-
Shi-Shonen “Harvest”
何故か、聞いたことのある名前だなあと思って、中古屋で購入したのが、Shi-Shonenのマキシ・シングル”Harvest”でした。当時は、バブルも弾けて、シャレ乙ニューウェーブは廃れていたこともあり、聴いても余りピーンと来なかったので、今回、聴き直してみることにしました。それで、先ずは、彼等のバイオグラフィーを調べてみました。元々は、戸田誠司が、中央大学在学中に、渡辺等、友田真吾らと、極東通信と言うバンドを結成し、シンセを用いた宅録テープコンテストで多数入賞し、そこへ、福原まりが1981年秋に参加しで、Shi-Shonenと改名して活動を本格的に行います。日本Columbiaのディレクター三野明洋に見出され、1983年2月21日に、日本Columbia傘下のレーベルShan-Shanより、シングル”嗚呼上々”と、本作品でもある12インチ・マキシシングル”Harvest”の同時発売でメジャー・デビューを果たしています。また、彼等は、芸能事務所アミューズに所属し、TV音楽番組”アップルシティ500”などにも出演しています。1985年には、テイチク内で細野晴臣が立ち上げたレーベルNon-Standardに移籍し、同年5月にファースト・アルバム”Singing Circuit”を、また12月には12インチシングル”Do Do Do”をリリースしていますが、1986年2月の草月ホールでのライブを最後に、渡辺と友田が脱退し、同年7月に戸田と福原の2人ユニットとして、最後のアルバム”2001年の恋人達”を発表しています。しかしながら、その福原も脱退したり、レーベルの方も活動が鈍ってきたりした為、1987年秋にバンドは消滅します。 と言うのが、Shi-Shonenの略歴となります。それで、今回は、彼等のファースト・マキシシングル”Harvest”を紹介しますが、この時のメンバーは、戸田誠司 (Vo, G, Kbd, Sax), 福原まり (Vo, Kbd), 渡辺等 (B), 友田真吾 (Drs)で、立花ハジメ (Horn), 矢口博康 (Horn), Robin Thompson (Horn), MOMO (Horn)がゲスト参加しています。それでは、各曲についてご紹介しますね。 ★A “Harvest (Long Size)” (6:28)は、Chakraをもう少しシャレ乙にしたかのような曲で、Bの存在感が凄いのは勿論、似非中華風のアレンジやゴージャスなホーンの導入も聴くことができます。福原まりがVoですね。途中で突然、シンセ主体のアンビエント調の曲にカットインしますが、また元に戻ります。 ★B1 “今天好” (4:06)は、中華風ニューウェーブなんですが、Voは戸田誠司がやっています。アコギも使って、ちょいスカのリズムも取り入れています。相変わらず、Bはブリブリしています。因みに、作詞はなかにし礼です。 ★B2 “叛乱-ロマンス-” (4:05)も、中華風ニューウェーブですが、テンポは早めで、Voは戸田誠司がやっています。この頃のニューウェーブって何としても、シンセと中華音階を結びつけ易かったのですね。リズム隊が強靭で、タイトな演奏になっていますね。 まぁ、ここら辺の後続バンドは、初期YMOの影響を拡大解釈したのかなぁと思いますね。それが良いのか悪いのか、良くは分かりませんが、個人的には、YMOは、”BGM”と”Technodelic”しか評価していない私にとっては、Shi-Shonenは、これで充分かなと思いました。この如何にも垢抜けた感じが、返って「産業ロック」に思えますね。でも、戸田誠司は一時期、Yapoosにも入っていたみたいですし、福原まりや渡辺等もソロ等で最近まで活動していたみたいなので、気になる方はチェックしてみてはどうでしょう? A “Harvest (Long Size)” https://youtu.be/OBVFRI1GFaE?si=9Weqci9NKz1X5vzC B1 “今天好” https://youtu.be/Pbh4wY7MLfA?si=kZ413ZDxMsy9yL9Z B2 “叛乱-ロマンス-” https://youtu.be/aW9fUdo7jHY?si=9ycBSm0H_LgKIh-G #Shi-Shonen #Harvest #Shan-Shan #Columbia #12inchEP #Japanese #NewWave #中華風 #SynthPop #Synthesizers #戸田誠司 #SeijiToda #まり #MariFukuhara #渡辺等 #HitoshiWatanabe #友田真吾 #ShingoTomoda #Guests #HornSection and #立花ハジメ #矢口博康 #RobinThompson #MOMO
New Wave / Synth Pop Shan-Shan / Columbia 不明Dr K2
-
Humpe Humpe “ Humpe・Humpe”
Humpe Humpe (フンペ・フンペ)。これは、以前に紹介したNeue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)の真っ只中にいたバンドNeonbabiesで、VoとKbdを担当していた実の姉妹Annette Humpe (Anita Spinettiと名乗っていた)とその妹Inga Humpe (Inga DiLemmaと名乗っていた)が、その後1980年〜1983年に在籍していたバンドIdealを経て、更にその後1983年〜1985年に在籍していたバンドDeutsch-Österreichisches Feingefühl (因みにこのバンド名はDAFを文字ったもので、2枚のアルバムを出しています)を経て、姉妹だけで1985年に結成したデュオのことです(因みに、IdealのメンバーはTrioとも仲が良く、特にAnnetteは彼等の曲にコーラスでゲスト参加もしたりもしています)。彼女らは、1987年にデュオを解消するまでに2枚のスタジオ・アルバムを制作し、中でもシングルカットされた”Careless Love”は独シングルチャート24位まで上りました。独国内では、Inga & Anete HumpeとかHumpe Humpeとして知られていましたが、英国では、英語でHumpeが隠語を意味することからSwimming with Sharks (彼女らのセカンド・アルバムの表題でもあります)として知られていたそうです。1987年頃には、彼女達は、独国外、特に英国を意識していたこともあり、セカンド・アルバムからシングル"Careless Love"と"No Longer Friends"は、BBC Radio 1で盛んに放送されていましたし、英国の音楽誌も強くプッシュしていましたが、英国チャートには反映されませんでした。デュオを解消してからの2人の動向ですが、姉のAnnetteは、1990年に初のソロアルバム”Solo”をリリースしたものの、1997年〜2002年の間、表舞台から退く形で、作曲やプロダクションなどに携わっていました。その後、2004年に、Adel TawilとIch + Ichと言うデュオを結成し、独では結構成功しています。一方、Ingaの方は、TrioのStephan RemmlerやMark Almond等の他のアーティストのバック・ヴォーカル等を行いながら、1990年には自身のソロアルバム”Planet Oz”をリリース、またBamby名義で、アルバム”Walls of Sugar”もリリース、その後、1994年には、Kylie Minogueの為に”Automatic Love”を作曲したり、また、Andreas DorauがプロデュースしたHumpeのアルバムを聴いたことで、1993年から付き合い出したTommi Eckartとは、2000年にBerlinで2raumwohnung成るエレクトロ・ポップ・デュオを結成し、現在も現役で活動しています。 と言うのが、Humpe姉妹の流れですが、本作品について紹介しましょう。彼女らは、それまでのバンドでも曲は書けましたので、多少の他者との共作はありますが、全曲彼女らの作曲となっています。また、A3, A4, B2, B4, B5は、Conny Plankが、A1, A2, A5, B1, B3 はRoma Baranがプロデュースしています。内容は両面とも5曲ずつ収録されていますが、それぞれの曲で、バック・ミュージシャンを従えて、両姉妹(特にIngaの方)がVoを取る形となっていますが、歌詞が2曲以外全部英語なのはちょっと残念ですね。それでは、各曲について紹介していきます。 ★A1 “3 Of Us” (3:39)は、強力なドラムマシンと生Drsに、ゴージャスなシンセとIngaの舌足らずなVoが乗る曲で、メジャーでも通用しそうな程、キャッチーです。 Inga Humpe (Lead-Vo, Kbd, Vo), Annette Humpe (Vo), Simon Jeffes (Megaphone-Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), David Van Tieghem (Drs), David Collard (Kbd), Ingo Bischoff (Kbd), Jeff Bova (Kbd) Klaus Buhlert (Kbd). ★A2 “Happiness Is Hard To Take” (3:56)は、独特な音色のキックのリズム隊に、Annetteの渋めなVoとサビでの姉妹のコーラスワークが映える曲で、極上のポップスに仕上がっています。MuteのDaniel MillerやDepeche ModeのMartin Goreも参加。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd, Vo), Inga Humpe (Vo), Alistair McMordie (B), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Gerd Paseman (G) Peter Viehweger (G, Whistle), Martin Gore (Kbd), Roma Baran (Kbd), Daniel Miller (Synth). ★A3 “Memories” (5:02)も、ゴージャスでキャッチーなシンセ・ポップスで、ちょっとだけ変調したIngaのVoと姉妹のコーラスは素晴らしいです。Drsを中心としたスケール感も大きく、これなら非独語圏でもヒットするのでは?と思ってしまいます。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (Mandolin). ★A4 “Can't Leave The Pool” (3:43)は、姉妹揃ってのユニゾンVoが優しく響く、やや落ち着いた曲で、また、サビでの息の合った掛け合いは素晴らしいです。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd), Inga Humpe (Lead-Vo), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). ★A5 “Don't Know Where I Belong” (3:36)も、姉妹揃ってのVo(ひょっとするとIngaが声を重ねている?)で語るように歌う、落ち着いた曲で、最後に入ってくるドラムマシンも良い塩梅です。この曲にもMartin Goreが参加していますが、音は分からなかったです。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Simon Jeffes (G), Martin Gore (Toy Kbd). ★B1 “Yama-Ha” (2:45)は、タイトルから分かる通り、あの「ヤマハ」ですが、日本企業の名前を連呼するVoと若干の和風な/琴のようなKbdの音色にちょっとズッコケます。しかし曲自体はキャッチーですね。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd), Inga Humpe (Lead-Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Simon Jeffes (G), Peter Vieweger (Hoo Ha). ★B2 “Geschrien Im Schlaf” (3:30)は、NDWっぽい曲調ですが、Ingaの可愛らしいVoは世界に訴えられるのでは?またAnnetteのKbdも凄くて、引き込まれます。この曲は独逸語の歌詞です。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). ★B3 “Yo No Bailo” (2:56)でも、舌足らずなIngaのVoがキッチュで、ホーンやPercとの合わせもトロピカルで、極上のポップスです。この曲の歌詞は英語でも独逸語でもないですね。伊太利語? Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Peter Vieweger (G, Piano), Phenix Horns (Horns), Sue Hadjopoulos (Perc). ★B4 “Belle Jar” (3:43)では、御大Conny Plank自ら組んだシーケンスに対して、堂々と歌うHumpe姉妹のVoも力強いです。サビなんかは、Eurythmicsにも匹敵する位です。 Annette Humpe (Lead-Vo), Inga Humpe (Lead-Vo), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G), Conny Plank (Sequence). ★B5 “You Didn't Want Me When You Had Me” (4:18)は、再び落ち着いた雰囲気の曲調で、やや気怠く歌うIngaのVoとHumpe姉妹でのコーラスなんかは本当にメジャー級です。AnnetteのKbdもツボを押さえています。珍しく、Gが弾きまくってますね。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). と言う訳で、それまでNeonbabies〜Ideal〜DÖFとNDWの中で活動してきたHumpe姉妹が、実はメジャー級の作曲能力や歌唱力を持っていたと改めて納得しました。まあ、これには賛否両論あるとは思いますが、ポップ・ミュージックとしては本当に良く出来たアルバムだと思いますよ。個人的には、独語の歌がもっと聴きたかったですね。皆さんも機会があれば、是非聴いてみて下さい❗️(それにしてもB1 “Yama-Ha”の破壊力は凄かったw) B1 “Yama-Ha” https://youtu.be/JAuftdVhiGg?si=PpbDxb4QGdprHOF6 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mtBKKO7xuQlP6BKb7lbdakT69meIlLi9A&si=KmFW_FJPhbStbpfv #HumpeHumpe #Humpe・Humpe #WEA #FirstAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #Vocals #Synthesizers #Neonbabies #Ideal #DeutschÖsterreichischesFeingefühl #AnnetteHumpe #IngaHumpe
Electro Pop / Synth Rock WEA 不明Dr K2