-
Mystery Plane “Still Life”
Mystery Planeって知ってる人いますか?まあ、多分、知らないと思いますし、私も全然知りませんでした。ただ、ちょっと調べものをしていて、つい視聴して気に入ったので、購入した訳です。それで、ちょっと調べてみました。Mystery Planeは、1970年代に活動していたニュー・ウェーブ・バンド3D5が解散して、1980年に結成されています。その時の3D5のメンバーは、1978年の時点では、Mark Harvey, Gerald O'ConnellとPorl Thompsonだったとのこと。そうして、3D5はRAK Recordsから1枚シングルを出して、その1〜2年後に、Thompsonは脱退して、The Cureに加入しています。残った2人は、先ず、リズムマシンとしてBOSS DR-55を買いましたが、音は最悪だったと。また、その時にシンセも購入したそうです。それで、キーボードが弾けて、歌も上手かったCatherine O'Connellをバンドに誘います。因みに、Geraldは、Ash Ra TempelのManuel Gottschingの大ファンだったそうで、それで、彼等は、オープン・リールを使って録音をしていたそうです。そうしていると、マネージャーが1981年夏に、The MarqueeとかRock Gardenでのライブの予定を入れてきます。その時には、オープン・リールにリズム・セクションを録音しておいて、4番目のメンバーのようにステージで使っていました。一方、Geraldは、教員として働き始めましたが、その生徒の当時17歳のGary Ramonに、音楽の才能を見出して、Ramonをバンドに誘います。そうして、1982年に、漸くMystery Planeの曲が何とか出来るようになったのですが、Geraldは、よりサイケな方向にバンドの指向を変えようとしていました。最終的には、Mark Harveyは、GeraldとNigel Lackeyとを仲介させて、Lackeyにも数曲演奏させて、Mystery Planeは、1983年にカセット作品”The Dead Presley Tapes”をリリースしています。その後、どうも1988年迄は、カセット作品をポツリと出していますが、それらに記載されているクレジットはあやふやで、信憑性も怪しいのですが、一応、書いておくと、メンバーは、Missile (B, Vo, G), Curse (Drs, Kbd), Mark Harvey (G, Vo), Zero (Vo, G)で、Gary Ramonが曲をコンパイルしたとなっています。多分、Zeroと言うのが、Gerald O'Connellじゃないかなぁとは思いますが、確認できませんでした。ただ、Geraldは、Lives Of Angels と言うバンドを作って、よりシンセ・ウェーブな音楽作品”Elevator To Eden"を1983年にColor Tapesから出したりもしています。後、Mystery Planeは、他のシンセ・ウェーブとは異なり、クラウトロックからの影響が強く、特に、Neu!, Amon Düül II、それにUltravoxの”Vienna”の辺りからの影響が強かったそうです。一応、まとめると、今回の参加メンバーは、Gerald O'Connell, Mark Harvey, Catherine O'Connell, Gary Ramon, Nigel Lackeyと言うことになると思います。そうして、オリジナルは1981年に作られたデモテープを、Color Tapesが後に100部限定でリリースしたものなのですが、今回は、ちゃんとリマスターしてLP/CD化して出したものになります。それでは、各曲について紹介していきます。 A1 “Telephone”は、Neu!っぽいハンマービートの疾走感に、ギターとシンセが上手く乗っており、クラウトロックからの影響がよく分かるインスト曲です。 A2 “This Is Your Life”も、マシンリズムながらも、ややミニマルな構造で、男性Voと女性コーラスが掛け合うポップな曲です。 A3 “Something To Prove”は、割とシンセ・ウェーブな曲ですが、懐かしのメロディ・ラインが素晴らしいです。ここら辺はニューウェーブっぽいかな? A4 “Tightrope”は、DR-55のリズムとシンセのリフに乗って、如何にも英国的なVoのメロディが絶妙な曲ですが、シンセとギターの不協和音が効果的! A5 “Someone Else”では、マシンリズムとシンセとギターが組んず外れず絡み合い、Voもありますが、ブレイクがカッコ良いです! A6 “Poor John”でも、1980年代のニューウェーブ調の曲をシンセ・ウェーブで演っているような曲ですね。サビでのシンセにテクノ・ポップ味を感じます。 B1 “Crying Again”も、ニューウェーブっぽい曲ですが、使っているシンセやリズムマシンからして、やはりちょっと違うな!と思います。Voとコーラスは絶妙! B2 “Death Sentence”は、ギターとマシンリズムがカッコ良い曲ですが、安っぽいシンセの音色には捻りは無く、Voは歌いまくってます。 B3 “(Do The) Shah Of Iran (Twist)”は、チープでファニーなリズムマシンと、ギターによるエセ中近東風(にもなっていない?)曲となっています。 B4 “Still Life”では、珍しく女性コーラスとマシンリズムで始まるニュー・ウェーブチックな曲で、アップテンポでカッコ良いです。 B5 “Silence After Midnight”ではまた、DR-55のリズムに合わせて、1980年代っぽい歌が郷愁を誘います。 総じて、この作品は、単にシンセ・ウェーブと言うよりも、宅録ニュー・ウェーブな印象が強いですね。こう言うバンドって中々無かったた思うので、是非ともニュー・ウェーブ・ファンの方は聴いてみて下さい‼️やっぱり、欧州のシンセ・ウェーブとは違いますね。また、B面はそれ程ではないですが、A面とかはクラウトロックっぽい部分もあり、そこら辺のファンにも需要があるかも❗️ [アルバムとしてまとまった動画はYouTubeには無かったので、全曲を1曲ずつ貼っておきます] A1 “Telephone” https://youtu.be/DWJbUM0terg?si=g5pZaTjieuYZ_RRt A2 “This Is Your Life” https://youtu.be/7d7skW1ZDJQ?si=FNuRXMivY2l9pJlc A3 “Something To Prove” https://youtu.be/xyA5zalxTtk?si=cYAAELzMkteOFbka A4 “Tightrope” https://youtu.be/08eVBOqe4i8?si=hQZFR5lWRMK2tiiI A5 “Someone Else” https://youtu.be/iuiHU_5Po6E?si=lz6zjNNN1uGLC29e A6 “Poor John” https://youtu.be/E9186fDN03A?si=GWju7FbNtRE2VHTU B1 “Crying Again” https://youtu.be/B2ZnLC0GSK4?si=o2ytR0DZEEk3DsAa B2 “Death Sentence” https://youtu.be/eGai6IypUdA?si=julwU3Ty4NkWwYPrThank B3 “(Do The) Shah Of Iran (Twist)” https://youtu.be/cp6w5OmYCpw?si=nDO_S6IXtWZklLZa B4 “Still Life” https://youtu.be/PxbPbLLoKB0?si=aSuNK00uLjpGn2K9 B5 “Silence After Midnight https://youtu.be/1kcjCvp1wm4?si=KteBnExnpWSLbd87 #MysteryPlane #StillLife #AColorTapesProduct #1981年 #DemoTape #LimitedEditions #500部 #NewWave #SynthWave #Krautrock #Neu! #AmonDüülII #Ultravox #Synthesizers #Guitar #RhythmMachine #DR-55 #CatherineO'Connell #GaryRamon #MarkHarvey #GeraldO'Connell #NigelLackey
Synth Wave / New Wave A Color Tapes Product $25.99Dr K2
-
Portray Heads “s/t”
Portray Headsと聞いて、ピーンと来るリスナーさんはよっぽどのマニアか?四国出身者/在住の方かもしれませんね。今回は、そんなマニアックな日本のニュー・ウェーブ/シンセ・ウェーブ黎明期に四国に咲いた徒花Portray Headsのセルフ・タイトルのアルバムをご紹介します。先ず、バイオグラフィーを簡単にご紹介しておきます。このバンドは、1984年に四国愛媛県松山市で、冨田徹(Toru Tomita)の呼びかけで、土井幹治(Mikiharu Doi)と徳永あゆみ (Ayumi Tokunaga)によって結成されています。彼等は直ぐに十数曲を作り、その中から2曲を選んで、7㌅ソノシート・シングル”Elaborate Dummy”をカゲロウ・レコードより1985年5月にリリースしています。しかしながら、リリース直後に、徳永が脱退し、バンドは新ヴォーカルを探します。このアルバムには入っていませんが、朝倉満代(Mitsuyo Asakura)もヴォーカルで在籍していたようです。その結果、越智由美(Yumi Ochi)が新ヴォーカリストとして加わります。彼女のヴォーカルは力強く深かったので、バンドにはよくマッチしていました。それで、トリオは、19864月に”Oratorio”を録音、今度は自身のレーベルLabel Land 4thから、1986年12月に、カセット・フォーマットと7㌅シングル・フォーマットと言う2種類でリリースしています。しかしながら、彼等が活動していた松山市は保守的であったので、このような新しいタイプの音楽に理解がなく、殆どライブをやるチャンスはなく、その為、バンド内でもトラブルの原因になっていました。そんなこともあって、バンドは直ぐに解散してしまいます。その後のメンバーの活動は不明ですが、こうして長い年月を経て、セルフ・コンピ・アルバムが米国のレーベルからリリースされたのは、何かの縁と言うか報われたのではないでしょうか?一応、紹介の前に、メンバーと担当楽器を列挙したおきます。冨田徹 (Electronics, Synth, B, Perc), 土井幹治 (Electronics, Synth, Kbd, Tapes), 徳永あゆみ(Vo [A1, A2, B1, B2, B3, C1, C2, C3], Perc, Sax), 越智由美 (Vo [A3, A4, A5, D1, D2, D3])に加えて、オキウラ・タツユキ (Drs, Drumurator)です。録音は1984年〜1986年の間に、松山市のStudio LEADで、TEAC 8-Track Open Reel Recorderを使って行われています。楽器は、Roland, Korg, Casioのシンセを使っており、Roland MSQ-100でシーケンスを組んでいました。A4ではRoland S-50 Samplerも用いられています。それでは内容を紹介していきます。 生ドラムも使っていると思うのですが、全部打ち込みなんだろうか?結構、急襲系の切羽詰まったような曲が多いですが、まあ王道のシンセウェーブだと思います。また徳永さんの越智さんのヴォーカル・スタイルは似てはいるのですが、越智さんの方がより伸び伸びと力強く歌っている印象ですね。A3やA4なんかは多分ドラムマシンとシーケンスするベースラインがはっきり分かります。しかしながら、全体を覆っていらのは、陽キャではなく、ダークな雰囲気ですね。そう言う意味では、シンセ・ウェーブと言うより、今で言うダーク・ウェーブに近いですね。それと、シーケンス以外の上物のシンセは恐らく手弾きでしょう。この頃になると、デジタル・シンセが出回ってきた時代でしょうか?そんな音が聴こえますね。そこら辺の使い方がやや中途半端なようにも感じますが。そうは言っても、曲の完成度は高く、1980年代中期に咲いた徒花の如く、素晴らしいダーク・ウェーブなので、ゴスやダーク・ウェーブに興味のある方は是非とも聴いてみて下さい‼️あと、B1のような少しアラビックなメロディの曲も捨てがたいですね。それと、LP2でのデモ・ヴァージョンとの比較も興味深いです。 LP1 A1 “Elaborate Dummy” A2 “Watch Your Scope!” A3 “夢を夢に” A4 “浮かぶ · 迷う · 漂う” A5 “Industrial Eye” B1 “舞い上がれ” B2 “操り人形” B3 “Generation Storm” LP2 C1 “Industrial Eye (Demo)” C2 “Burning Light” C3 “浮遊体” D1 “夢を夢に (Demo)” D2 “舞い上がれ ’86” D3 “浮かぶ · 迷う · 漂う (Demo)” “Industrial Eye” (single version) https://youtu.be/QKBY9aRnPpY?si=H1JfgRvxAO89uHWx [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kd0NgX5elsAkSCcKlS6B5XcyvaGQJhCvc&si=bbkqNPnUz_2CqalO #PortrayHeads #SelfTitle #MinimalWave #BitterLakeRecordings #Mid-1980 #MatuyamaCity #SynthWave #Minimal #Synthesizers #FemaleVocal #ToruTomita #MikiharuDoi #AyumiTokunaga #YumiOchi #ElaborateDummy
Synth Wave / New Wave Minimal Wave / Bitter Lake Recordings 不明Dr K2
-
Charles De Goal “Algorythmes”
これも、謎物件です。Charles De Goal (「シャルル・ド・ゴール」と発音か?)と言うバンド(?)のファースト・アルバムですが、私はすっかり忘れていましたね。久しぶりに出してきて聴いたのですが、まずジャケを見て、音響系のレコードか?現音系のレコードと思っていたので、聴いてビックリでしたよ。宅録ニューウェーブ?と叩きのめされました。それで調べてみました。元々は、Patrick Blainのソロ・ユニットらしいですが、Discogsを見ると彼以外に4人の名前が載っています。Etienne Lebourg (B), Jean-Philippe Brouant (Drs), Thierry Leray (G, Kbd), Vincent Guilluy (?)はどうも再活動期に集めたライブ用のメンバーのようです。私と一緒で、1985年まではライブもやっていなかったので、メンバーその他の情報はなく、匿名性の高いバンドとして認知されていたようです。オフィシャルには1986年に最後のスタジオアルバムを出しています。しかしながら、その後、ずっと沈黙しており、1992年に新曲発表があり、2006年にセルフ・コンピがリリースされています。その前年の2005年に上記の4人がメンバーとしてクレジットされていますが、正式なメンバーなのかヘルプなのかは不明です。まあ、本作品に関しては、Patrick Blainのソロと考えていいでしょう(最近のファクトはかなりあやふやで、錯綜していますので、悪しからず)。 それで本作品ですが、正に「1980年代の宅録」と言う感じの音楽です。まあノイズ・ミュージックではないので、M.B.とかとは全く違いますが、同じ仏で言えば、Ptose Productionsに近いかな?それを更に劣化版みたいな感じです。チャカポコしたDR-55のチープなリズム(結構生ドラムを使っている)と簡素なベースラインやシーケンス、それにパナペナで簡素なギターなんかで盛り付けをして、元気一杯なヴォーカルやら変調ヴォーカルやらが乗ると言う家内工業的音楽です。簡素な録音ながら、中々アジのある楽曲で楽しめますね。1980年初期の宅録ポップに興味のある方は聴いてみて下さい。最近の作品と比べるのも面白いかも? “Radio On” https://youtu.be/WdipEBYCv-4 Full album https://youtu.be/CDZrSs2YO2E #CharlesDeGoal #Algorythmes #NewRoseRecords #PatrickBlain #OneManBand #FrenchPop #MinimalWave #宅録 #NewWave #Drums
Synth Wave / New Wave New Rose Records 不明Dr K2