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The Only Ones “Even Serpents Shine(破滅への影)”
今回は、The Only Onesのセカンドアルバム”Even Sherpents Shine”を紹介します。私の好きなバンドで、丁度、パンク勃興期に出てきたので、パンクとかニューウェーブとかと思われてますが、実はリーダーのPeter PerrettとJohn Perryは1972年頃から曲を書いていたので、1976年に出てきて、偶々、その時期に”Another Girl, Another Planet”がヒットしたので、そう思われてますね。でも、どちらかと言うとサイケとかオーソドックスなパワーポップに近い立ち位置だと思います。それにPeterは、ドラッグ漬けになったりしていましたから。前回、彼等のサードアルバム”Baby’s Got A Gun”のところで書きましたので、そちらを参照して下さい。それで、本作品ですが、ミドルテンポの曲に、気怠そうなPeter Pierrettが始終続きます。彼の声質は好き嫌いが分かれそうですね。勿論、私は好きですが❗️一応、メンバーだけ書いておきますね。Peter Perrett (Vo, G), John Perry (G, Kbd), Alan Mair (B), Mike Kellie (Dr)で、録音には、ゲストとしてAdam Maitland (Kbd, Sax), John "Rabbit" Bundrick (Kbd), Koulla Kakoulli (B-Vo)が参加しています。プロデュースはPeterとJohnがやっています。もう全曲良いですねぇー。あのPeterのVoで歌われると泣けます。B面最後のしっとりとしたアコースティックな曲で号泣です。まあ、買って良かったとは思ってたんですが、改めて聴いても沁みます。もし、機会があったら、是非ともレコードで聴いてみて下さい! https://youtu.be/uMjkyfO-kuM #TheOnlyOnes #EvenSerpentsShine #Epic(CBS) #Pop #NotPunk #Psychedelic #PeterPerrett #JohnPerry #AlanMair #MikeKellie #1979
Punk / Post Punk Epic (CBS) 不明Dr K2
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Manuel Göttsching “E2-E4"
さあさあ、来ましたよぉ〜。世紀の名盤、Manuel Göttsching先生の”E2-E4”です❗️しかも、これ、オール1人で作り上げていると言う衝撃 (これはそんなに大したことではない。宅録の人はほぼほぼ1人でやっているから)❗️ここで、Manuelのバイオグラフィーを簡単に。まあ、皆さん、知っていると思いますが、1970年代〜1980年代にかけては、ソロと共に、Ash Ra TempelやAshraのリーダーとしても活躍しています。またその為に、Kosmische Musik(cosmic music)としてのKrautrockで最も影響の大きかったギタリストでもあります。Cosmic Jokersへの参加でも知られていますが、彼のスタイルやテクは、1980年代〜1990年代のポストEnoのアンビエントやBerlinの電子音楽シーンに多大な影響を及ぼしています。それで彼の生い立ちからちょっと説明しますと、元々、VerdiやPucciniと言った音楽に親しんできて、その一方で、米英国連合軍の放送するラジオを聴いていたそうです。初期のロックンロールはまだ彼には早すぎて、1960年代になって、彼が、最初にピーンときたのが、米国Motown MusicやRolling Stonesなどの英国のブルースロック・バンドでした。それで、彼はそれまでやっていたクラシック・ギターを辞めて、エレキギターを取ります。学生時代に彼は、クラスメイトとカバーバンドをやり始めますが、結局、Rolling StonesやBeatlesのカバーを演奏しても、それは単なる楽しみでしかないと回想しています。ただ、Blue Chairの”Summertime Blues”をカバーしてみて、また、フリージャスの流れも影響して、彼とクラスメイトはよりフリーな音楽を目指すことになります。そうして1970年にできたのが、Ash Ra Tempelです。そのパンドには、Tangerine Dreamを脱退したばかりのKlaus SchulzeあるいはHartmut Enkeが在籍していました。そうして、セルフタイトルのアルバムをAsh Ra Tempelは1971年にリリースします。その後、Klausは、ソロで活動する為に、Ash Ra Tempelを脱退します。Ash Ra Tempelは、1972年にスイスに住んでいたTimothy Learyとコラボ(“Seven Up”)をしたりしています。オリジナルメンバーであった3人にVoとしてRosi Müllerが1973年に加入し、アルバム”Join Inn”をリリースしますが、その年にKlaus SchulzeとHartmut Enkeが同時に脱退し、Manuel GöttschingとRosi Müllerだけで次のアルバム”Starring Rosi”をリリースしていますが、Harald Grosskopf (Dr)とDieter Dierks (B)がヘルプしたみたいです。一方、ソロ活動として、1975年にアルバム“Inventions for Electric Guitar”をAsh Ra Tempel, Manuel Göttsching名義でリリースしますが、これはもう、完全にManuelのソロアルバムと考えられています。そして、1981年に録音し、1984年にリリースしたのが、本作品のソロアルバム”E2-E4”です。これも完全なソロでするので、音は全部、彼1人が演奏しています。機材は、ARP Odyssey, ARP Sequencer, AKG BX-5, Dynacord DRS-78, Dynacord TAM-19, EKO Computerhythm, EMS Synthi A, Farfisa Syntorchestra, Korg Polysix, Moog Minimoog, Pearl Syncussion, Publison DHM-89B2と、Sequential Circuits Prophet-10です。アルバムにはA面4曲、B面5曲となっていますが、特に切れ目などは無いように思えます、、。と言うか、この作品はアンビエント・テクノのお手本の様な内容で、実際、伊のSueño Latinoは、”E2-E4”をサンプリングして1989年に"Sueño Latino."と言う曲にしていますし、Carl Craig, the Black DogやThe Orbなどに大きな影響を与えています。何よりも画期的なのは、この時期にシーケンサーとドラムマシンを使って切れ目の無い延々と続くミニマルな曲に仕上げているところでしょう。そして、全然押し付けがましさの無い、淡々とした音楽に仕上げた点ですね。正に元祖アンビエント・テクノの真骨頂ですね。本当、気持ち良くなる音楽ですが、何かをしていても邪魔にはならないです。皆さん聴いてみて、ポアされちゃって下さい! https://youtu.be/ys0HyevZpQg #ManuelGöttsching #E2-E4 #DiskUnion #KrautRock #CosmicMusic #AmbientTechno #Sequencer #Synthesizer #AshRaTempel #Ashra
Krautrock / Ambient Disk Union 不明Dr K2
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Pere Ubu “Cloudland”
Pere Ubu 単独では9枚目のアルバムです、”Cloudland” ❗️この時のメンバーは、何と!あのChris Cutler (Dr)も参加 、それ以外にはJim Jones (G, Vo), Scott Kraus (Dr), Tony Maimone (B, Vo). Allen Ravenstine (EML Synth, Vo), David Thomas (Vo)で、それに加えてStephan Hague (Kbd)も参加しています。だからと言って、ダブル・ドラムと言う訳では無さそうです。しかしながら、音はタイトになっています(これはプロデューサーの力量かと思いましたが、イギリスとアメリカで録音されていますので、そう言う訳でもなさそうです)。タイトルは「どんよりした土地(街)」と言った如何にも鬱っぽいんですが、内容はそうでも無いです。ただジャケなんかかは「青空」が返って空々しくなる程病んでいる感じがしますね(彼等の得意の反対感情や諧謔精神の発露ですね) 。例えば”Love, Love, Love”では「私はそんなの信じない」と歌い、”Cry”では「明日に嘆き、今日に嘆く」と歌います。また”Bus Called Happiness”はタイトルからしてそこはかとないバッドエンドの予感があります。そこに漂っているのは、曲がどんなに楽しげでも、David Thomasが、自らを道化として、ネガティブなことや不条理なことを演じていることによる悲しみなんです。楽しげに歌えば歌う程、悲しくなります。なので、私はPere Ubuのことを「世界一悲しい」バンドと呼んでます。このことを認識できると、Pere Ubuのこと、David Thomasのことがよく分かると思います。あと、このアルバムでは初期の実験ロックに回帰した、タイトなビートも聴けますので、音だけでも充分楽しめます。しかし、Allen Ravenstineのシンセは良いなあ。こんなシンセの使い方、今では当たり前かも知れませんが、当時は画期的発明でしたね。それからこのアルバムの代表曲”Waiting For Mary”は名曲なので、是非とも聴いてもらいたいですね。そんな訳で、Pere Ubu、聴いてみますか?(ま・さ・か‼️←YMOのネタです) A1 “Breath” (3:58) A2 “Race The Sun” (3:25) A3 “Cry” (2:33) A4 “Why Go It Alone?” (2:49) A5 “Waiting For Mary” (3:29) A6 “Ice Cream Truck” (2:48) A7 “Bus Called Happiness” (3:13) B1 “Love Love Love” (3:28) B2 “Lost Nation Road” (2:16) B3 “Nevada!” (3:20) B4 “Flat” (2:23) B5 “The Waltz” (3:30) B6 “Pushin'” (2:27) B7 “Monday Night” (2:15) A7 “Bus Called Happiness” (3:13) https://youtu.be/osRSDI6nY4o?si=-cwmtu10yns8D9of [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLMAumqZimnsYeGbw56UO3uWDZJn3nk0TN #PereUbu #Cloudland #Fontana #9ThAlbum #AvantRock #ArtRock #Cleveland #DavidThomas #AllenRavenstine #ChrisCutler #JimJonse #ScottKrauss #TonyMaimone
Avant Rock Fontana 不明Dr K2
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The Flying Lizards “s/t”
このアルバムは欲しくて欲しくてねえ。やっと中古盤屋で見つけた時は心の中でガッツしました。そんなこととは全然関係ないThe Flying Lizardsのファーストアルバムです。The Flying Lizardsは1976年結成の不定形の英国のユニットですが、中心人物はDavid Cunninghamで、Voと楽器に関しては、Davidがその場その場で、選んでくるという感じですが、本作のVoはDeborah Evans-Sticklandが務めてます。また初期には前衛フリーミュージック奏者のDavid ToopやSteve Beresfordがバックを担当していました。ヒットしたシングル"Money (That's What I Want)"はBarrett Strongが原曲ですが、全く生気のないDeborahのVoとスカスカのバックの楽曲からなりました。それで、The Flying Lizardsはこの曲を披露する為に、1979年8月にBBCのTop of the Popsに2度出演していますし、1980年にもシングル"TV"の時も出演しています。元々はDavidが、低予算でヒット曲を作るというコンセプトの下、ドラムの代わりに段ボールの叩いて、ペナペナなギターやスカスカな音に全く「ロック」を感じさせない冷め切ったVoが乗ると言う、Blue Cheerの"Summertime Blues"をカバーした異形な曲を完成させます。費用はわずか6ポンド。そしてそれが大ヒット。レコード会社Virgin Recordsは"Money"のヒットで、ファーストアルバムを作製させる為に契約を延長します。なお、このアルバムにはVoのVivian Goldmanが書いた曲"Her Story"と"The Window"が収録されています。ヒットした"Monye"やEddie Doochranの"Summertime Blues"はヘナヘナでやる気ゼロなVoとバックの素人っぽい演奏からなるポスト・モダンなカバー曲として一躍有名になりました。1981年には、VoをSnatchのPatti Palladinが担当したセカンドアルバム"Fourth Wall"を出して、評論家のお評価は概ね良かったのですが、商業的には売れませんでした。その後、1984年にはVoをSally PetersonにしてStatik Recordsから全曲カバー曲から成るアルバム"Top Ten"をリリースし、彼女の全くやる気の無いというか気持ちのこもっていないロボットのようなVoが大々的にフィーチャーされています。このアルバムからはJames Brownの"Sex Machine"と"Dizzy, Miss Lizzy"がシングルカットされており、Leonard Cohenの"Suzanne"もアルバムに収録されています。このアルバム以降、DavidはSallyと映画と広告の為の音楽作製に取り掛かりますが、その過程で"Money"の再録音をおこなっています(私は未聴。すまん)。この"Money"カバーは人気があり、"The Wedding Singer"や"Charlie's Angels"などの映画のサントラや米国TVドラマ"NIP/TUCK マイアミ整形外科医"や英国ドラマ"LIfe on Mars"などでも使われていますし、2011年でにはタコベル(タコスのチェーン店)のCMでも使われています。その後、1978年に録音が済んでいたアルバム"Secret Dub Life of the Flying Lizards"が1995年になって漸くリリースされますが、このユニットは1984年には既に活動を停止しています。 それで、本作品"The Flying Lizards"は、シングルカットされた"Money"や"Summertime Blues"も収録されており、そのチープでヘタウマな楽曲に無機質/無感情な女性Voが乗ると言った構造もあるのですが、実は他の曲は、それ程チープではなく、何となくダブ処理されているようなドンシャリでスカスカな曲が多いように思います。特にベースとかはダブっぽい感じで録音されています。A-1 "Mandelay Song"なんかはオペラチックな女性Voが縦横無尽に走り回りますし、B面なんかは何か薄暗い感じすらしますし、ミキシングが異様だったりします。やっぱりフリー系の人たちがバックを務めているので、「ヘタウマ」じゃなくて「ウマヘタ」になってますね。なので意外に曲ごとに表情やアレンジが異なり、ヴァラエティに富んでいて楽しめました。いやあ、ここら辺を探り当てるDavidの嗅覚は鋭いですね。ちょっとだけ、XTCあるいはAndy Partridgeのソロと共通点があるように感じました。もしホワイト・ダブに興味があるのであれば、是非、聴いてみてください。言い忘れましたが、David Cunninghamはちゃんとした教育を受けた音楽家で、この後、Piano Recordsを運営しています。 https://youtu.be/UkDeNC--dHU #TheFlyingLizards #DavidCunningham #DeborahEvans-Stickland #Money #SummertiimeBlues #ウマヘタ #ExperimentalPop #Dub #VirgiinRecords
Experimental Pop Virgin Records 1000円位?Dr K2
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808 State “Newbuild”
もうこれは王道のテクノですね、808 Stateのデビューアルバム”Newbuild”です。本当なら1988年のオリジナル盤を紹介するところですが、これは1999年の再発盤で、かつ12㌅EPの3枚組の仕様になっています。私、そんなにテクノには詳しくないんですし、皆さんの方が詳しいと思います。なので、バイオグラフィーを一応、書いてみますね。シカゴで巻き起こったアシッド・ハウスがブームになった1988年に、英国マンチェスターで始まったテクノ・ユニットが、808 Stateです。Eastern Blocと言うレコード店の店員Martin Priceと常連客のGraham MasseyとGerald Rydel Simpson (後にA guy cold Geraldと名乗る)で結成されます。1988年に同店のレーベルCreedからデビューアルバムである本作品”Newbuild”をリリースします。このアルバムをリリース後、Simpsonが脱退、代わりにAndy BarkerとDarren Partingtonが加入し、1989年にEP”Quadrastate”をリリースします。このアルバムの一曲目”Pacific State”は後にリミックスが沢山の作られることになります。この曲はアンビエント・ハウスのシーンへ大きな影響を与え、ZTTレコーズへの移籍のきっかけとなります。これらのアルバムはマイナーレーベルからのリリースだったので、入手困難だったのですが、Aphex Twinの運営するRephlex Recordsより1999年に”Newbuild”を、2008年に”Quadrastate”をCD再発されています。ZTT移籍後に”90”を1989年にリリース。その後の1990年にアルバム”ex:el”をリリース、ゲストにBjörkやNew OrderのBernard Sumnerも参加しています。1992年にMartinが脱退し、その後、UB40をゲストに迎えたアルバム”Gorgeous”をリリース、落ちついた作品になります。その後、日本盤も出して、日本のテクノ・シーンは盛り上がりますが、808 State自体はテクノ・シーンから離れていきます。1996年に出たアルバム”Don Solaris”をリリースしますが、音はドラムンベース的になっており、音楽批評家には酷評されています。。しかし、一方で、Brian EnoやPropellerheadsによるリミックスアルバムを日本向けに出しています。Darren Partingtonが脱退したので、GrahamとAndyのデュオとして活動してきましたが、Andy Barkerも2021年12月6日に逝去していますので、今はどうなっているのかは過分にして知りません(誰か、教えて!)。まあ808 Stateについてはザックリとこんな感じです。 それで本作品ですが、その名の通り、リズムは荒々しいTR-808をふんだんに使ってのリズムセクションがメインで、正真正銘のダンス・ミュージックと言うかテクノなんですが、今、聴くと、やはりTR-808の音はちょっと古い感じもしますね(でもこのアルバムは1988年のブツなので、それはそれで良いと思います)。まだ若い才能が芽吹いてきた予感を感じさせます。また、サンプリングされたベースのカッコいい曲もあります。私はこれ以降のアルバムも書いていませんし、テクノには詳しくはなきのですが、私の守備範囲だとAbsolute Body Control辺りが近いですかね?まあ4つ打ちのキックはテクノのそれなんですが。それと本作品はほぼほぼ片面ずつに1曲が収められているので、聴くのが忙しないですw 偶には王道テクノも良いもんです。 https://youtu.be/r9PefJ_aEcQ #808State #Newbuild #Rephlex #TR-808 #Techno #UK #FirstAlbum
Techno Rephlex 不明Dr K2