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Contagious Orgasm “Seeking Sensation Scale Music”
今回は、名古屋を拠点に活動し、今や、数千人規模のフェスにも招聘される程、欧州、特に独逸では有名な実力派ノイズ・ユニットContagious Orgasm (以下COと表記)の単独作”Seeking Sensation Scale Music”を紹介します。現在は、首謀者の橋本浩 (Sampler, Electronics)とMarvelこと新井正光 (Perc)のデュオでライブを行うことが多いようですが、少し前にはスギウラ・シンゴ (Sampler)も加わっていました。バイオグラフィーは以前に紹介してありますので、そちらをご参照下さい。それで、本作品のタイトルなんですが、これは橋本氏が運営する自身のレーベルSSSMに引っ掛けてつけたのではないかと思われます。COの音楽は、アンビエント〜インダストリアル〜テクノイズ〜ニューウェーブまでと時代により、また作品により振り幅が広いのですが、本作品は恐らく橋本氏の単独作だと思います。1990年代のいわゆるジャパノイズと言うと、大音量のハーシュ・ノイズと言うイメージがあると思いますが、名古屋と言う土地柄なのか?橋本氏の個人的な指向なのか?COは、そのジャパノイズの潮流とは一線を画して、ひたすら、サンプリングによる音の切り貼り(コラージュ)をやってきたように思います。そのことが、現在のよりリズミックになったCOの(欧州での)評価に繋がっているのだと思います。その結果、工場内或いは現場の音像の中にいる錯覚に陥るようです。かつて、橋本氏と話していた時に、「モジュラーシンセで面白い音が出来たら、それをサンプリングすれば、バッチリや!」と言っていたことから、COは単に即興的ではなく、楽曲としてノイズ・ミュージックをやっているのだなあと感心したことがあります。本作品ではまだ、パーカッションなどは使われておらず、ループ音などが通奏低音として使われている曲もあり、音(ノイズ)は適切に配置されて、最大の効力を発揮しています。それは単に即興的に組み立てるのではなく、橋本氏の頭の中で既にある程度、組み立てられているものを具現化したもが、本作品の真髄ではないかとさえ思えてきます。そんなジャパノイズの異端であるCOの一大絵巻のような本作品は、COファンは勿論、ノイズ・ミュージックの違う一面を垣間見たいリスナーさんにも是非体験してもらいたいです‼️あと既に気付いている方もいらっしゃるとは思いますが、本作品のタイトルも曲名も、そのイニシャルは、全て、橋本氏自身のレーベル名SSSMとなっています!これも彼独特のユーモアかもしれませんね。因みに、レーベルPraxis Dr. Bearmannは、1990年代の独逸で、Martin Bauer らによって運営されていた良質ノイズ専門レーベルで、お世話になった方も多いのでは? A1 “SS Slave Market” A2 “Suicide Stiffening Shaft Machine” A3 “Scandalous Stagnate Sweet Madonna” B1 “Spread Spectrum System Message” B2 “Slit Slit Slit Museum” B3 “Stainless Steel Sucking Mouth” A1 “SS Slave Market” https://youtu.be/BG5kzjuiwF0?feature=shared #ContagiousOrgasm #SeekingSensationScaleMusic #PraxisDr.Bearmann #JapaneseIndustrial #Industrial #Experimental #Noise #Sampler #Electronics #HiroshiHashimoto
Experimental / Noise / Industrial Praxis Dr. Bearmann 不明Dr K2
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K2 “Hepatopolitika”
またまた、来ました、自分の作品の紹介です。今回はちょっと趣向に変えて、K2名義でリリースした実験音楽(Not Harsh)の初出”Hepatopolitika (肝臓政治学)”です。それのオリジナル盤を紹介します。それまでは、第二期K2として、所謂ハーシュノイズ(この言葉は余り好きではない)を探求していた訳ですが、時々、それとは違う毛色のノイズミュージックも録音していました。私は昔からP16.D4が大好きで、彼等のファンでした。まあ、そう言う経緯もあって、あんな音楽、作りたいなあと常々思っており、その為の習作を録音したり、テープでフィールド録音したりしてました。そんな素材を用いて、K2風にミックスダウンを何度か行い、そうして出来上がった曲を一本のマスターDATに納めました。丁度、その頃、独逸の新興ノイズレーベルPraxis Dr. Bearmannからオファーが来ていたので、これ幸いにマスターを送ったんですよ。それで、装丁も盤も全部クリアーでってお願いしたら、本当にそうしてくれて、私は大喜びでした(なお、イタリア浦島からのリイシュー盤は黒盤です)。内容は、一言で言うと「コラージュ」です。既成の楽器(G, B, Organ, E-Piano, Violinなど)に加えて、昔のパンドのライブ音源やテープ/ミニカセットに録音した非楽器の音やTVの音など、それに最小限のパーカッション類(要するに叩いて音が出るもの)を用い、それらを変調・切り貼り・ループにして、ミックスダウンを行いました。そう言えばサンプラーもちょっと使ってましたね。一曲に何らかのナラティビテイを持たせるようにしました。それによって、自分なりの「コラージュ」作品が出来たかな?と思っております。まあP16.D4程、緻密な録音をした訳ではありませんが、そこはそれ、自分の培ってきたミックスダウンの勘でやり切りました。その即興性は、P16.D4とかの厳格な楽曲作りとは違いますが。本作は自分としては気に入っています。そして、年月が流れて、2010年代にイタリアの浦島が、リマスター・リイシューをしたいとオファーをくれたので、即OKと返事をしました(こちらも199枚限定)。なので、いつものK2サウンドではありませんので、ご注意下さい。これはこれで面白いとも思いますが、、、。 [remaster version] https://youtu.be/tmGMCAoorhw #K2 #Hepatopolitika #PraxisDr.Bearmann #Collage #P16.D4 #ClearVinyl #Urashima
Experimental, noise Praxis Dr. Bearmann 無しDr K2