Eyes”をファンクラブ用のカセットでカバーしていたりおり、一方で、映画”The Silence of the Lambs (羊たちの沈黙)”でもA3 ”Alone”が使われていたりもします。シンプルなビートにテープ操作や痙攣ギターがアクセントのA1 “I've Waited Ages”に始まって、畳み掛けるように、A2 “& Jury”のビートの効いたシュールな世界へ。先述のA3 “Alone”は割と重めのスローな曲です。そして、A4 “Order For Order”はノリの良いポップ志向の曲となりますが、A5 “Image”では、一転、Wire顔負けの捻くれた実験的ポップとなっています。そして、A6 “Life On Deck”でもNewmanのVoが凄い、これまたWireっぽい激しい曲でA面を締めます。B1 “Troisième”はMute期Wireを思わせるミニマルなペースラインが特徴的な曲に、Baggのクラリネットのフリーな演奏が絡んできます。B2 “S-S-S-Star Eyes”は反復する呪文のようなVoが当時のP-Modelの平沢進氏と共通するのかな? B3 “Seconds To Last”はギターとシンセ(特に後半のシンセ・ソロ)が中心となった落ち着いた曲で、B4” Inventory”はアップテンポな曲で、一時期のWire (Chairs Missing辺り)を想起させます。また、B5 “But No”もWireっぽいミドルテンポの曲ですが、サビのコーラスはカッコいいです。最後は、一瞬エレ・ポップ?と聴き間違うようなB6 “B”ですが、特徴的なKbdの不協和音で締めます。思ったのは、この頃は、まだ、Colin Newman自身もWireの呪縛から脱していないようにも思え、それがファンからすると良かったり、残念だったりとちょっと複雑な気分ですね。でも、ここから、これのソロ・ワークは始まっていきますので、押さえておいた方が良いでしょう❗️いづれにしろ重要作品だと思いますよ、ハイ。 A3 “Alone” https://youtu.be/1VzIvIacMSU [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_l6Ks8HIoKJEBop96Oigt7uBRgHU12k_0E #ColinNewman #A-Z #BeggarsBanquet #SentientSonics #SoloAlbum #FirstAlbum #PostPunk #ExperimentalPop #DesmondSimmons #RobertGrey #MikeThorne #Wire
Post Punk Sentient Sonics (Beggars Banquet) 3188円Dr K2
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Merzbow “Storage”
またまた出ました❗️Merzbowの初期の隠れた傑作”Storage”です。この作品は元々、1988年に自身のレーベルZSF Produktより単独LPでリリースした作品のリイシュー&拡大版になります。伊のMenstrual Recordingsよりのリリースとなります。この作品の前に、あの50毎組CDsの”Merzbox”の収録の為に一度、リマスタリングしていますが、今回も再度リマスタリングを行なっており、恐らくは初盤には未収録であったテイクも含まれているのでは?と思います。今回は、秋田昌美氏だけでは無く、音素材の提供を相棒の水谷聖氏が行なっています。この作品は凄いです。メタルジャンクの生々しい演奏(打撃と摩擦など)と壊れかけたテープデッキ及び弓弾きの(非)楽器(Violin等や自作楽器)を即興的に演奏したものを、その場で録音し、それらの生音源と予め録音されていた音源との融合の凄まじい記録と言えるでしょう。私はこのアルバムは初盤は聴いていなかったのですが、本作品を聴いてみて、1993-4年位に出したK2名義のカセット作品”De Novo”に近い音像であったので、そのことを知り得て,ちょっと嬉しかったですね。ここまでは凝った音構築では無かったですが。時に逆回転、時に金属音のレイヤーの重積、ディレイなどの加工、テープデッキのフィードバック音などが、本作品では行われており、3面連続で聴いても、聴く度に新しい発見があって、全然疲れないですね。本作品はリイシューではありますが、限定ですので、是非ともゲットして聴いてみて下さい!バロックなノイズの中に入って行けると思いますよ。因みにアートワークはAchim Wollscheidがやっています。 ◼️LPs A “War Storage Pt. 1” (23:02) B “War Storage Pt. 2” (23:48) C “War Storage Pt. 3” (21:08) ◼️CD 1 “War Storage Pt. 1” (23:02) 2 “War Storage Pt. 2” (23:48) 3 “War Storage Pt. 3” (21:08) https://youtu.be/32FJL3Xg6Y0?si=qGXF2NodfJD2Bop_ #Merzbow #Storage #Noise #Experimental #MetalJunk #Feedback #BowedInstruments #Non-Instruments #Post-Production #MasamiAkita #KiyoshiMizutani #MenstrualRecordings #Reissue #Remastering #LimitedEditions #304部 #2016年 #ZSFProdukt #1988年
Noise / Experimental Menstrual Recordings (ZSF Produkts) 不明Dr K2