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Delta 5 “See The Whirl’”
やっと発掘しました。英国のポストパンク・バンドでもひときわ異彩を放っていたDelta 5を紹介します。私が、このバンドを知ったのは、以前にも紹介したコンピ”Clear Cut 1”の1曲”You”でした。中々、元気な曲でお気に入りでした。そんなDelta 5ですが、何とアルバムは、本作品”See The Whirl’..”1枚しか出ていないんです。それで、先ず、彼等のバイオグラフィーを紹介しておきます。Delta 5は英国Leeds大学のアートスクール・シーンから出てきたバンドで、オリジナルメンバーは、Julz Sale (Vo, G) Ros Allen (B), Bethan Peters (B)で、1979年に結成、当時はOn A Larkと名乗っていましたが、直ぐにポストパンクの波がLeedsにも押し寄せ、Dead Beatsに在籍していたKelvin Knight (Drs)とAlan Riggs (G)が加入し、フェミニズムと2本のペースによるファンク・パンク・サウンドと言うスタイルで、Leedsでも有名になっていき、1979年にデビューシングル”Mind Your Own Business”をRough Tradeからリリースします。彼等にとって、Rock Against Racism運動は非常に重要であったので、右翼が手を貸している敵対勢力Rock Against Communismからは暴力行為の対象にされていました。しかしながら、セカンド・シングル”You”をリリース後、米国ツアーで成功を収めますが、その後、直ぐにRough Tradeを去り、Charisma Records傘下のPRE Recordsと契約し、デビューアルバムでもある本作品”See The Whirl”を作製しますが、かなりクリーンな出来栄えであった為か、音楽評論からも商業的にも失敗してしまいます。特に、後者の理由で、1981年に解散してしまいます。その後、PetersはFun Boy Threeのセカンド・アルバムに参加し、その後もライブ要員になりますが、その他のメンバーは音楽からは遠のきます。その一方で、少年ナイフが”You”のカバーをしたり、2006年には、Kill Rock Starsが、初期のDelta 5のトラックを集めたセルフ・コンピ・アルバム”Singles & Sessions 1979-1981”をリリースしたりしたおり、影響力はあったようです。 それで、本作品”See The Whirl’..”を紹介します。メンバーは、Bethan Peters (B, Vo), Ros Allen (B, Vo), Kelvin Knight (Drs, Perc), Alan Riggs (G, Vo), Julz Sale (Vo, G)で、その他にMichael McEvoy (Piano), Melv Jefferson (Back-Vo, Synth-Drums), B.J. Cole (Pedal Steel G)及びJohn SidwellとSteve BishopとSteve Sidwell (Horns)とがゲストで客演しています。なお、ホーンのアレンジはMichael McEvoyが担当しています。それで、内容なんですが、先ず、短い曲が多く、3分を越える曲は13曲中3曲だけです。しかし、どの曲も元気一杯で、飛び跳ねるような躍動感に満ち溢れています。また、大々的に導入されたホーン類も効果的で、より世間受けする音になっています。しかしながら、思った程、2本のペースの効果は感じられなかったです。敢えて、そうしたのか?そうなってしまったのか? そんなファンキーな曲に混じって、A2 “Final Scene”やB1 “Journey”のようなファズの効いたカッコいいギターの曲やB3 “Triangle”のようなハワイアン風或いはB6 “Different Fur”のようなチャイナ風のアレンジの曲などは少し毛色が変わっていて、飽きないですね。ただ、ヴォーカルは、全体の印象からすると、クリアー過ぎるような気もします。確かに、数人でハモるヴォーカルは力強いようにも思うのですが、説得力がやや弱いようにも感じました。しかしながら、Rough Trade時代とは違った魅力も感じられて、このまま続けていたら、どうなっていたか?妄想してしまいます。ポスト・パンクは確かに出自ですが、それを越えたポピュラリティーをビンビンに感じます。なので、ファンク調の音楽が好きな方は、一度チャレンジしてみてはいかがでしようか❗️ デビューシングル曲“Mind Your Own Business” https://youtu.be/sUzdv3S7KTY [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLMrNhCeIdhrJjrwX8V3AbZlQgoE1JLYK0 #Delta5 #SeeTheWhirl #PRERecords #CharismaRecords #PostPunk #Funk #TwoBasses #Horns #PopMusic #RockAgainstRacism #Feminism #BethanPeters #RosAllen #KelvinKnight #AlanRiggs #JulzSale #MichaelMcEvoy #MelvJefferson #B.J.Cole #JohnSidwell #SteveBishop #SteveSidwell
Post Punk / Funk Charisma Records / PRE Records 不明Dr K2
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Gang of Four “Songs Of The Free”
続きますが、Gang Of Fourのサードアルバム”Songs Of The Free”の紹介です。Gang of Fourのバイオグラフィーは以前の紹介で書いてありますので、ここでは省略させて頂きます。でも、一つだけ。セカンドアルバム”Solid Gold”を出してから、1981年に、バンド創設者の1人であるDave Allen (B)が脱退します。その直後にはBusta “Cherry” Jones (B)が加わりますが、バンドの北米ツアーが終わると、彼も脱退し、League of GentlemenのSara Lee (B)が加わります。彼女はベースだけではなく、シンガーとしても才能があったので、このメンツで、本作品”Songs Of The Free”を作製します。この時のバンドの方向性はよりコマーシャルにと心掛けていたようです。A2 “I love a Man with a Uniform”は本作品の中でもラジオで掛かり易い曲でしたが、1983の春にフォークランド紛争が起こった為、そのシングルのリリースは暫くの間、禁止されてしまいます。そう言う背景もあって、Hugo Burnham (Drs)も本アルバムがリリースされた後、脱退しています。まあそんなところですが、本アルバムの内容はDaveとはちょっと違ったSaraのBやBack-Voを聴くことが出来ます。全体的には米国寄りな音作り/アレンジになっており、特に、ラップ調にも歌うBackingVoをA1 “Call Me Up”に取り入れたり、Jon Kingの歌い方と言うよりも、コーラスのゴージャスさが米国受けしそうな感じです。またAndy Gillのギターもフィードバック奏法は抑えられています。しかしながら、B面の曲では、ギターの引き攣ったコードを刻む音まで入っており、そこら辺にポスト・パンクな立ち位置としての意地を見せているように思います。初めて聴いた時は、ちょっとこれは米国チャートを意識し過ぎてるなぁとも思いましたが、何度も聴いていると、細かいところに、ギミック的アレンジがほどこされており、まだAndyの荒々しいギターも聴かれ、Sara LeeとHugoのファンク的なアレンジの妙もあって、聴けば聴く程に、スルメのように旨みが楽しめるようなアルバムになっています。そんな意欲的な彼等のアルバム、聴いてみませんか? https://youtu.be/NilQ4BejtBE #GangOfFour #SongsOfTheFree #EMI #PostPunk #AvantFunk #SaraLee #AndyGill #JonKing #HugoBurnham #Arrange
Post Punk / Funk EMI 1500 円Dr K2
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Gang of Four “Hard”
これは完全に騙されたな。Gang of Fourの4枚目のアルバム”Hard”です。アルバムタイトルにやられた!バイオグラフィーは前回も書きましたので、この作品の前後だけ少々補足しておきます。1981年にセカンド・アルバム”Solid Gold”をリリースした後に、Dave Allen(B)が脱退、一時期、Busta "Cherry" Jonesがヘルプで参加していましたが、The League of GentlemenのSara Lee (B)が正式に加入。1983年にHugo Burnham (Drs)が脱退。同年に残った3人で、本作品でもある4枚目のアルバム”Hard”を作製。1984年にバンドは解散しています。その後、何度も再結成と解散をしますが、肝心のギターのAndy Gillが2020年2月1日に64歳の若さで呼吸不全にて他界してしまいます。ただ、バンド自体は、2021年10月に創設メンバーのJon King (Vo)とHugo Burnham (Drs)に加えて、Sara Lee (B)と、Andy Gillの代役としてSlintのDavid Pajo (G)で再結成され、現在も活動中です。 それで本作品ですが、Punk Funkなバンドなのにドラマー不在で作られており、恐らくドラムマシンをこれでもか!と言う風に前面に押し出したミックスになっており、あのAndy Gillのフィードバック奏法やウィルコ・ジョンソン譲りのカッティングが余り聴こえないのが、Gang of Four として今一つなんですよねぇ。それにJonのヴォーカルもかなりクリーントーンでまるでメジャーアシンガーのようです。確かにベースとドラムマシンの掛け合いや、コーラスやストリングスの大胆な導入も、新しい局面かもしれませんが、初期のトンガっていた頃のファンとしては、ちと残念なアルバムでした。でも彼等にしたら、新しいダンス・ミュージックを提示したアルバムと言っても過言ではないかと思います。好き嫌いが分かれるアルバムですが、一回は聴いてみる価値はあると思いますよ、 “A Man With A Good Car” https://youtu.be/XvNmQGol9FM “I Fed” https://youtu.be/7BVuxEvBOxQ #GangOfFour #Hard #EMI #PostPunk #PunkFunk #Choir #Strings #JonKing #AndyGill #SaraLee
Post Punk / Funk EMI 不明。Dr K2