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Ash Ra Tempel “Join Inn”
今回は、独Ash Ra Tempelの4枚目のアルバム”Join Inn (連れ込み宿)”を紹介します。オリジナルは1973年なリリースされていますが、私が購入したのは、50周年記念で、リマスタリングされた再発盤です。録音は1972年12月に行われており、同時に、同じDierks Studioで、Walter Wegmüllerのアルバム”Tarot”の録音も行われていました。Ash Ra Tempelのバイオグラフィーは既に書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回のメンバーは、Hartmut Enke (B), Klaus Schulze (Drs, Organ, Synthi A), Manuel Göttsching (G)、そして、GöttschingのガールフレンドRosi Müller (Vo)です。ファースト・アルバムに参加していたSchulzeが再びドラムとオルガンで戻ってきており、演奏も引き締まっています。しかも、両面共1曲ずつと言う、これまた思い切った内容になっています。A面 “Freak’N’Roll” (もうタイトルからして凄い!)は、多分、ジャム・セッション的な演奏なのだと思うのですが、個人的には、Göttschingの弾きまくるギターよりも、緊張感を持って、この19分間を引き続けるEnkeのベースの方に注目してしまいます。また、Schulzeのシンセ音が時に聞こえてくるのも嬉しい。Schulzeのドラムも気合い充分ですが、後にバリバリのシンセ奏者になるのが、この時点では謎ですね。と考えると、Göttschingはそんなにガリガリとギターを前面に出して弾きまくる「エゴ」は持っていないギタリストなのかなぁと思えてしまいます。そこら辺がAsh Ra Tempelと言うバンドのありようなのかも知れませんね。一説によると、Göttschingは若干自分より年上のSchulzeにガツンと自分の意見が言えなかったらしいです。バンドだとそんなこともあるんですね。一方、B面 “Jenseits”は、Schulzeのオルガンに誘導されて、Enkeのベースが上手い具合に絡み付いてくる「明確なビートの無い」曲です。そんな中で、Rosiの語りのようなヴォイスがポツポツと聞こえますが、彼女は元々音楽はやってなかったのかな? しかしながら、Göttschingのギターが余り聞こえないのは、Schulzeが自分の意見(曲全体のバランスを重視)をゴリ押ししたのかな?とも妄想してしまいます。B面はビートレスな曲なので、敢えて、ギターのパートを抑えたのかも知れませんね、と言うか、良く聴くと、ギターの摩擦音を出していますね。それでも、Rosiの語りと入れ替わるように、後半になって、弾きまくる訳ではないですが、漸くちゃんと弾いていますね。 それで、全体の感想ですが、個人的には、A面もB面も、Göttschingのギターももっと聴きたかったので、ちょっと不完全燃焼な感じを受けました。この作品について、Göttschingがどう思っているのかが知りたいところです。多分、作品のコンセプトはSchulzeが主導権を握っている感じですね。まあ、それはそれで興味深いのですが。そんなAsh Ra Tempelのアルバム”Join Inn”、聴いてみて下さい❗️アルバムとしては良く出来ていると思いますので!是非❗️ https://youtu.be/3fqpc64kDv0 #AshRaTempel #JoinInn #MGArt #Ohr #Krautrock #Psychedelic #Reissue #Remastering #50周年 #4ThAlbum #HartmutEnke #KlausSchulze #ManuelGöttsching #RosiMüller #Freak’N’Roll #Jenseits
Krautrock / Psychedelic MG ART (Ohr) 不明Dr K2
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Can “Live In Cuxhaven 1986”
またまた買ってしまいました。独クラウトロックの王者Canのインスト・ライブ・アルバム第3弾です。今回は、”Live In Cuxhaven 1976”( 「クックスハーフェン」と発音)で、現段階では最新作となります。バイオグラフィーは以前にも描いてありますので、そちらをご参照下さい。メンバーは鉄壁の4人で、Holger Czukay (B), Jaki Liebezeit (Drs), Michael Karoli (G), Irmin Schmidt (Kbd, Synth)から成り、ヴォーカルはいません。片面に2曲ずつ収録されていますが、明確なタイトルが無いことからも、本作品が、全て即興で演奏されていることが分かります。どの曲もそれぞれの楽器から放出される音は「有機的な生物」のようにウネウネと自立して絡まり合い、独自のグルーヴを生み出しています。LiebezeitのメトロノームのようなハンマービートとCzukayのミニマルとフリーの間を行き来するベースライン、控えめながらのカッティングとソロを弾きまくるKaroliのギター、そして要所要所を攻めるSchmidtのキーボード、どれも完璧です。ただ、個人的に難を言えば、Karoliのギターがちょっとガツンと来ない気がするんですが、これは曲の長さとかも関係するかもですね。 それとB1には唐突にVoか少しだけ入ってきますが、誰でしようか?彼等は、このライブの前後に、名作”Flowmotion”を作製しているのですが、その為の布石だったのでしようか? しかしながら、それは別にしても、この4人でのジャムセッションによる即興ライブは、Inner Spaceでの作業に何らかの影響を及ぼしているのではないかと思われます。ただ、今回は1枚だけで、しかも片面に2曲ずつと言うことから、少し食い足りないところもあるのがちょっと残念ですが、それでも、彼等のテンションの高さは感受できます。皆さんも、Canのライブでの底力を知る上で外せない作品と思いますので、ファンのみならず初心者の方も是非とも聴いてほしいですね‼️しかしながら、このインプロ・ライブ・シリーズはまだ出るのでしようか? それなら、長尺のものを希望します❗️あと、アートワークが統一されていて、これもまた唆られますね。 A1 “Live In Cuxhaven 1976 Eins” https://youtu.be/Q8G92PHqo24 #Can #LiveInCuxhaven1976 #SpoonRecords #MuteRecords #KrautRock #Improvisation #LiveAlbum #FreeRock #HolgerCzukay #JakiLiebezeit #MichaelKaroli #IrminSchmidt
Krautrock / Psychedelic SPOON Records / Mute Records 4700円Dr K2
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Amon Düül “Disaster”
今回は、Amon Düülの4枚目のアルバム”Disaster (Lüüd Noma)”を紹介します。随分、昔に買ったのと、当時はそれ程プログレに興味がなかったのもあって、内容はよく覚えていませんでしたので、発掘して聴き直してみました。 Amon Düülについてのバイオグラフィーは前回のをご参照下さい。この時のメンバーは、 Ella Bauer, Helge Filanda, Peter Leopold, Rainer Bauer, Ullrich Leopold, Uschi Obermaierの6人です(が、ジャケの中には8人が写っています)。また、私の持っているのは、再発盤なので、オリジナルとはジャケが異なります。それで内容なのですが、どうも傑作ファースト・アルバム作成時のアウトテイク(セッション)を集めたものらしく、全体的にラフな音作りになっています。また、噂では、Amon Düülの活動休止期に、マスターテープを持っていたBASFがメンバーの許可なくリリースしたようです (昔なので許されたのかな?今だったら訴訟ものですね)。とにかく、ザラザラしたギターのリフとバタバタしたドラムが、やたら耳に残ります。A面3曲 (A3”Yeah Yeah Yeah [Zerbeatt]”は56秒の曲)、B面2曲、C面2曲、D面4曲 (D3 “Attitude [Quäär Feld Aus]”も1分の曲)が、収録されており、LP2のC/D面では上記のメンバーにAngelica Filandaが加わった7人編成になっています。噂では、The Beatlesの曲の奇形カバーも収録されているとか?(私には分かりませんでした)。それにしても、A1 “Drum Things (Erschlagzeugtes)”の出だしはめちゃくちゃカッコいいです(ほんの一瞬ですが!)。B面はピアノと打楽器のアンサンブルで中々聴けます。しかしながら、最も音楽的面白いのはLP2C面のC2 “Autonomes (Entdrei)”の2台のドラムのズレっ放しの衝突とそれに被さるパーカッションの乱れ打ちではないでしょうか? まあ、D1 “Chaoticolour (Entsext)”のドラミングと気の無いヴォーカルの組合せやD2 “Expressionidiom (Kapuntterbunt)”のチェロと打楽器の掛け合い(ただし 収録時間は短い)も充分に面白いですが。全体の印象としては、音的な「素材感」がロウな形で提示されている分、Amon Düülのヘロヘロなドラッグ感が出てしまったと言う感じですね。必聴とは言いませんが、Amon Düülの当時のダレたサイケな部分を一度は聴いてみても良いのではないでしょうか‼️ C2 “Autonomes (Entdrei)” https://youtu.be/6Tg79i9GLhU [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lXnyu23fGiHjk1lujWwYCb8ZJhlSXwAL8 #AmonDüül #Disaster #BASF #Rocktopus #Krautrock #Psychedelic #OutTakes #Session #DoubleLPs #音悪い #EllaBauer #HelgeFilanda #PeterLeopold, #RainerBauer #UllrichLeopold #UschiObermaier #AngelicaFilandaAngelica Filanda
Krautrock / Psychedelic Rocktopus (BASF) 不明Dr K2
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Ash Ra Tempel “Schwingungen”
入手してから、まだ聴いていなかったよー!独のAsh Ra Tempelのセカンド・アルバム”Schwingungen (振動)”を、今回は紹介します。私が購入したのは、本アルバム発売50周年記念として、180gの重量盤で見開きジャケと言う豪華な一品です。ええっと、ちょっとややこしいのですが、元々は、ギタリストのManuel Göttschingが中心となって西独で1970年〜1976年に活動していたのが、このAsh Ra Tempelで、バンドとして終わってからは、Göttschingは、Ashraの名前で活動していました。それで先ず、Ash Ra Tempelのバイオグラフィーを書いていきたいと思います。1970年に、Göttsching (G)は、Klaus Schulze (Drs)とHartmut Enke (B)とのトリオで、Adh Ra Tempelを結成します。この前に、SchulzeらはConrad Schnitzlerと短期間ではありましたが、Eruptionと言うバンドに参加していますし、その前に、SchnitzlerとSchulzeはTangerine Dreamで一緒でした。それで、1971年6月に、彼等はセルフ・タイトルのファースト・アルバムをリリースします。その後、Schulzeがソロ活動の為、脱退した為、続くアルバムでは非正式なドラマーWolfgang Müller (Drs)を入れて作製していくことになり、主導権はGöttschingが握ることになり、1972年に、セカンド・アルバム“Schwingungen”をリリース。更に、当時、スイスを放浪していたLSDのグルTimothy Learyとコラボして、サード・アルバム”Seven Up”を1973年にリリースします。どうもこのアルバム作製時には、同僚ミュージシャン達がLSD入りのセブン・アップを飲んで、セッションしていたらしいです。1973年2月28日に、オリジナル・メンバーでリユニオン・コンサートをケルンで行います。その年の後半には、オリジナルの3人とRosi Müller (Vo)で、4枚目のアルバム”Join Inn”をリリースしますが、Enkeが体調不良で脱退し、またSchulzeも脱退。2人がいなくなってから、GöttschingとMüllerで、アルバム”Starring Rosi”をリリースします。2人のクレジットしかありませんが、実は、Harald Grosskopf (Drs)とエンジニアのDieter Dierks (B)も参加しています。1975年にzは、Göttschingはソロとして、”Inventions for Electric Guitar”を出しますが、本来、このアルバムは"Ash Ra Tempel VI"と名付けられて、Ash Ra Tempelの6枚目のアルバムになる予定でした。その年末には、Göttschingは、Agitation FreeのLütz Ülbrichと共に、Philippe Garrel作の映像作品” Le berceau de cristal”のサントラを担当しており、これは最初のコマーシャルなリリースとなりましたが、この先、1993年までコマーシャルな仕事のオファーは来ませんでした。1976年に、次のアルバム”New Age of Earth”をリリースしますが、この作品もGöttschingのソロアルバム的なものであった為、再発盤にはAsh Ra Tempelではなく、Ashraとのグループ名が付けられ、それは2000年代初頭まで続くことになります。今回はここまでとしておきます。 それで、セカンド・アルバムでもある本作品”Schwingungen”の内容についてですが、A面は”Light And Darkness”と題されて2曲が収録されており、B面も”Schwingungen”と題されて2曲が収録されています。参加メンバーは、Manuel Göttsching (G, Organ, Electronics. Choir), Hartmut ‘Infra Roger’ Enke (G, B, Electronics), Wolfgang Müller (Drs, Vibraphone), Uli Popp (Bongos), John L. (Vo, Jew’s Harp, Perc), Matthias Wehler (Sax)で、この頃からRosi Müller (雑用)もいるようです。A1 “Light: Look At Your Sun”はややスローかつダルなテンポで、陰な気分になるような気怠い曲で、とても太陽の光など感じられない、と言うか薄曇りの中に靄と共にぼんやりした陽の光を見上げるような気分になります(サイケっちゃサイケなんですが)。A2 “Darkness: Flowers Must Die”は、手数の比較的多い走り抜けるようなドラムとベースにフェイザーとかを掛けまくったギター、吹き上げるサックス、それに絞り出すように叫ぶヴォーカルが渾然一体となって、聴く者の耳を襲ってくる、激しい曲ですね。B面はタイトル曲で、 “Suche”〜“Liebe”は、囁くようなビブラフォンの調べから始まり、キックの連打、そして不安を煽るようなオルガン、やがて再び闇のような時間を超えて、美しい歌声とハーモニーの光に照らし出される世界へと導いてくれるような至福の一大絵巻となっています。素晴らしい‼️聴き応え充分なアルバムです。クラウトロック云々の他に、至上の愛(或いは光)を感じる音楽です。マスト❗️ https://youtu.be/4VpdJt-eq0Q #AshRaTempel #Schwingungen #MG.ART #Ohr #Krautrock #Psychedelic #SecondAlbum #50thAnniversaryEdition #Reissue #Remastering #ManuelGöttsching #HartmutEnke #WolfgangMüller #UliPopp #JohnL. #MatthiasWehler
Krautrock / Psychedelic MG.ART (Ohr) 不明Dr K2
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Can “Soundtracks”
出ました!初期Canの名作、セカンド・アルバム”Soundtracks”です。私はこのアルバムの”Mother Sky”が大好きで、当時はそればかり聴いてましたね。Canについてのバイオグラフィーは既に書いてありますので、ここでは省略します。それで、このアルバムはタイトル通り、本当に映画のサントラを集めたものなんです。なので、Voは主にはダモ鈴木なのですが、Malcolm MooneyがVoの曲も2曲あります。他のメンバーは、Holger Czukay (B), Michael Caroli (G), Irmin Schmidt (Organ), Jaki Liebezeit (Perc, Flute)の鉄壁の4人で、1969年〜1970年にInner Space Studiosで録音されています。その選曲なのですが、Roland Klick作”Deadlock”で使われたのが、A1 “Deadlock”, A2 “Tango Wiskeyman”, A3 “Deadlock”のタイトル画面でのBGMで、Leonidas Capitano作”Cream”で使われたのは、A4 “Don’t Turn The Light On, Leave Me Alone”で、Roger Fritz作”Mädchen mit Gewalt"で使われたのが、MooneyがVoのA5 ”Soul Desert”です。そして、B面では、Jercy Skolimovsky作"Deep End"で使われたのが、B1 “Mother Sky”で、Thomas Schamoni作”Bottom"で使われたのが、MooneyがVoのB2 “She Brings The Rain”です。特に、B1 “Mother Sky”は14分半も収録されており、その曲の良さが分かりますね。しかしながら、サントラ曲をコンパイルした作品なので、A面などは今ひとつ統一感に欠けるのですが、またその引き出しの多さがCanらしいとも言えますね。ただ唐突に終わるのだけは勘弁して欲しかった。その中でも、今聴いても、B1 “Mother Sky”は超名曲ですね。これだけの為に買う価値はあると思いますよ❗️ A1 “Deadlock” (3:25) A2 “Tango Whiskyman” (4:02) A3 “Deadlock (Instrumental)” (1:40) A4 “Don't Turn The Light On, Leave Me Alone” (3:42) A5 “Soul Desert” (3:46) B1 “Mother Sky” (14:30) B2 “She Brings The Rain” (4:04) A5 “Soul Desert” 3.46) https://youtu.be/Raxmv_b6l2M [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLNVgPakoimvN6_x2axRuv9bLYMufGJMr6 #Can #Soundtracks #Library #SpoonRecords #Reissue #Krautrock #MusicForFilm #Psychedelic #Deadlock #Cream #Don’tTurnTheLightLeaveMeAlone #MädchenMitGewalt #DeepEnd #Bottom #HolgerCzukay #IrminSchmidt #MichaelCaroli #JakiLiebezeit #DamoSuzuki #MalcolmMooney
Krautrock / psychedelic Spoon Records (Library) 不明Dr K2