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A Certain Ratio “To Each….”
発掘しました!1981年作のポスト・パンク・バンド, A Certain Ratioのファースト・アルバム”To Each….”です。今回、発掘してみて気づいたのですが、アートワークのデザインはT.G.のPeter “Sleezy” Christophersonなんですね。ビックリです。それで先ず、彼等のバイオグラフィーを紹介したいと思います。A Certain Ratio (以下ACRと表記)は1977年に英国Fixtonで、Peter Terrell (G, Electronics)とSimon Topping (Vo, Trumpet)に、Jez Kerr (B, Vo), Martin Moscrop (Trumpet, G), Donald Johnson (Drs)とMartha Tilson (Vo)が加わって、結成されたポスト・パンク・バンドです。元々は、DiscoやLatin percussionと同様にFunkからも影響を受けていました。先述のように、最初はToppingとRerrellのデュオでしたが、直ぐに、KerrとMoscropが加入し、最初の1年間はドラムレスで活動していました。ACRと言うグループ名は、1974年にリリースされたBrian Enoのアルバム”Taking Tiger Mountain (By Strategy)”の中の曲”The True Wheel”の歌詞から取られています。ACRはVU, The Pop Group, Pere Ubu, Kraftwerk, Wire, Brian Eno, Parliament, Funkadelic, Earth, Wind & Fireから影響を受けていたそうです。それで、ACRはFactory Recordsから、デビューシングル”All Night Party"を1979年9月にリリースします。そして「New Sex Pistols」として売り出し、あっと言う間に5000枚をソールドアウトしてしまいます。1979年10月1日に、彼等はJohn PeelのBBC Radio 1の為に録音をしますが、その時に、Donald Johnsonがドラムで加入しています。また、その時期にTalking HeadsのUKツアーのサポートをしており、David Byrneらにも影響を与えたそうです。1980年1日に、彼等は、カセット作品”The Graveyard and the Ballroom”をリリースしますが、これにはデモトラックとライブトラックから成るものでした。同年7月にセカンドシングルとして、Banbarraのカバー曲"Shack Up"をリリース、更に同年11月には12㌅シングル”Fight”をリリースして、英国インディーチャートで7位まで食い込みます。その後、ACRは、Occult ChemistryのMartha TilsonをVoに迎え、ToppingはTrumpetとPercussionsに専念します。6人組になって、ACRは、1981年5月に、Factory RecordsのMartin Hannettのプロデュースでデビューアルバムでもある本作品”To Each…”をリリースします。このアルバムは英国インディーチャートで1位となります。その後、セルフ・プロデュースで、シングル”Waterline”をリリースしており、本人達は満足していたようです。まあ、その後も、ACRはメンバーチェンジなどを経て、現在まで、活動を続けています(この先の活動については省略します)。 それで、本作品の内容ですが、確かにファンクのリズムやトランペットの旋律は使っていますし、ダンサブルであることは明白なのですが、それに始終せず、ぼんやりしたヴォーカルというかヴォイス、それに全体を覆うダークな雰囲気(多分、エレクトロニクスやプロデュースによるものなのでしようか?)が異様なポスト・パンクの音を体現しているように感じます。それと比較的短い曲とやや長尺な曲が入り組んでおり、長尺な曲では、特に異様な実験性すら感じますね。特にB面では、熱病に侵された頭で、意味もなく踊っているような、一種、病的なほどのダークネスを感じます。その意味では、まだThe Pop Groupとかの方が健全に聴こえますね。多分、それは、プロデューサーのMartin Hannetteが「第二のJoy Division」にしたかったのでは?と思います。ただ、異様なファンクと言うかポストパンクなので、聴く際にはお気をつけて❗️ https://youtu.be/ojR8yiKwRfA #ACertainRatio #ToEach…. #FactoryRecords #FirstAlbum #StudioRecording #PostPunk #Funk #Experimental #Darkness #Disco #LatinPercussion #PeterTerrell #SimonTopping #JezKerr #MartinMoscrop #DonaldJohnson #MarthaTilson #MatinHannett
Funk / Post Punk Factory Records 1800円?Dr K2
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Rip Rig + Panic “God”
やっとレコードの沼から見つけ出しました。The Pop Group分裂後に、能動的に新しくバンドを始めたのが、このRip Rig + Panicで、これが彼等のデビュー作になります。もうタイトルからして凄そうですよね。しかもこのジャケ!カッコいいです。この時のメンバーはGareth Sager (Multi奏者), Sean Oliver (B), Mark Springer (Piano), Bruce Smith (Dr)で、曲によりゲストで Neneh (Cherry), Ali (Up), FlashことDavid Wrightが参加しています。Gareth SagerとBruce Smithが元The Pop Group組です。彼等のバイオグラフィーは前回書きましたので、順番が逆になってしまい、申し訳ありませんが、そちらを参照してください。 で、本作品も45回転12㌅EP2枚組みと言う仕様になっており、音質重視派の方向けですね。やはり、元The Pop Groupの一派の中では、ダントツにシャープなファンクと言うか?ジャズと言うか?インプロと言うか?まあテンションは高いですね。一枚目(Red side)の2曲目のようにピアノだけの曲”Wilhelm Show Me The Diagram”や3曲目”Through Nomad Eyeballs”ようにピアノとドラムのインタープレイを中心に進行するインスト曲があったりで、実験精神てんこ盛りです。特にMark Springerのピアノはリリカルと言うよりもかなり挑戦的な音色に仕上がってますね。一枚目(Yellow side)も緩急を付けた曲を配置してあり、飽きさせないですね。時にしっとり感のある3曲目”Try Box Out Of This Box”ではジャジーなサックスが配置されてひと休みできます。二枚目(Green side)の1曲目”Howl ! Caged Bird”は不協和音のオルガンが活躍するカッコいい曲です。3曲目”The Blue Blue Third”もしっとりとしたリリカルなピアノが冴えます。二枚目(Blue side)は、1曲目”Shadow Only There Because Of The Sun”での不吉なクラリネットの調べから始まり、最後の曲”It Don’t Mean A Thing If It Ain’t God That Brrod”では、混沌の中にきっちり締めます。こうしてThe Pop Group 分派で、その遺伝子を受け継ぎ、新たな方向へ能動的動こうとしたのは、やっぱりRip Rig + Panicですね。こんなスタイルでレコードを出すくらいですので、やはり音的にも敏感だったのでは?と想像します。しかし、Nenehのヴォーカル、弾んでいて良いですね。あと当時はアヴァン・ファンクと認識していたのですが、どうもジャズの要素も強いですね。そんな訳で、元The Pop Group一派のその後について聴き比べてみました。どれが良いとかではなく、それぞれの個性てやっているのが興味深いです。この機会に是非、聴いてみてください。 https://youtu.be/J7zkM6VvfUs #RipRig+Panic #God #VirginRecords #UhHuhProds #ThePopGroup #GarethSager #BruceSmith #MarkSpringer #OliverSean #Double45回転Album #Funk #Jazz #Improvisation #Piano #Sax
Funk / Post Punk Virgin Records / Uh Huh Prods 不明Dr K2
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Pigbag “Dr Heckle And Mr Jive”
さあさあ、聴き比べですよ。「元The Pop Group一派」❗️今回はPigbagです。多分、皆さんの中には1980年代のホンダのCMソングが甦るかもしれませんね。因みにバンド名はメンバーが着ていた見窄らしいイボ猪の柄のシャツに由来するらしいです。一応、バイオグラフィーを書いておきます。1980年末にCheltenhamアート・カレッジのフッション科の学生だったChris Hamlinが、旧友のマルチ奏者のRoger Freemanをリクルートしてきた時に、一緒にChris Lee (Trumpet)とJames Johnstone (Gで、Alto-saxを練習中)も一緒に、公園やHamlinの家や色んな場所でジャムセッションを行なっていたことから、生まれたのが、このバンドPigbagでした。もう少し真面目にやろうと決意して、Jamesの旧友で、HardwareというバンドにいたAndrew “Chip” Carpenter (Dr)とMark “Miff” Smith (B)をリクルートしてきます。このジャムセッションで、有名な曲”Papa’s Got A Brand New Pigbag”のアイデアが浮かんだそうです。それで、Simon Underwood (B)がThe Pop Groupを脱退したとの噂を聞いて、Chis Hamlinは知り合いと言う知り合いを通じて、Simonの住所を書き出し、彼をPigbagに引き入れようとします。それでChris HamlinとJamesはヒッチハイクしてSimonに会いに行き、自分達のテープを聴かせます。それを気に入ったSimonは、自身の友人のOllie Moorer (Tenor Sax)も紹介し、Chris Hamlin等のバンドに加入します。それで、彼等はSimonのコネで、The Slitsの前座としてライブ演奏する機会を得ることが出来ました。また、実際やってみて、評価も高かったようで、1981年にLondonのBerry Street Studioで初の録音を開始します。そうして完成したのが、”Papa’s Got A Brand New Pigbag”ですが、これはJames Brownの曲名をちょっとだけ変えたとか。このシングルはY Recordsが版元になり、Rough Tradeが配給してました。このシングルはちょっとした地下ダンス・ミュージック・シーンでヒットとなり、彼等はこれで英国内や米国にもツアーに出ることができました。ただその前に、Chris Hamlinはエゴがぶつかるバンドの内情に嫌気が指して、脱退しています。1982年4月にに、彼等ののファースト・アルバム”Dr Heckle And Mr Jive”がリリースされ、英国インディーチャートで数週間に渡り、チャートインしています。それで、長い国内大学ツアーをやることになりますが、結果、バンドは疲弊してしまいます。ただ、この時期にTV番組Top of the Popsに2回出ています。その直後にRoger Freemanは脱退します。バンドはBrian Nevill とOscar Verdenを加えた新体制で、シングルの録音に挑みます。そのすぐ後にNYのジャズシンガーAngela Jaegerが加わり、セカンド・アルバム”Lend An Ear”を1982年の夏に録音しています。それで、1983年にSimon Underwoodと Angela Jaegerは結婚します。その後、ツアーを行いますが、アルバムに余り良い評価が得られなかったことやバンドの方向性や差異が分からなくなってきたこともあり、1983年6月にPigbagは解散しています。 それで、本作品”Dr Heckle And Mr Jive”を紹介したいと思います。この時のメンバーは、Andrew ”Chip” Carpenter (Dr, Perc), Simon Underwood (B, Cello, Vln), James Johnston (G, Alto sax, Perc), Ollie Moore (Tenor sax, Sanza, Alto clarinet), Chris Lee (Trumpet, Perc), Roger Freeman (Perc, Trombone, Kbd, Piano)です。BPMちょっと高め目なインスト・ファンク・チューンが詰め込まれており、どの曲もダンサブルです。確かにジャム・セッションから出来た曲なので緊張感はありますが、それが適度で、寧ろ本来の意味での即興的要素は割と少なく、寧ろ、楽しげに演奏している感が強いですね。そして、白人にも関わらず、ソウルフルな管楽器のアンサンブルが陽気でイカしてます。A面最後の”Brian The Snail”は深いディレイ音でノイジーになりますが、最後でサーカスの歌が流れるというドッキリやB面最後の”As It Will Be”はしっとりと締めるかと思いきや、電子ドラムやフリーキーなサックスも用いての実験的な曲で終わります。ここら辺はプロデューサーのDisc O’Dellの手腕ですかね? とまあ、今までは何となく元Pop Groupと言う看板に乗せられていましたが、寧ろ、Pop Groupの元メンバーは、他のグループからの誘いで参加していることが結構あったのだなあと反省しております。皆さんも、そう言う目で見てみて/聴いてみてはどうですか? side A: Dr Heckle A1 “Getting Up” A2 “Big Bag” A3 “Dozo Don” A4 “Brian The Snail” side B: Mr Jive B1 “Wiggling” B2 “Brazil Nuts” B3 “Orangutango” B4 “As It Will Be” シングル”Sunny Day” https://youtu.be/DSk7muvdzuk?si=YAwUNt3IPjG227X4 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kdanVRLCrMoFMcgh5GM4CtdS3BQz6OIXo #Pigbag #DrHeckleAndMrJive #YRecords #RoughTrade #Funk #PostPunk #ThePopGroup #Latin #Andrew”Chip”Carpenter #SimonUnderwood #JamesJohnston #OllieMoore #ChrisLee #RogerFreeman
Funk / Post Punk Y records (Japan Records) 不明Dr K2
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Maximum Joy “Station M.X.J.Y.”
皆んな、覚えているかな?あの強烈なポストパンク・バンドThe Pop Groupが分裂して出来たバンドの一つが、このMaximum Joyだと言うことを❗️正確に言うと、元The Pop Groupのメンバーと、同郷(Bristol)の元Glaxo Babiesのメンバーとが合体して出来たバンドです。結成は1981年。メンバーはJaninie Rainforth (Vo, Vln, Clarinet), Tony Wrafter (Sax, Flute, Trumpet: 元Glaxo Babies)が、中心になって、他のメンバーCharline Llewelin (Dr : 元Glaxo Babies), John Waddington (G : 元The Pop Group), Dan Catsis (B: 元The Pop Group & 元Glaxo Babies)をリクルートしてきて出来たバンドで、後にKev Evans (B, Piano, Vo)やJeremy Hirsch (Kbd, Trumpet)及びNellee Hooper (Perc,Back-Vo)も加わります。Tony曰く「ジャズ、レゲエ、ファンク、パンク、ソウル、ヒップホップ、ダブ、アンビエント、、必要なものは何でも取り入れた。だから単純なスタイルじゃないんだ」とのこと。1981年6月に”Stretch”、1982年2月に”White and Green Place”そして1982年7月に”In The Air”をY Recordsからシングルとしてリリース。”Stretch”の後、BはDan CatsisからKev Evansに代わっています。そして1982年10月に、待望のアルバム”Station M.X.J.Y”をAdrian Sherwoodのプロデュースでリリースします。それが本作品になります。この後、Jeremy Hirschが Tony Wrafterの代わりに加入し、Nellee Hooperが加わります。そして、Dennis Bovellのプロデュースで、Timmy Thomasのカバー曲"Why Can't We Live Together"を、"Man of Tribes"と抱き合わせで、シングルとしてリリースします。しかし、このシングルのリリースする時に、Janine Rainforthが、無理矢理バンドを脱退しようとして、新しい VoのPetaが加入した為、両A面で、1983年4月にリリースされます。その後、バンドは解散しています。その後、2015年8月19日に、Janine Rainforth (Vo Kbd), Charlie Llewellin (Perc,Kbd), Marek Bero (B), James Byron (G), Miroslav Haldina (Dr)のメンツで再結成し、MXMJoYとバンド名も改め、アルバム” p.e.a.c.e”をリリースし、現在に至ってます。ザッと言うとこんな感じでしょうか。 それでは、Maximum Joyの最初にして最後のアルバム”Station M.XJ.Y.”を紹介します。インスト曲を含む全8曲入り。とにかく、展開が複雑で、しかも、基本は跳ねるような硬質なファンクなリズムから成ります。以前にRip Rig + Panicを紹介しましたが、こちらの方が自由度の高い、スポンティーニアスな音楽だと再認識しました。各メンバーが色んな楽器が出来るからか、音色的にもカラフルで、雑食性が顕著です。こうやって聴き比べてみないと分かりませんでしたね。特にA面ではダブ的ミックスがされており、Adrian Sherwoodの手腕が冴えています。またB1では巷の雑踏の音が効果的に使われており、ここにもちょっとした実験性を感じますね。それも、全てのパートが即興的に奏でられているからでしょう。ちょっと面白いので、これから聴き比べてみますね。皆さんも機会があれば、聴き比べてみて下さい。 side A: Catch 1 A1 “Dancing On My Boomerang” A2 “Do It Today” A3 “Let It Take You There” A4 “Searching For A Feeling” side B: Throw 2 B1 “Where's Deke?” B2 “Temple Bomb Twist” B3 “Mouse An' Me”” B4 “All Wrapped Up! A4 “Searching For A Feeling” https://youtu.be/QCO9JGLy3xA?si=SNCmMPD5Iv08C4zn [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kV7Gb1IYM95r9oR31mdxm0mhFsAmwQvX8&si=GtKOke7fe9k9oLp6 #MaximumJoy #StaitionM.X.J.Y. #YRecords #ThePopGroup #GlaxoBabies #Funk #Dub #AdianSherwood #JaninieRainforth #TonyWrafter #CharlineLlewelin #JohnWaddington #DanCatsis #KevEvans #JeremyHirsch #NelleeHooper
Funk / Post Punk Y records (Japan Records) 不明Dr K2