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19 (Juke) “19/19”
とうとうやっちゃいましたかぁ!あの大竹伸朗氏が1978年〜1982年(主に大学時代)にやっていたノイズ・バンド19/Jukeの未発表音源をコンパイルしたブツが出てしまいました。版元は湯浅学氏のレーベル円盤です。19/Jukeのバイオグラフィーについては、以前に書いてありますので、そちらをご参照ください。ただ、ライナーを読むと、大竹氏が一人でセレクトしたのではなく、当時のバンド・メイトの遠山俊明氏が中心になって、19/Juke結成から25年経った2003年にリリースされた未発表曲19曲から成る”19 [1978-1983]”と言うCD (因みにこのCDはDiscogsには載っていない)が元になっているとのことです。そして、大竹氏の言葉を借りると、このアルバムは、1978-1982年に録音した5枚のアルバムの内、未発表だった曲と1983年に録音した未発表曲から成り、19/Jukeの核になっていた部分のコラージュ的作品であるとのこと。なお、曲順は時系列ではないらしいです。一応、メンバーを書いておきます。大竹伸朗 (B, G, Synth), 野本卓司 (G, B, Drs, Vo), 遠山俊明 (G, B, Synth, Organ, Vo), 太田陽子 (Vo)の4人です。内容は1分に満たない〜2分程度の短い曲が無秩序に配置されており、B面最後の曲だけ6分の曲が収められています。それら各曲は所謂「ノイズ・ロック」のような曲で、アルバムで言うと、ファースト・アルバム〜セカンド・アルバム辺りの曲が多いように思います。既存のロックで使われる楽器を使って、録音方法や演奏方法によってノイズ化すると言う手法で作られた曲です。なので、全体を聴いてみると、それらの曲がコラージュのように配置されており、1枚のアルバム全体が一つの作品として成立しているように感じられます(まあ、そこが、狙いなんでしょうが)。ただ、B面最後の長めの曲が、その作用を異化しているようで、興味深いです。とまあ、各曲も面白いのですが、アルバム全体としても面白いので、大竹伸朗ファンはマストな作品ですね。 本作品はYouTubeには上がっていないので、2022年東京近代美術館での「大竹伸朗展」の動画を貼っておきます(本作品とは関係はありません)。 https://youtu.be/21-iT3CU_4Y #19 #Juke #19/19 #円盤 #PreviouslyUnreleased #NoiseRock #Collage #ShortTracks #Guitar #Bass #Drums #Synthesizers #Voice #大竹伸朗 #野本卓司 #遠山俊明 #太田陽子 #ShinroOhtake #TakujiNomoto #ToshiakiTohyama #YokoOhta
Noise Rock Enban(円盤) 4200円Dr K2
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19 “Juke”
いやー、やっとですか❗️ヴァイナルでの19の再発は!当時、噂は聞いていて、その時にセカンド・アルバムとシングルは買ったのですが、ファースト・アルバム”Juke”はその後、見かけなくなり、ヤフオクとかでも中々高価で手が出ませんでした。まあ皆さんもご存知のように、19とは、芸術家の大竹伸朗氏が1978年に野本卓司と結成したバンドで、その後、1980年に遠山俊明と太田陽子が加入し、その年の12月にファースト・アルバム”Juke”を自主制作でリリース。45曲をぶち込んだアルバムで、実験的と言うかローファイなノイズ・ロックの残骸が散らばっています。多分、ノイズ・ミュージックを意識してやろうとしていた訳ではなく、取材用テープレコーダーによる録音の為、このように歪んでしまったり、歪になった結果が、このような音楽となったのであろうことはライナーノーツを読まずとも、推測できます。特に、セカンドでは8チャンネル・ミキサーを購入したことで、音の分離は良くなってますが、このファーストではミキサーも無く、部室のスタジオでテープレコーダーによって、兎に角、全部録音はしていたみたいです。そんな中で、”No New York”が1978年にリリースされ、日本にも噂と現物が店頭に並び始めたことで、自分達のやっていることはノイズでも現代音楽でも即興音楽でもなく、この音だ!と大竹氏は直感し、ロンドンから帰国後、今まで録り溜めたテープを選別し、その中から使える部分を取り出して、本作品を作り、4人でお金を出し合ってリリースしたとのこと。そして、彼等の演奏は全くのアドリブで、その場の雰囲気とかで録り方も演奏も変わってしまう。それを録音し続けた訳です。これは大竹氏のあのスクラップブックにも通じるのではないか?そう思ってしまったのです。それにしても兎に角、凄い。細切れの音?音楽?が次々に現れる、圧倒的物量で! なので、今、「大竹伸朗展」が開かれてますが、それに通じる「溢れかえる情報量」、それが、私の心を揺さぶるのです。当時は、発想の転換とも思ってましたが、ライナーを読んで認識を改めました。そんな音楽?に是非とも触れて欲しいです。あっとそれから、19のメンバーをもう一度紹介しておきます。Shinro Ohtake (B, Synth), Takuji Nomoto (G, B, Drs, Vo), Toshiaki Tohyama (G, B, Synth, Organ, Vo), Yoko Ohta (Vo)。因みに、再発盤のデザインはオリジナルと同じですが、色は「青」「黄」「赤」と3種類があるようです。またちょっと装丁にも凝っていますので、是非、皆さん、マストですよ❗️ https://youtu.be/lRdrXKE5svc #19 #Juke #Enban #Reissue #ShinroOhtake #TakujiNomoto #ToshiakiTohyama #YokoOhta #TapeRecorder #Lo-Fi #NoiseRock #AdLib #Experimental #NoWave #FirstAlbum #ScrapBook
Noise Rock Enban (self release) 4200円Dr K2
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Wolf Eyes “The Driller / Psychogeist”
これ、ラベルには33回転って書いてあるんですが、Discogsによると45回転らしいです。と言う訳で、21世紀のThrobbing Gristleとの噂もあった米国Wolf Eyesの登場です。Wolf Eyesは、元々Nate Youngが1996年にMichiganのDetroitでやり始めた実験ロックバンドですが、今では現代的ノイズ・ミュージックとして捉えられています。と言っても分からないと思いますので、少し、バイオグラフィーを書いておきます。元々は、Nate Youngのソロプロジェクトとして始まりましたが、1998年にAaron Dillowayが加入し、それまではSpykesと言う名義でコラボしていた、Universal IndiansのJohn Olsonが2000年に正式に加入してトリオになります。因みにJohn OlsonはAmerican Tapesと言うレーベルを自身の作品を出す為に1991年からやっていますが、やがて他のアーティストの作品も出し始め、2007年までに700本を越える作品をリリーフしています。それで、2005年にはAaronが度重なるツアーに興味を失い、脱退します。そのあとにHair Policeなどで活動していたMike Connellyが2000年に代わりに正式に加入し、再びトリオでの編成になります。しかしながら、2013年2月にMikeも、自身のソロやHair Policeの活動に集中したいとの理由で、脱退します。その代わり、MichiganのミュージシャンJim Baljoが加入、しかし、2017年に脱退。現在、Wolf EyesはNate YoungとJohn Olsonのデュオになっています。Johnはバンドを「必要かどうかに関わらず、拡張したり、集中したりする、変わることの出来る生命体みたいなモノだ。」と見做しているようです。そして彼等は20年間にオフィシャルに297作品を録音しており、Hanson RecordsやBulb Records, American Tapes他、色んなレーベルからリリースしています。また、彼等は、Anthony Braxton, Merzbow, Sonic Youth, Black Dice, Prurient, Double Leopards, John Wieseなどなどの多くのミュージシャンとコラボしたり、共演したりしています。また、Wolf Eyesの作品は完全DIYで配給されており、交換でも入手できるとのこと。 それで、本作品”The Driller”/“Psychogeist”ですが、何と!グランジの総本山Sub Popから出ています❗️ この時にはまだAaronが在籍中でしたね。YouTubeで見た時は、トリオの頃のライブで、テープエコーの操作とギターにオシレーターから成る編成で「俺たちのやっているのはTrip Hopだ!」と言っていたのが印象的でした。”The Driller”は、ヘビーでスラッジィなリズムに、締め殺されそうなVoと邪悪なノイズが交錯する攻撃的な曲、一方、”Psychogeist”は、淡々とした簡素なリズムに不定形のノイズが絡むと言う往年のT.G.を想起させる鬱々とした曲です。こうなるとWolf Eyesを作品、集めたくなりますね。多分、リズムはテープエコーのループで作っているものと想像します。そんなWolf Eyesですが、興味のある方は是非是非聴いてみて下さい❗️(因みに、先日、Aaron Dillowayが来日して、東京と大阪で素晴らしいライブ・パフォーマンスを見せてくれましたね。) “The Driller” https://youtu.be/gLKrjiXYuf4 #WolfEyes #TheDriller #Psychogeist #SubPop #Noise #Experimental #Loop #TapeManipulation #NateYoung #JohnOlson #AaronDilloway #AmericanTapes
Noise Rock SUB POP 不明Dr K2
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Demo-Moe “Demolish N.Y.C.”
これは知る人ぞ知るニューヨークのノー・ウェーブ・トリオDomo-Moeの唯一のアルバムです。確か、美川さんが日本で紹介しており、それで直ぐに買ったと記憶しています。メンバーはAlfredo Caballero (B, Vo), Andy Thurlow (G), Michael J. Zwicky (Dr)の3人組みでありますが、Wikiにもそれ以上のことは書いてなくて、他も調べたのですが、情報無し。以前にYoutubeで見かけた時は、メタルジャンク担当のメンバーがいましたが、、、。Demo-Moeは1998年にこのアルバムを残して消えてしまいました。それで本作品なのですが、電気化したパンク・ジャズとかフリージャズのノーウェーブとか言われているように、一切の予定調和をぶち壊しながら、バリバリと進むぐちゃぐちゃなトリオの「アンサンブル」です。一応,歌詞はあるようなので、曲と言う概念もあるのでしようが、最早、何をもって曲とするか?その根源的疑問を投げかけてくれます。フリージャズのその先にある音楽を実践していたと言えると思いますが、これ一枚で消えてしまったのは大変残念です。なので、皆さんもこれを見つけた時は即ゲットしてください。ハイパーなノーウェーブ・ジャズ(?)を聴けますよ!もし、このバンドのバイオグラフィーを知っている方がいましたら、教えて下さい。 https://youtu.be/Ftarv1ts180 #Demo-Moe #DemolishNYC #MaldororRecords #NoWave #PunkJazz
Noise Rock Maldoror Records 不明Dr K2
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19 (Juke) “Ninety Seven Circles”
今をときめく、画家/芸術家の大竹伸朗が、1978年に結成した、(基本的に)宅録バンドが19 (Juke)です❗️1980年12月から1982年9月まで.精力的活動していました。その時のメンバーは、Shinro Ohtake, Takuji Nomoto, Toshiaki Tohyama, Yohko Ohtaとのことですが、どの時期に誰がいたかは不明です。この間に4枚のLPと1枚のシングルをリリースしています。ただ、人前でのライブは殆どやっておらず、一回だけ、法政大学学館大ホールでやったらしいです。ファーストアルバムは、G, B, Dr & Voと言うロックの基本の4ピースでありながら、メチャクチャに歪んだショートトラック45曲も詰め込んでいたことで、自主制作としては話題になりました。そして次にリリースされたのが、この作品 ”Ninety Seven Circles”です。ここでも編成はほぼ同じで、曲によってはシンセらしき音も入ると言う感じです。大竹氏は、19 (Juke)を始める前に、1980年に武蔵野美術大学を卒業し、2度目の渡英をします。その際、友人でもあった芸術家Russel MillsとロックバンドWire/DomeのメンバーであるBruce Gilbert及びGraham Lewisとの4人でサウンド・パフォーマンスを行なっており、その年の10月に帰国し、早速、19 (Juke)を再始動し、アルバム作製を始めます。この時は部室でのライブ演奏をラジカセ一発録りで録音したとのことですが、大音量であった為、バランスや音は歪みまくり、ノイズ・ロックのようになってしまいました。しかし、彼等はそれを良しとして、編集し、ファーストアルバムを作ります。それで得たお金でミキサーを買い、セカンドアルバムに向けての音源の作製にかかります。音の分離は良くなりましたが、相変わらずの歪んだノイズ・ロックなシングルをリリース後、セカンドアルバムとしてノイズ・ロックな音源をリリースします。それが、本作品になります。本作品も曲数は多いのですが、ラジカセ録りだったのか、歪みまくっていますね。rawな音ですが、説得力がありますし、音楽的にもエフェクトをかけたり、シンセを使ったりと進歩しています。ただ、この後にリリースされたサードと4枚目は、手作業によるテープループなどを用いたりと全く違う形態の音楽になっています。私は個人的には、このアルバムの前に出たシングルが大好きで、当時は本アルバムと共に愛聴していました。芸術畑の人がその感性のまま、音楽をやるとどうなるか?と言う疑問に対する答えの一つが、この19 (Juke)なのかも。この時代に、ノイズ・ミュージックに整合性を持たせたかったアーティストやグループが多かった中で、敢えてラジカセ一発録りと言う逆転の発想で音楽を作り上げたと言うのが興味深いです。是非、皆さんも聴いてみて下さい。 https://youtu.be/ZKORv7phOhY #19 #Juke #NinetySevenCircles #大竹伸朗 #NoiseRock
Noise Rock SELF-RELEASED 2500円位?Dr K2