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Suicide “Alan Vega・Martin Rev”
ご存知、ロックンロールの極北とも称されるSuicideのセカンド・アルバムです❗️最初、Suicideは3人組だったことは知っていましたか?元々Alan VegaとMartin Revは1969年に知り合い、やっていた前衛ジャズバンドを解体し、別のバンドを演ろうとして,Alan Vega (“Nasty Cut”或いは”Nasty Punk”と名乗っていた)がギター、トランペットとヴォーカルを、Martin Rev (“Marty Maniac”と名乗ってた)がドラムとキーボードを、Paul Liebegott(Cool Pと名乗ってた)がギターを担当していたバンドがその原型だったのですが、当時は自分達の音楽は”punk music”だと言ってマンハッタンでライブをやっていました。1971年にPaul Liebegottが脱退してしまいます。この時点で、Alanは「もう楽器を弾きたくない!歌を歌いたいだけだ!」と宣言、一方、Martinはドラムを叩いていましたが、1975年初頭にドラムはやめてしまいます。それをもって、良く知られているVoと楽器(壊れたFarfisa社製のオルガンとチープなドラムマシン)と言う、当時としてはヘンテコなデュオになります。1976年にコンピ”MAX’s Kansas City”への参加を経て、1978年に、UKツアーを敢行し、Elvis CostelloやThe Clashとサポートしますが、いつも最後は暴動が起ったとのこと(前回のファーストアルバムの文章を参照して下さい)。それは地元NYCでも同じで、いつも客が怒ってライブがメチャクチャになっていたそうです。その為、Alanはバイクのチェーンを振り回して防御してたらしいです。また彼等はパンクスとかよりもNew York Dollsの様なグラム・ロック系のバンドと対バンしていたとのこと。そんな感じで地道に活動していた彼等ですが、1977年にNY Dollsのマネージャーが運営していたRed Star Recordsからファーストアルバム(前回参照)をリリースします。音楽雑誌からは概ね良い反応が得られました。そこに目を付けたのが、当時アメリカン・ロックを代表するバンドThe CarsのRic Ocasekで、セカンドにあたる本作では見事なプロデュースを成し遂げています。その後、Suicideは多少の浮き沈みがあるものの、ソロ活動も含めて、ずっと活動してきました。そして、Alanが2016年7月14日に眠ったまま亡くなり、Suicideもその活動にピリオドを打つことになります。 それでら本作品ですが、ファーストの殺伐とした雰囲気とは全く異なるかのような甘くてドリーミーな音楽になっており、発売当時は皆反応に困っていたと思います。「これはエレ・ポップなのか?それともロックン・ロールなのか?」と言う戸惑いです。例えと言うならElvis Presleyが,甘い曲を歌うかの様な曲調です。これには,恐らくプロデューサーのRicの介入でMartinの機材が格段にアップグレードされたのが大きいと思います。それでも、一聴して分かるのは、Alanの歌い方とMartinの独特のコード進行とアレンジがあるからだと思います。多分,この2人でしか作り出せない「ロックン・ロール」(多分にロカビリー色があるので)をやっていたのだなと確信します。そんな彼等のセカンド・アルバムは,やはり「電子ロカビリー」と言うことが正しい評価なのでしよう。未聴の方は是非聴いてみてください。 [A面] https://youtu.be/Vkpu9i9U7-w [B-1] https://youtu.be/6PUTQkcwvnM #Suicide #AlanVega #MartinRev #SecondAlbum #RicOcasek #MercuryRecords
No Wave, Avant-Pop ZE Records 不明Dr K2
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Suicide “Suicide”
これも名盤の一つでしようか?米国NYCに現れたSuicideのファーストアルバム(セカンドも表記はない) “Suicide”❗️ Alan VegaとMartin Revからな成るデュオが結成されたのは1970年。以来、彼等は多少の休止期もあったものの、2016年までその名の下に活動を続けてきました。噂では極々初期にはギターもいたらしいのですが、すぐに脱退したとか。エルビス・プレスリー直系のヴォーカルのAlan Vegaと楽器(キーボードとリズムボックス)担当のMartin Rev。この二人が織りなす音楽は、紛う事なき「ロックン・ロール」なのですが、ギターもドラムもいないで、キーボードとリズムボックスの簡素でミニマルなバックに、呻くような、囁くような、それでいて時に咆哮するようなヴォーカルが乗ってくるので、単なるSynth Popとかとは全く違う、所謂、「変異したロックンロール」になってしまっています。この2人でなければ、出来なかったことをずっとやり続けていたんだと思います。なお、残念ながら、2016年6月16 日にAlan Vega は78歳で他界しています。それで今回、紹介するファーストもその萌芽が随所に見られる訳ですが、A面1曲目の人気曲の”Ghost Rider”から始まって、B面2曲目の通好みの狂気の曲”Frankie Teardrop” (10分もある!)も含めて、よく出来たアルバムだと思います。リリースは、1977年、プロデュースはポップ・ミュージックの名プロデューサーCraig LeonとMarty Thauで、Ultima Sound Studioで、たった4日で終わったとされてます。バンド名も救いようがないですが、演奏もこれ以上どうすることもなかったのではと想像します。それで、本作には、NYCのCBGBでの1978年5月25日のライブトラックがC面に収められており、これはMarty Thauがカセット録音したものをマスタリングした音源です。日本のミュージシャンであるReck氏の体験では、彼等のライブは実は、凄い轟音で、テーブルの上のグラスが勝手に動いていく程であったとか。また,D面には”23 Minutes Over Brussels”と題されたライブ音源が丸ごと収められているのですが、これは、1978年6月16日にベルギーのブリュッセルのAncienne Beigiqueでのライブ音源で、Howard Thompsonによってカセットレコーダーで録音されだものです。この時は、Elvis Costelloの前座として出演していましたが、何か暴動直前まで行ってしまったかのような観客の反応で,中々、楽しめます。そう言えば、The Clashのアメリカツアーの時の前座でも観客が暴動を起こしたとか。まあ、普通のパンクやニューウェーブのライブに行って、Suicideみたいなミュータントが出てきたら、そりゃ怒るわなと想像しますよ。そんな初期のレアなライブ音源もカップリングされた本作を楽しんでみて下さい。 [A/B面] https://youtu.be/Juk8vezpqHo [D面: 23 Minutes of Brussels] https://youtu.be/0rXJCl876Lk #Suicide #FirstAlbum #GhostRider #FrankieTeardrop #Live #CBGB #23MinutesOfBrussels
No Wave, Avant-Pop Blast First/Mute 不明Dr K2