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Asmus Tietchens “Litia” we
今回も、Asmus Tietchens氏の「色違い」シリーズ第四弾にして最終章”Litia”を紹介します。Tietchens氏のこのシリーズは、これにて一旦終わりますが、彼のバイオグラフィーについては、以前のをご参照下さい。なお、参加メンバーは、Asmus Tietchens (Synth, 作曲)の他、Das Zeitzeichenorchester として、Hans Tim Cessteu (Rhythm Programs), Tussi Schemante (Effects), Sam 'The Cute' Sins (Peripheral Equipments), Achim Stutessen (Digital Synth)となっていますが、これらは全てTietchens氏の名前のアナグラムで、1人でやっている訳です。なお、プロデュースもいつものRokko EkbekことOkko Bellerです。また、これまで統一感のある独特のカバーを作ってきたTina TuschemessもTietchens氏自身ですね。それでは各曲をそれぞれ紹介していきます。 A1 “Zeebrügge”はテクノを先取りしたかのような四つ打ちのキックで始まりますが、単純にして変態的なメロディがそれを否定します。寧ろThe Residentsっぽい。A2 “Abhuster Nebulizer”では、ややアップテンポなリズムに、シンセによるクリック音やポリフォニック・シンセのメロディが乗っかっています。A3 “Unterhaltsmusik”のリズムは、馬が馳けるように軽快なのですが、分厚いシンセのメロディも聴取できます。A4 “Vorsaison”には、ちょっとだけ中近東風のシンセのメロディを感じますが、軽快なリズムセクションがポップネスを体現しています。A5 “Pollys Square Dance”は、かなりビート感の強い複雑なリズムパタンと分厚いシンセ音から成る曲で、このような曲は、私も初期の頃、作ったことがあります。 では、B面に行きます。B1 “Torpedo Ahoi”も、疾走感のあるリズムボックスのパタンとポリフォニック・シンセに特徴のある曲で、このテンポでのポップネスは素晴らしい。B2 “Energie-Dossier”。これまた、不思議な雰囲気の曲で、メロディもアレンジもThe Residentsのような変態性のあるポップさを感じます。B3 “Ritual Der Kranken Freude”は、ホワイトノイズから成るインダストリアルなリズムが中心になっており、「明確な」メロディに欠けると言う、このシリーズでは一風変わった曲です。しかも、段々と盛り上がっていきます。途中で、シーケンスが出てくるのですが、そこはカッコ良いです。B4 “Litia”も変なアレンジの曲で、一聴するとVoの無い初期のThe Residentsのようです。B5 “Auf Elf”は最早、明瞭なリズムもメロディも無い実験色の強い小曲で、これで本作品/本シリーズを締めています。 全体を通して聴くと、前作”Spät-Europa”から始まったThe Residents風味はまだそこここに残っていますが、それこそが本作品を数多のシンセ・ウェーブとの差別化に成功してします。また、今回は、KorgのシンセPolysixを使用していることもあって、分厚いシンセの音が特徴的かな?と思いました。それにしても、何故、彼がこの「色違い」シリーズを始めたのかが気になりますね。謎、、、そう言う意味で「謎」です。その後、Tietchens氏は インダストリアルな電子音楽や実験音楽へと急変していきます。と言う訳で、似非シンセウェーブな4連作はここで終了しますので、前回までの作品に興味を持った方は、本作品も是非体験して下さい‼️ B1 “Torpedo Ahoi” https://youtu.be/CpoJfClx7YQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kSlCmwmdFt3iMpe5OyxqAL5G0ed-PRfHQ #AsmusTietchens #Litia #SkyRecirds #BureauB #Reissue #Remastering #KrautRock #Electronics #Pseudo-Pop #Experimental #SoloAlbum #Synthesizers #Rhythmbox #Anagrams #AudiplexStudios #KorgPolysix
Electronic Music / Experimental Bureau B (Sky Records) 2584円Dr K2
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Asmus Tietchens “Spät-Europa”
次に行きますよー。Asmus Tiechens「色違い」シリーズ第三弾は、”Spät-Europa (「末期の欧州」の意?)”です。纏めて買ってしまいましたからね。やっぱり纏めて紹介していきたいと思います。バイオグラフィーは以前のをご参照下さい。今回は、何と!両面10曲ずつと言う無茶振りです。まあいつも通りのメンバーなのですが、Asmus Tietchens (Synth, 作曲)の他に、Sam „The Cute" Sins (Electronics), Tussi Schemante (Rhythmbox, Programming), Hans Tim Cessteu (Synth), Achim Stutessen (Vocoder)となっており、Tietchens以外全員がオケの指揮とのことですが、全部Asmus Tietchensのアナグラムです、つまりソロです。なお、今回もまたプロデュースはRokko EkbekことOkko Bekkerで、録音・ミックスも独Humbug のAudiplex Studiosで行われています。では、内容を紹介していきます。と言う前に、この作品を聴いて、直ぐに思い浮かんだのは、The Residentsの”The Commercial Album”です。The Residentsの方は1分の曲を40曲収録していますが、こちらは2分の曲を20曲収録しています。The Residentsのが、1980年作なので、こちらの方はその後と言うことになりますが、盗用と言うよりもオマージュと言うか、The Residentsに対する独逸からの返答と捉えたい作品になっています。だって、普通に考えて、2分の曲を20曲も作れますか? それだけの技量を持っているのが、Tietchens氏の実力だと思います。あと付け加えるなら、Morgan Fisher氏編集のコンピ”Miniatures”ですね。こちらも、The Residentsと同じく1分以内の曲を集めた作品ですし、The Residents自身も参加しています。1980年代初頭はこう言った「挑戦的」な作品が流行ってましたね。あとちょっと違うかも知れませんが、”Three Minutes Symphony”とかも3分以内の曲を集めた国際的コンピでしたね。収録時間を短く切って、一枚のLPに収めることで、片面全体を1曲とみなすこともそれぞれを1曲ずつとみなすことも出来ると言う二重の意味を持たせようとたんじゃないかな? なので、今回は各曲の紹介はしませんが、これをTietchens氏が似非ポップとして一人で作られたと言うのが凄いところだと思います。皆さんも興味があれば、是非是非聴いてみて下さい‼️そしてできれば、The Residentsの”The Commercial Album”と聴き比べてみて下さい! A1 “Spät-Europa” A2 “Frautod Grafitto” A3 “Mythos Und Gummibärchen” A4 “Lourdes Extra” A5 “Poanpo” A6 “Nervenfalle” A7 “Grössenwarnung” A8 “Bescheidenes Vergnügen” A9 “Schöne Dritte Welt” A10 “Herrmannstrohm” B1 “Erloschene Herzen” B2 “Endspannung” B3 “Betablocker” B4 “Tretboot Zum Schafott” B5 “Ausverkauf” B6 “Bockwurst À La Maîtresse” B7 “Passaukontrolle” B8 “Wein Aus Wien” B9 “Stille Häfen” B10 “Epitaph” B8 “Wein Aus Wien”” https://youtu.be/aICYH_aP2Rw” [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mCwN4Nxgm6Kc9WhT2FsH4HemWd7fl5N_s #AsmusTietchens #Spät-Europa #SkyRecirds #BureauB #Reissue #Remastering #KrautRock #Electronics #Pseudo-Pop #Experimental #SoloAlbum #Synthesizers #Rhythmbox #Anagrams #AudiplexStudios #2分全20曲#TheCommercialAlbum #Miniatures
Electronic Music / Experimental Bureau B (Sky Records) 2584円Dr K2
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Asmus Tietchens “In Die Nacht”
やっと手に入れました。Asmus Tietchens氏の「色違い」シリーズの残りをどどっと紹介していきます。これはTietchens氏の初期の連作みたいなもので、既に第一弾”Biotop”は紹介してありますので、興味のある方はそちらを観て/聴いてもらっても良いですよ。今回は第二弾”In Die Nacht”です。オリジナルは1982年に名門Sky Recordsから出ていますが、私は後追いなので、リマスタリングしてあるBureau Bからの再発盤です。Tietchens氏のバイオグラフィーは既に書いてありますので、前回のをご参照下さい。因みに、参加メンバーは、Asmus Tietchens (Synth, 作曲)で、後はオーケストレーションの指揮も兼ねて、Tussi Schemante (Effects, Vo), Mischa Suttense (Rhythmbox), Stu 'Snatch' Seemi (Digital Synth), Hans Tim Cessteu (Synth)が参加したとなっていますが、これらの「ヘンテコ」な名前は、全てAsmus Tietchensのアナグラムですので、ソロアルバムと言う訳です。あと、彼が使っているシンセはPolymoogとMinimoogらしいです。なお、プロデュースはRokko EkbekことOkko Bekkerですね。それで、内容なのですが、両面とも4曲ずつ収められています。各曲を紹介していきます。 A1 “Mit Zebras Rennen”はいきなり、ノリの良いビートの効いたマシンリズムで始まり、度肝を抜かれました。Tietchens氏、こんなことも出来るのか!と。A2 “In Die Nacht (In the Nightと意)”はタイトル曲で、金属質なマシンリズムと柔らかいシンセのメロディの対比が興味深いです。またメロディも良いんだなあ。A3 “Höhepunkt Kleiner Mann”もややユーモラスな跳ねるリズムにシンセのメロディが乗って、なんだか、遊園地のコーヒーカップで遊んでいるか、サーカスでも観ているような感じですが、後半は何故かダウナーに。A4 “Kopfüber In Den Gulli”はやや怪しい雰囲気の曲で、またまた金属質なシンセの不穏なメロディが耳に残ります。 ではB面にいきます。B1 “Spanische Fliege”は直進するリズムボックスに、切羽詰まったようなメロディが乗っかり、中々の緊張感を生み出しています。しかも、多重的なメロディで、表情が複雑ですが、ポップネスは健在です。B2 “Unter Fliegenden Tassen”も忙しそうなテンポのリズムに、強い意志を持ったシンセのメロディから成る曲で、ベースラインはミニマルです。B3 “Regenwald”は可愛らしいリズム(エレクトーンに付いているようなリズムボックス)と背景の電子音に、ほんのちょっとしたシンセのリフと言うかメロディが入ってきます。B4 “Park Und Guter Morgen”気持ち良い朝のような静かな曲ですが、時々、テープのスクラッチ音みたいな音が入ったり、メロディも不安定であったりと、やはり一筋縄では行かない小曲で、この作品は締められています。もう「夜」は終わって朝が来たと言うことでしょうか? それで、解説を書いているKai U. Jürgensの言葉を借りると、この頃のTietchens氏の「色違い」シリーズは”Pseudo Pop (似非ポップ)”であるとのこと。でも、私はこう言うポップネスを持ったTietchens氏の音楽も好きですよ。因みに、私が一番最初に買ったTietchens氏の作品は、全曲、テープ・スクラッチから成る実験色の強いもので、その後も、PGRとMerzbowとのトリプル・コラボ作品”Grav”で、その時は知らずに「嗚呼、実験音楽のグループ(初めは人の名前とも思ってなかったw)か」と思っていました。しかしながら、Tietchens氏のこの頃の音楽が、似非ポップであろうとも、宅録ポップ(厳密にはHumburgのAudiplex Studioで録音・ミックスされている)との親和性も含めて、潜在的ポップさを持っていると思いますので、全力で支持しますよ‼️私は❗️皆さんもそう言う視点で聴いてみてはどうでしようか? B2 “Unter Fliegenden Tassen” https://youtu.be/Yx0jRTGjnjs [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kUlpC9iSvLVM4QQsF4nayjeyz876eCEAo #AsmusTietchens #InDieNacht #SkyRecirds #BureauB #Reissue #Remastering #KrautRock #Electronics #Pseudo-Pop #Experimental #SoloAlbum #Synthesizers #Rhythmbox #Anagrams #AudiplexStudios #MoogSynthesizers
Electronic Music / Experimental Bureau B (Sky Records) 2584円Dr K2
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Vono “Dinner Für 2”
これも、「クラウトロック大全」でいつもお世話になっている小柳カヲル氏が少数個人輸入したものを通販で購入したブツです(いつも有難う御座います♪)。バンド名はVono、そして、この作品は元々、Sky Recordsからリリースされていた、彼等のファースト・アルバム”Dinner Für 2”を、またまたいつもお世話になっている独逸Bureau Bが再発したブツであった訳です。Sky Recordsと言うと、独プログレ界で名門のレーベルですが、何でも、ゲストで参加しているStephan Kaskeがレーベルの知り合いだった関係で契約できたそうです。それで、このVono については、私は何も知らなかった訳で、ちょっと調べてみると、Norbert SchultzeとVolker Schultzeの兄弟デュオと言うことが分かりました。NOことNorbert Schultze (Synth [Jupiter-8])で、VOことVolker Schultze (Vo)によって、1970年代後半に結成されたものの活動は今ひとつでした。しかしながら、その後、1982年に再活動をベルリンのクラブ等で始めました。そこに、Sky RecordsとのコネのあったStephan Kaskeがプロデュースの話しを持ちかけ、デビューアルバムを作製しましたが、彼等はもっとギターやドラムを入れたロック・ミュージックがやりたかったので、そっちの方向にシフトしていきました。今回のアルバムには、マルチ奏者のKaske (Drum Programming)も参加していますが、この頃は、Vonoは、ラディカルな程のミニマルなシンセ・ウェーブ、特にダンサブルなダーク・エレクトロな音楽をやっており、それなりに評価は受けていたので、その後、音楽性が変わったのは残念です。そんな彼等のファースト・アルバムが、この”Dinner Für 2”です。また、他にも彼等は2枚のオリジナル・アルバムを出していますが、彼等のことは今まで悉く無視されており、その後の音楽性の変化については不明です。 と言う訳で、早速、本作品の内容を紹介したいきたいと思います。先述のようにミニマルな曲が特徴ですが、B1 “Tief Im Dschungel”では単一コードの曲もあり、ダダイズムの影響もあったようです。そして何と言っても、リズムにドラムマシンの音をそのまま使っておらず、シンセのパルス音でリズムを刻んでいることが特徴でしょうか。その為か、ドスドスと踊れる曲と言うよりも、寧ろリズムを感じながら聴く音楽と言う気がします。そんなところは、何だか初期のThe Residentsっぽい感じも少ししますね。そして、音自体はかなりシンプルで、難解な音楽ではないです。それにしても、殆ど一発録りのような音ですね。それと、NDW的に典型的な短い曲が多いです。肩意地張らずに聴くことが出来ますので、NDWやシンセ・ウェーブに興味のある方は是非とも聴いてみることをお勧めします❗️ A4 “Lottozahlen” https://youtu.be/Mp3vYlqKn3g [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nqX6wxfWvKjjk3f-bQK42lu4EihM2VgA0 #Vono #DinnerFür2 #BureauB #SkyRecords #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Minimal #ElectronicPop #NorbertSchultze #VolkerSchultze #StephanKaske
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Bureau B (Sky Records) 3490円Dr K2
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Cluster “Sowiesoso”
やっと手に入れました。CのClusterの重要アルバム”Sowiesoso (「ゾヴィーゾゾ」と発音で「どの道同じこと」の意味らしい)です❗️まあ、いつも通りの再発盤なんですが、、、。メンバーは、Hans-Joachim RoedeliusとDieter Moebiusの2人です。バイオグラフィーは以前の記事を参照して下さい。それで、内容についてですが、かなりアンビエント寄りのミニマル・ミュージックと言っても良い出来です。多分、シーケンサーの多用や、リリカルなピアノ、リズムボックスの使用などが目立つからだと思います。ただ、それだけに留まらず、A4 “Umleitung”とかではシーケンサーのリズムパタンとは異なるテンポのドラム(或いは曲)が入ってきたり、A2 “Halwa”のようなアラビアンなフレーズの曲やB3 “In Ewigkeit”のようにジャジーな雰囲気も醸し出すもあったりと聴き手を惑わせるような曲もあり、飽きさせません。このアルバムでは、そのようなギミックもありますが、トータルとしては、非常に完成度の高い作品と言えるでしょう。丁度、2人の良いところ(その後のソロでの方向性)が見事に一致したアルバムですね。全曲インストですが、全体に渡って、淡々とした多幸感のようなものを感じますね。彼等は当時、Forstに住んでおり、そこにあった自宅スタジオで録音をやっていますが、そこにあった録音機材と言うのが、4トラック・テープレコーダー、2台のRevox A77ステレオ・テープデッキ、それに簡易な8チャンネル・ミキサーだったらしいです。正にマジカルな出来栄えだと思えます❗️勿論、ミックスダウンはいつものConny Plankのスタジオで行っていますが、、、。そんなClusterのアルバムは至高な作品ですので、是非是非聴いてみてください‼️ 曲順です。 A1 “Sowiesoso” A2 “Halwa” A3 “Dem Wanderer” A4 “Umleitung” B1 “Zum Wohl” B2 “Es War Einmal” B3 “In Ewigkeit” https://youtu.be/QgV0bYt8iLU?si=ZgTk9kEFPcST1gWD #Cluster #Sowiesoso #SkyRecords #BureauB #Reissue #Krautrock #Electronic #Minimal #Ambient #Hans-JoachimRoedelius #DieterMoebius #Synthesizers #Piano #Organ #RhythmBox
Krautrock, Ambient Bureau B (Sky Records) €15.35Dr K2
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Moebius & Plank “Rastakraut Pasta”
もう何度も出てきています、独逸の電子音楽の有名グループClusterの片割れであるMoebiusことDieter Moebiusと、これまた独逸ロックを語る上で避けて通れないエンジニアConny Plankの共作名義のアルバム”Rastakraut Pasta”を今回はご紹介します。元々、Plankは1970年代にはClusterのチーフ・エンジニアをやっていましたし、付き合いはPlankが他界する前まで、1979年〜1986年まで続いており、関係は深かったのだと思います。小柳カヲル氏の「クラウトロック大全」によると、反復する単調なベースラインは、CanのHolger Czukayが演奏しているとのこと(一説には、A3 “Feedback 66”, A4 ”Missi Cacadou”とB1 “Two Oldtimers”で客演しているらしいです)。そして、このタイトルですが、Rasta (レゲエ)とクラウト(独逸)の合体造語であると同時に、クラウトに「草」と言う意味もあるので、「ラスタ草(カナビス=大麻)」とも捉えることができるので、ダブルミーニングではとのこと。”Pasta”は単に語呂が良かっただけ?と言うことらしいです。あと生ドラムやヴォコーダーをかけたヴォーカルやギター或いはヘロヘロのサックスなども使われていますが、これらの楽器は誰が演奏しているのか?よく分かりません。全体的にゆる〜い演奏から成る7曲が収められており、その後のMoebiusやClusterで見られる電子音楽的な印象からは程遠いです。テクニック無視と思われるゆる気持ち良い曲ばかりですが、先述のようなレゲエ要素はほぼほぼ無いです。強いて言えば、A2 “Rastakraut Pasta”か“B1 “Missi Cacadou”のリズムギターのカッティングにはあるかなぁ? そして、B面後半になってくると、如何に独逸電子音楽の片鱗が聴取できますが、ただ、アルバム全体の緩さも纏めてしまい、ある種の構築性を出しているところが、如何にも独逸ロックと言う感じはします。また、Moebiusも完全ソロ名義としては、以前にも紹介した1983年作のアルバム”Tonspuren”(これは電子ポップ音楽)になる訳ですが、その前にはこんなこともやっていた訳ですね。と言う訳で、ちょっと意外だったのですが、MoebiusとConny Plankだからこそ出来た「新しいジャーマン・ロック」で、良き、良き❗️ A1 “News” (4:52) A2 “Rastakraut Pasta” (6:16) A3 “Feedback 66” (4:57) B1 “Missi Cacadou” (5:31) B2 “Two Oldtimers” (7:02) B3 “Solar Plexus” (4:54) B4 “Landebahn” (1:29) https://youtu.be/3cCNuSU5ncs?si=LC1DJUsdW2aW8yZM #Moebius&Plank #RastakrautPasta #SkyRecords #BureauB #Reissue #Remastering #Krautrock #ExperimentalPop #DieterMoebius #ConnyPlank #Collaboration #NewGermanRock #Reggae #HolgerCzukay
Krautrock / Experimental Pop Bureau B (Sky Records) C$ 38.00Dr K2
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Asmus Tietchens “Biotop”
やっと手に入れました。独逸電子音楽界の重鎮Asmus Tietchensのサード・アルバム”Biotop”です。Tietchens先生のバイオグラフィーは、以前にArchive Boxのところで書いてありますので、そちらを参照して下さい。本作品では、勿論、Tietchens先生が全曲作曲し、自らもElectronicsを演奏していますが、他にも参加メンバーがおり、Stu 'Snatch' Seemi (Drum Programming), Mischa Suttense (Harmonizer, Flanger), Achim Stutessen (Ring Modulator), Hans Tim Cessteu (Synth), Sam 'The Cute' Sins (Synth, Effects), Tussi Schemante (Synth, Voice)と成っています (本当にこのメンツが存在するのかは、ちょっと嘘くさいんだよねー)。そして、内容なんですが、初めて聴いた時は、「宅録テクノ・ポップやん❗️」と思ってしまいました。例えば、日本のDD. Recordsの鎌田忠さんとかの作品と近いものを感じました。1981年にリリースされていることを考えると、ほぼほぼ同時期ですね。いや〜参った!参った!こう言うシンクロニシティってあったのですね。イメージとして、Tietchens先生、もっと堅苦しいと言うか仰々しい電子音楽を演る人かと思ってましたが、ここでは、変なメロディのインスト「テクノ・ポップ」ですね。ただB面にくると、何だかポップなのか?アンビエントなのか?よくわからない曲に移行していきます。そんな意味も含めて、Asmus Tietchens先生の嗅覚の良さとセンスの良さ及びそれらのコンセプトを具現化するテクを感じますね。なので、もしシンセ・ウェーブとかに興味を持っている方なら、絶対ともこのアルバムを聴いてみて下さい❗️きっと発見がありますよ。 https://youtu.be/pbhaf7_MdUQ #AsmusTietchens #Biotop #SkyRecords #BureauB #Reissue #Remastering #Krautrock #Electronic #Pop #TechnoPop #Ambient
Krautrock, Electronic Pop Bureau B (Sky Records) 2580円Dr K2
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Moebius “Tonspuren”
MoebiusことDieter Moebiusの単名ソロとしてはファーストに当たるのが、この”Tonspuren”です。ご存知のように、Moebiusは、Cluster、更にはHarmoniaのメンバーでもあり、クラウトロックの一つの代名詞でもあります。ちょっとだけバイオグラフィーを書いておきます。彼はBerlin’s Akademie Grafikの学生でもあり、バイトでレストランのコックもしてました。その時に、Conrad Schnitzlerと会ってます。その頃、SchnitzlerはHans-Joachim RoedeliusとZodiak Free Arts Labをやっていました。それで、この3人は1969年にKlusterを結成。しかし、Schnitzlerが脱退して、残ったデュオでClusterを名乗り、活動を続け、”Zuckerzeit”や”Sowiesoso”などのアルバムをリリースしています。またMoebiusはClusterやコラボのジャケのグラフィック・デザインもやってます。その後、Neu!のMichael RotherとのトリオでHarmoniaを結成し、よりアンビエントな方向へ。その過程で、Brian Enoとのコラボも行うようになります。1970年代には、Moebiusはソロアルバムの作製やConny PlankとGuruGuruのMani Neumeierとのトリオみたいにサイド・プロジェクトも開始します(因みにこのトリオでの作品”Zero Set”は名盤です!)。1980年にConny Plankとの共同名でアルバム”Rastakraut Pasta”を、翌年にも2人の名前でアルバム”Material”をリリースしており、同年にはGerd Beerbohmとのコラボ・アルバム”Strange Music”もリリースしています。その後も、比較的コンスタントにソロアルバムをリリースしています。そして、2007年には、Rotherと共にRother & Moebiusとしてツアーを敢行、またHarminiaの再結成も同年11月に行い、そのコンサートをベルリンのHaus der Kulturen der Weltで行っています。しかしながら、Moebiusは2015年7月20日に癌で他界してしまいました。 それで本作品の内容についてですが、意外にもポップなインスト曲が10曲。そしてそのメロディには少しばかりの諧謔性がほんのりと香り、何だかNDW(Neue Deutsche Welle)の、特にDer Planのような音楽性も少し感じられます。まあ、バックは古めかしいリズムボックスにシーケンサーから成り、それに割とミニマルなメロディ、しかもなんか懐かしいような、くすぐったいような、、、そんなメロディが重なったりして、何とも「宅録チック」な音楽になっています(個人的には、日本のDD.Recordsから出した私の本名名義の”Re-Musik”を思い浮かべましたね)。そこら辺も同時進行していたNDW的な感じを受けますね。なので、クラウトロックとは言え、NDW、特にDer Plan辺りが好きな方も楽しめると思います。なので、皆さんも是非聴いてみてね❗️ A5 “Etwas” https://youtu.be/K_WBOOCWIBo [full album] https://youtu.be/t1oxjfI_HzQ #Moebius #Tonspuren #SkyRecords #BureauB #Reissue #Krautrock #DieterMoebius #ElectronicPop #Cluster #SoloAlbum #Minimal #NeueDeutscheWelle
Krautrock, Electronic Pop Bureau B (Sky Records) 2955円Dr K2
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Cluster “Cluster ‘71”
長々と説明してきました。独逸の”C”の方のClusterになってからのファースト・アルバムです。元々は、1969年にベルリンで、Dieter Moebius, Hans-Joachim RoedeliusとConrad Schnitzlerが”K”の方のKlusterを結成したのがきっかけで、Conradが抜けて、デュオになった時に、名称を”C”の方のClusterに変え、活動を続けていきます。当然、ClusterはConny Plankの協力の元、Connyが亡くなる1987年まて続きます。また、このアルバムは、発売当時は”Cluster”とセルフ・タイトルでしたが、その発売年にあやかって、後々、”Cluster ‘71”と呼ばれるようになります。このアルバムはPhillipsから発売され、当時としてはこのようなメジャーから出ること自体驚きです。ここら辺は後で書きます。その後、セカンド・アルバム”Cluster II”をリリースしますが、ここではConnyの名前が、3人目のメンバーとしてクレジットされています。そして、Brain Recordsと契約し、1975年まで続きます。その後、Korstの田舎に引っ越し、そこに農家を改造した自分達のスタジオを作ります。そこで、2人はNeu!の首謀者の一人であるMichael Rotherと共にHarmoniaを結成し、1974年に”Musik von Harmonia”を、1975年に”Deluxe”と言うアルバムをリリースし、ツアーをしますが、MichaelがKraus DingerとNeu!を本格的に始動する為に抜けます。その間にも、RordeliusとMebiusは、1974年に”Zuckerzeit”をリリース。Clusterにしてはメロもリズムもしっかりした作品となっています。”Deluxe”リリース後に、ClusterとMichaelと彼等に興味を持ったBrian Enoで、”Tracks and Traces”を1976年に作成しますが、この作品は1997年になるまでリリースされませんでした。1976-1979年はClusterにとって最も活動的な時期で、4年間に4枚のアルバムを出しています。1977年に2人は再びBrian EnoとConnyのスタジオでジャム・セッションを行い、そこから、”Cluster & Eno”をリリースします。このアルバムには元CanのHolger Czukay (B)やAsmus Tietchens (Synth)と言うゲストも入ってます。1980年にClusterはJoshi Farnbauerとライブを行い、その記録はBritish York House Recordsより限定カセットでリリースされており、”Live in Vienna”は唯一作品になっています。1981年に”Curiosum”をリリースしますが、ビートも不明瞭になり、メロも変わった感じになってるそうです。そこから8年間、Clusterは活動を休止したいますが、ソロ作品などはリリースしています。これも以前に紹介しましたが、MebiusはConnyと、Guru GuruのDrのMani Neumeierと大傑作”Zero Set”を作ってます。そして、1989年にCluster は再結成します。そんなこんなで、また休止期が来て、再度活動再開になりますが、2010年にロンドンでライブを境に活動停止となります。この間にも2人はソロ作品をリリースしています。ザッとこんなバイオグラフィーになります。 それで本作品ですが、私の持っているのは、オリジナルではなく、仏のBureau Bから再発されてものです。因みに、担当は、H.J. Roedelius (Organ, Cello, Audio Generator, Amplifier, Hellas)とD. Moebius (Organ, Hawaiian-G, Audio Generator, Amplifier)で、まだシンセは使っていないですね。オルガンや自作電子楽器(?)によるインフロヴィゼーションと言えばいいのか、何とも掴みにくい電子音がゆるゆると流れるように絡みついては離れるように流れていきます。長尺の曲が3曲ですが、オフビートなので、不定型なんで、覚えられないんです。ある意味、当時としては、極めて実験的なことを演ってたのかも?と想像します。1980年辺りの電子音楽やノイズ・ミュージックがここから、始まったのではないでしょうか?そんな深読みも楽しいですね。シンセを楽器として使ったのは画期的だったかも?そんな古典にも触れてみてはどうでしようか? 曲順: A1 “7:42” A2 “15:43” B “21:32” https://youtu.be/9qdul2kPZrg #Cluster #Cluster’71 #DieterMoebius #Hans-JoachimRoedelius #ConnyPlank #Krautrock #Electronic #BrainRecords #BureauB #Reissue #Improvisation #Organ #AudioGenerator
Krautrock / Electronic Bureau B (Sky Records) 不明Dr K2
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Moebius-Plank-Neumeier “Zero Set”
これはマスト・アイテムですね。Cluster/HarmoniaのDieter Moebiusとジャーマン・ロックを広く支えた名プロデューサーConny Plank、そして元々フリー・ジャズ・コンボSchlippenbachに入っていたが、ジャーマン・ロック・バンドGuru Guruを結成したMani Neumeierが、ガッツリ組んで、1982年に作製した作品が、この”Zero Set”です。元々、MoebiusとPlankは1980年作”Rastakraut Pasta”や1981年作”Material”でコラボをやっていましたが、1970年代中期の彼等の活動やスタジオでのHarmoniaとのセッションを見てきたNeumeierは当然(或いは必然的)との様に彼等2人とコラボすることになりました。そして、Moebiusは電子音に、Neumeierはドラムに、Plankはスタジオに最大限の注意を払い、可能な限りワイドレンジの録音作業を行なって、最終的な編集作業へと辿り着きます。 Neumeierは機械の様な正確さとスタミナでドラムを叩いてますが、それはMoebiusの電子音のシーケンスに同期させる為です(1970年からアナログのシーケンサーは使われている)。それだけでも大変なのに、Neumeierはリズムをキープしながら、複雑なパターンのドラミングを見せています。これは正に独逸電子音楽の救世主レベルですね。また、時にギターやパーカッションの音も聴取出来ますが、これは誰がやっているのでしょう?全部で6曲が収録されてますが、曲順や曲のヴァリエーションの取捨選択を同一のラインで行う為らしいです。それにしても、Neumeierのドラミングは凄いです。また一見、ミニマルなシーケンスや電子音も催眠的で、気持ち良く聴取できますし、全体の音の広がりが録音方法でこんなにも変わるのか?と思わせるPlankの技は特筆すべき点ですね。あとB-2”Recall”ではアフリカン・ヴォーカルとしてSudanのDeukaが入っていますが、これに目が行くと、アルバム全体が分からなくなりそうです(決してそれが悪いとかじゃなくて)。しかしながら、全体に渡る音のダイナミズムと躍動感は、電子音楽でありながら凄いです、こんな名盤をリマスターしてリイシューしてくれた仏レーベルBureau Bには感謝です。皆さんの機会がありましたら、是非聴いてみてください。マストですよ❗️ https://youtu.be/IR-gKanpvpA #DieterMoebius #ConnyPlank #ManiNeumeier #ZeroSet #SkyRecords #BureauB #GermanRock #Electronics #Drums #StudioWork
German Rock Bureau B (Sky Records) 4500円Dr K2