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Lou Reed “Berlin”
またまた、紹介します。「私の趣味外」だけれども持ってるレコード、それはLou Reedのソロ3作目”Berlin”です。多分、当時は、勉強のつもりで購入したのだと思いますが、それ以来、殆ど聴いていませんでしたね。Lou Reedと言うと、The Velvet Undergroundの創設者/メンバーであった訳で、ここで、私がごちゃごちゃ言うよりも詳しい方は沢山いらっしゃるとは思いますが、まあ、私個人の整理も兼ねて、紹介していきたいと思います。Lou Reedと言えば、米国の音楽家/作曲家/詩人/写真家である訳ですが、NYC生まれで、その音楽のキャリアは、1958年に、高校生バンドThe Jades (ドゥーアップ・グループ)のメンバーとして録音したことから始まっています。その後、彼は、1960年代初頭に、Syracuse大学に進学した時に、神経衰弱から鬱や不安神経症などを発症し、その為に、電気ショック療法(ECT)を受けています。後に、この時の経験を”Kill Your Sons”と言う曲にしています。また、この時期に、Reedは、一時的な記憶喪失と同時に、自分がホモセクシャルではないかと思い込むようになります。そのなこともありましたが、彼は大学で、詩について学んでいましたが、様々なバンドを結成していました。しかし、そこで彼は、自分の指導教官でもある詩人/作家Delmore Schwartz教授に大きな衝撃を受けており、後にThe Velvet Undergroundの曲”European Sun”を捧げています。それで、卒後に、Pickwick Recordsの専属のソング・ライターとなりますが、やがて、1964年に、John Caleと出会い、The Velvet Undergroundを結成しています。ここら辺の経緯は以前にThe Velvet Undergroundの作品を紹介した時に書いていますので、はしょります。結局、Reedは、1970年にThe Velvet Undergroundを辞めています。その後、家計を助けることもあって、1971年にRCA Recordsと契約し、初のソロアルバム”Lou Reed”を英国Londonで、Yesのメンバー達やセッション・ミュージシャン達と作製、しかしながら、このアルバムは、評論家受けは良かったのですが、余り売れませんでした。その後、Reedは、1972年11月に、よりコマーシャルな作品として、David BowieとMick Ronsonの共同プロデュースで、アルバム”Transformer”をリリース、特に英国のリスナーを意識して作られたそうです。シングルカットされた"Walk on the Wild Side"は、実は1960年代後半にAndy WarholのThe Factoryでの様子を歌ったものだそうです。その後、ReedはBowieとつるむようになりますが、Reedが暴力を振るうようになって、Bowieは離れていきます。1972-1973年は、NYのバー・バンドThe Totsを引き連れて、”Transformer”のツアーを行なっていましたが、更に鍵盤奏者のMoogy Klingmanを加えた5人体制で、次の録音に取り掛かります。それが、本作品でもある”Berlin”で、1973年から作製されますが、丁度、ReedがBettye Kronstadと結婚した時期でもあり、コンセプト・アルバムとなっています。つまり、DVやアル中、売春、死と言ったネガティブで退廃的なテーマを持った曲を収録しています。その為、評論家や同業からは酷い評価でしたが、2003年には聴くべきアルバム500にも選ばれていまし、英国アルバムチャートでは7位になっています。それでも、余り売れなかったこともあり、Reedは、Blood, Sweat & TearsのSteve Katzと組んで、The Velvet Undergroundの完全なるライブ・バンドを目指し、その結果、1974年2月にアルバム”Rock’n’Roll Animal”をリリースします。このアルバムには、The Velvet Underground時代の曲が多く含まれていますが、これで漸く、Reedが求めていたライブ・ロック・サウンドが完成したと言われており、事実、このアルバムは、ビルボード200で、28週間連続で最高45位までいき、Reed最大のヒット作となっています。その後、1974年8月に、アルバム”Sally Can't Dance”をリリース。1970年代のReedは、アルコールとメタムフェタミンの中毒で、時にはステージに立たない/許可が降りない状態でした。そんな中で、1975年にリリースされたのが、ロック史上最大の問題作”Metal Machine Music”です。ギターのフィードバック音が延々と続く2枚組アルバムで、Reed自身はLa Monte Youngのドローン・ミュージックに触発されたと言っていますが、当時のファンや評論家からは最悪と評され、数週間で何千枚の返品があったそうです。そして、同年リリースされたアルバム”Coney Island Baby”は、当時のReedのトランスジェンダーのパートナーRachel Humphreysに捧げた作品になっています。その後、1978年には、当時、勃興してきたパンクロック・シーンにインスパイアされて作製されたアルバム”Street Hassle”をリリースし、NYパンクの殿堂CBGBでもライブをやっています。1979年には、ジャス・トランペット奏者Don Cherryをゲストにアルバム”The Bells”をリリースし、欧州/米国ツアーを行なっています。取り敢えず、Lou Reedのバイオグラフィーは長いので、今回は1980年手前までとしておきます。 それで、本作”Berlin”について紹介していきたいと思います。先述なように、ネガティブな要素の多いアルバムなので、リリース当時は全く良い評価はされていませんでした。それはプロデューサーのBob EzrinがReedに推し進めたようで、JimとCarolineが、ドラッグに溺れ、売春をし、鬱になり、DVが酷くなり、そして自死すると言う「堕落した」ロック・オペラになっています。このアルバムには、Lou Reed (Vo, A-G, Choir), Bob Ezrin (Piano, Mellotron), Steve Hunter (G), Dick Wagner (G, Choir), Jack Bruce (B [A2, B2以外]), Aynsley Dunbar (Drs [A2, B2以外]), Steve Winwood (Hammond organ, Harmonium), Michael Brecker (Tenor Sax), Randy Brecker (Trumpet), Tony Levin (B [B2]), B. J. Wilson (Drs [A2, B2]), Allan Macmillan (Piano [A1]), Gene Martynec (A-G, Synth [B3], B [A2]), Jon Pierson (Bass Trombone), Blue Weaver (Piano [A3]), Steve Hyden (Choir), Elizabeth March (Choir)が参加しています。では、各曲を紹介していきます。 A1 “Berlin”は、いきなりカオスなテープ音とリリカルなピアノで始まり、呟くような音量でReedのヴォーカルが入っています。 A2 “Lady Day”は、オルガンとピアノの効いたシアトリカルなロックで、緩急の付け方が絶妙です。サビの部分は印象的です。 A3 “Men Of Good Fortune”は、Reedのヴォーカルから始まる曲で、ここではギターやベースの存在感も負けてはいません。割とドラマチックな曲ですが、歌詞の内容自体はネガティブっぽいです。 A4 “Caroline Says I”は、DVに関する曲らしいのですが、割と明るめの曲調で、アコギが中心になって、途中ではメロトロンも高らかに奏でられています。また、歌詞も余りDV的な内容ではない様に思います。 A5 “How Do You Think It Feels”は、A4と連続して始まり、Reedの独特のヴォーカルが活きている曲となっていますが、どうも歌詞の内容はドラッグを暗に指し示しているようです。そのせいか、曲の後半はプラスとギターが響き渡ります。 A6 “Oh, Jim”では、フェイド・インしてくるドラムに、Reedのヴォーカルもブラスとが絡み合うゴージャスな曲なんですが、後半にアコギ一本をバックにロックンロール調にReedが歌う部分があり、ちょっとフラッシュバックしました。歌詞は暗にJimの自堕落な生活とCarolineへの強制を歌っているように感じました。 B1 “Caroline Says II”は、A4のリフレーズから成るアコギとピアノのバックで独白の様に歌われますが、歌詞は、愛するが故の暴力とかDVとかを示唆していると思います。しっとりした曲調がより一層そのことにスポットします。 B2 “The Kids”も、アコギをバックに独白調にReedが切々と歌っていますが、どうも歌詞の内容は大人になり切れない2人(或いはCaroline)がやがて、立ちんぼになってしまう様子のようで、スライドギターの音色と最後の赤ん坊の泣き声や叫び声がやるせないです。 B3 “The Bed”も、アコギをバックに独白調なんですが、Reedの声は消え入りそうで、Carolineの自殺を思わせる曲になっています。もう取り返しが付かない感じです。 B4 “Sad Song”は、B3から連続していますが、何故か、ブラスやギターも入ってきて、上を向いて生きよう的な雰囲気にもなりますが、逆を言えば、フランダースの子犬のように天に召された後のJimの心境かも知れませんね。 この作品に関しては、歌詞が非常に重要だと思いますので、是非国内盤で聴く方が良いです。と言うのも、このアルバムが、ロック・オペラとして作製されていますので、アルバム自体に物語り性があり、JimとCarolineが、退廃と混乱の街Berlinで会い、ドラッグに溺れたり、暴力を振るったり、そのせいでCarolineが売春したり、でもやっぱり辛くて彼女は自殺してしまい、それをJimは呆然と見て、俺は何てことやってたんだ!と言うところまで、理解しないと中々、この作品の本質には辿り着けないかと感じました(解釈は他にもあるとは思いますが)。そう言う意味では非常に良く出来たアルバムだと思います❗️青二歳の当時の自分に言ってやりたくなりました!まあ、なので、ノリの良い曲は殆ど無いんですが。 A1 “Berlin” A2 “Lady Day” A3 “Men Of Good Fortune” A4 “Caroline Says I” A5 “How Do You Think It Feels” A6 “Oh, Jim” B1 “Caroline Says II” B2 “The Kids” B3 “The Bed” B4 “Sad Song” B1 “Caroline Says II” https://youtu.be/Y793DlD0Sxg?si=Ih-dcdiMdfNeWXY3 [full album] https://youtu.be/GyhJh1SMpVg?si=F9qvrDqZDXiRf92f #LouReed #Berlin #RCA #3RdSoloAlbum #RockOpera #ConceptualAlbum #Psychedelic #Jim&Caroline #BobEzrin #SteveHunter #DickWagner #JackBruce #AynsleyDunbar #SteveWinwood #MichaelBrecker #RandyBrecker #TonyLevin #B.J.Wilson #AllanMacmillan #GeneMartynec #JonPierson #BlueWeaver #SteveHyden #ElizabethMarch
Rock / Psychedelic RCA 1800円?Dr K2
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Amon Düül II “Viva La Trance (恍惚万歳!)”
やっと入手しましたAmon Düül IIの6枚目アルバム”Viva La Trance (恍惚万歳!)”です。何だか、タイトル、特に邦題だけで気に入っていて、欲しかったんですよ。Amon Düül IIのバイオグラフィーは前にも書きましたので、省略させて頂きます。”Lemmingmania”の紹介でも書きましたが、United Artists Recordsと契約を結んで、Amon Düül IIは比較的短い曲を書くようになりましたが、本作品をもって、UA Recordsからは除籍されています。この時のメンバーは、Robby Heibl (B, Cello, G, 12弦G, Strings [Gurke], Vln, Vo, Choir), Renate Krötenschwanz Knaup (Vo, Choir), Peter Leopold (Drs, Piano, Perc), John Weinzierl (G, A-G, B, Vo), Falk U. Rogner (Synth VCS3, Organ, Harmonium), Chris Karrer (Vo, G, 12弦G, Vln, Sax, Maracas, Mellotron)で、更にPeter Kramper (Piano) Desmond Bonner (Choir, Voice), Lothar Meid (Choir, Perc [Finger-Snips]), Keith Forsey (Choir, Perc [Finger-Snips])が客演しています。一応、ストーリー性のあるコンセプト・アルバムらしいです。それで、内容なんですが、これ(B面で顕著)はもう、英国ポップソングのような軽やかさを持った曲に多く占められてますので、ちょっと参ったなあと言う感じがありますね、特に、B3 “Trap”とかB4 “Pig Man”とか、、、。まあ、それはそれで面白いんですが、何か、「恍惚万歳」とは違うんじゃないかなぁとも。でも、A2 “Fly United”とかB2 “Dr. Jackyll”とかB5 “Manana”のポップさはどこか歪な所もあって、そごがまた良い味を出しているようにも思えます。また、A5 “Mozambique”のジャジーなイントロやB1 “Apocalyptik Bore”ギターソロもいい感じですし、A4 “Im Krater Blühn Wieder Die Bäume (不死木「爆撃の穴にもやがて花咲く木が生える」)のインスト曲も良いアクセントになってますね。因みに、私の持っている盤は見本盤なので、訳詩が付いているのですが、B2, B4とB6 “Ladies Mimikuri”は聞き取り不能のようで、元の英詩無しです。そして、そうなんですよ!歌詞が全部英語なんです。それも、英国寄りに寄せてきたのでは?と思わせるところもありますね。確かに、サイケな部分も有りますが、聴き易い点も特筆すべきかも知れません。コンセプトは良く分かりませんでしたが、そんなポップなAmon Düül IIのアルバムも聴いてみてね❗️ B2 “Dr. Jackyll” https://youtu.be/yTFrJNAvOak [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kgNcGUV7AZHUgQNiBnxlPoTDaS4SzUGI8 #AmonDüülII #VivaLaTrance #恍惚万歳 #UnitedArtistsRecords #Krautrock #PopMusic #Psychedelic #RobbyHeibl #RenateKrötenschwanzKnaup #PeterLeopold #JohnWeinzierl #FalkU.Rogner #ChrisKarrer
Krautrock psychedelic UNITED ARTISTS Records 3200円Dr K2
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Neu ! “Neu ! 2”
さあさあ、Neu!のセカンド・アルバム”Neu ! 2”の登場ですよぉ〜。Neu !については、独逸のバンドで、Klaus DingerとMichael Rotherのデュオであることは皆さんもうご存知だと思いますので、バイオグラフィーは割愛させて頂きます。一応、メンバーの担当を書いておきますと、Klaus Dinger (Banjo [三味線?], 11弦-G, Perc, E-Piano, Bandneon, Vo, Electronics, Turntables)とMichael Rother (G, B, Piano, Deh-G, Vln, Sitar, Perc, Electronics, Effects [Cassette recorder])で、プロデュースはConny PlankとNeu!の2人です。内容的にはA面は、ファースト・アルバムの後を引き継ぎ、ハンマービート(或いはモトリック[mototik]/Dinger自身はアパッチビートと呼んでいる)に乗って、単コードのギターが続くと言う多幸感溢れる曲になっていますが、実はA面を録音し終えた時点で、彼等は予算を使い切ってしまいました。そこで、既にリリースしていたシングル ”Neuschnee” と”Super”の回転速度を変えたり、歪ませたりしてB面分を作り上げ(でっち上げ)ています。しかしながら、この手法は、後にremixの先駆的試みとして捉えられることにもなっています。個人的には、まあA面も好きなのですが、B面の変な音処理による小曲の連続も結構、「実験的」で好みですね。ここら辺は意見が分かれるところでしょう。ですが、まあ一度は聴いてみて下さい。 B1 “Neuschnee https://youtu.be/Pylyf7TM62w [full album_] https://youtube.com/playlist?list=PLNitVGYNCIxHbuiQxvixs9q-B2mlE6vbx #Neu! #Neu!2 #BrainRecords #Metronome #Krautrock #HammerBeat #Motorik #Experimental #KlausDinger #MichaelRother #SideB #回転速度 #歪み
Krautrock Brain / Metronome 不明Dr K2
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Mike Oldfield “Tubular Bells”
もうベタなんですが、暫く聴いていなかったので、取り上げます。Mike Oldfieldの”Tubular Bells”です。あの映画「エクソシスト」にも使われた、彼のファーストアルバムです。先ずは簡単にバイオグラフィーを(と言いながらいつも長くなるんですが、、、)。1967年に姉のSally OldfieldとフォークデュオThe Sallyangieを結成し、アルバム1枚出して解散してます。Londonでのセッション活動で、Kevin Ayersらと知り合い、Kevinの結成したバンド”The Whole Worldでベースを担当。1970年、1971年にアルバムを2枚出して、バンドは解散しています。その後、音楽理論をDavid Bedfordに習い,1973年5月に、Sir Richard Charles Nicholas Bransonが立ち上げたVirgin Recorddの第一弾として、本作品”Tubular Bells”をリリースしました。映画「エクソシスト」にも本作品の一部が使われたこともあって、英国で大人気となります。1974年に”Hergest Ridge”、1975年に ”Ommadawn”を出しますが、成功による重圧から一時療養生活をしてます。1978年に”Incantations (呪文)”でカムバックしてツアーとかも精力的にこなしていきます。1980年代になると、時代の変化(主にレーベルの変化)に合わせて,ポップ寄りの作品を発表するようになってきます。例えば、Maggie ReillyがVoの”Moonlight Shadow” (“Crisis”に収録)などです。1990年代から現時点までは、”Tubular Bells”の続編を2枚のアルバムとして制作しており、未だ現役で活動しています。ザックリ言うとこのような経歴です。 それで、本作品ですが、Mikeのソロデビュー作でもあり、同時に大ヒットアルバムでもあります。2400回もダビングを重ねたスタジオ盤であり、当時としては他に類を見ない作品です。ドラムやコーラスは他のミュージシャンにも頼んでいますが、弦楽器や鍵盤楽器は基本的にはMike一人で演奏しています。一人でやっていることもあって、非常にリリカルで内省的な内容で、一つの物語りのようにも聴くことも可能ですね。片面に1曲ずつと長尺の曲ですが、割と素直に聴けてしまえる多面性もあります。なので、聴く度に,新たな発見のあるアルバムですね。これでドラムがもう少し入っていなら?とも思いますが、やはりドラムレス(勿論ドラムが入っているパートもある)だからこそ聴けるのもまた事実ですので、これはこれで良かったのかなとも思います。いずれにしろ、スタジオでの多重録音なので、宅録派の私にはシックリきますね。貴方もこんな音楽、如何でしょう? https://youtu.be/bv_4sZCLlr0 #MikeOldfield #TubularBells #VirginRecords #Multi-instrumentalist #Overdub
Progressive Rock Virgin Records 2500円位?Dr K2
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King Crimson “Lark’s Tongues in Aspic (太陽と戦慄)”
まだまだ続くプログレです。今回は何と❗️King Crimsonの5枚目のアルバム”Lark’s Tongues in Aspic (太陽と戦慄)”です。もう皆さん、知っている方も多いと思いますし、バイオグラフィーも山程ありますので、初期から本作品辺りまでを少しかい摘んで、紹介します。 1968年に、Giles, Giles & Frippを発展させる形で、マルチ奏者のIan McDonaldと作詞・ライブ時の照明担当のPete Sinfield及びJudy Dyble (元Fairport Convention)を誘って活動し始めますが、1969年7月にはDybleが脱退し、Frippの旧知のGrag Lake (Vo, B)が参加、一方、Peter Gilesが脱退しています。1969年初頭、以前に作った曲の曲名からバンド名をKing Crimsonとしてスタートを切り、この布陣でファーストアルバム”The Court of the Crimson King (クリムゾンキングの宮殿)”を1969年にリリース。高評価を得て、全英アルバムチャート5位に昇ります。この頃は、バンドの主導権はMcDonaldが優勢で、バンドにKbd (Mellotron), Sax, Fluteを導入しています。リリース後、McDonaldとMichael Gilesはバンドを組む為、脱退。1970年にMel Collins (Sax)が加入し、また脱退したGiles兄弟の協力もあって、セカンドアルバム”In The Wake Of Poseidon (ポセイドンの夜明け)”を、同年末には”Lizard”をリリースしますが、Gregが録音に来なくなり、そのまま脱退。1971年にIan Wallace (Dr)とBoz Burrell (Vo, B)が加入し、1年振りにライブを再開。ツアーにもでますが、FrippとSinfieldの確執が顕著になってきており,その中で4枚目のアルバム”Islands”をリリースするも、Sinfieldは解雇され、また内部のゴタゴタも解決出来なかったので、1972年4月に一旦解散します。1972年6月にライブアルバム”Earthbound”が廉価版でリリースされますが、マニアの間では高評価を得ています。解散時に、Frippは次期クリムゾンの構想を練っており、Bill Bruford (Dr), John Wetton (Vo, B)、Jamie Muir及びDavid Cross (Violin, Kbd)をリクルートし、1972年10月新生クリムゾンを始動させています。この布陣で、本作”Lark’s Tongues In Aspic (太陽と戦慄)”、”Starless And Bible Black (暗黒の世界)”及び”Red”をリリースしています。ただし、Muirは「太陽と戦慄」発表前に脱退しており、WettonとCrossの確執もあり、Crossを解雇して”Red”を作製。この為、Frippは再度解散を宣言していますが、その後の1975年には北米ツアーのライブアルバム”USA”をリリースしています。この後もバイオグラフィーがあるのですが、ザッと前半の流れはこのようになっています。その後は1980-1984年の「ニューウェーブ期」、1994-1996年の「ダブルトリオ期」、1997-2000年の「ProjeKct期」、2000-2004年と2008年の「ヌーヴォメタル期」、2013-2016年の「トリプルドラム期」、2017-2010年の「ダブルカルテット期」に便宜上分けています。そして、2021年の日本公演でバンドは終息させるとFrippは公言しています。長かったですね。 それで本作品”Lark’s Tongues in Aspic”ですが、所謂初期の中でも即興性の高いアルバムで、特にB面3曲目のタイトル曲Part II はその変拍子と難解なコード進行と相まって、緊張感に溢れた、人気の高い曲になっています。初め,このアルバムを聴いた時に、「あれ?音が小さいぞ⁉︎」と思ったのですが、A面1曲目のミックスが小音量になっていただけでしたが、アルバムを通して、小音量と大音量の差が激しい印象でした。勿論、メンバーは馬鹿テクの持ち主なので、そのインタープレイも聴きどころです。あと、B-1”Easy Money”も名曲ですね。プログレって何となく避けてきましたが、聴いてみると中々面白いですね。なので,皆さんも聴いてみて下さい。 B1 “Easy Money” https://youtu.be/LxaM5ex1isc?list=PLXhfRoiJBIitfeySfg3M2JpsHofCulKv9 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLXhfRoiJBIitfeySfg3M2JpsHofCulKv9 #KingCrimson #Lark’sTonguesInAspect #AtranticRecords #ProgressiveRock #Improvisation #RobetFripp
Progressive Rock ATLANTIC Records 2500円位?Dr K2