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Kapotte Musiek “History Is What Was”
Kapotte Musiekはオランダの音響派ノイズ・バンドで、1984年にFrans de WaardらによってNijmegen,で結成されています。ここら辺のことは以前に書きましたので、そちらを参考にしてください。Kapotte Musiekは数本のカセット作品を出した後、1990年に彼等のファーストアルバム(LP)である本作を同じオランダのIF Recordsよりリリースしました。この時期はまだPCやラップトップを使われておらず、テープループの作製やピッチの変化など、かなりアナログな手法で、曲を仕上げています。本作品でも,かなりアブストラクトな曲が大半を占めており、どのようにその音素材を入手したかは不明です。まだ、細かい操作や変調は行っておらず、チープな味わいのある音響系ノイズになっています。元の音源は不明ですが、何かコンタクトマイクで拾った音でしようか? それ程凝った音作りでないですが、その稚拙な感じが微笑ましいですね。そして、彼等は、ここら辺から音響系ノイズの道を進んでいくことになります。この作品のA面B面にはレコードにlocked grooveが作られているので、その度に針を上げないといけない仕様になっています。オランダの音響系地下シーンは正にここから始まったと言えるでしょう。そして、Fransは,後にStaalPlaatの傘下に入るKorn Plasticsを1984年に設立し、他の音響系ノイズミュージックを世に送り出していきます。そんなオランダ、否、欧州の実験音楽シーンの中心になったFrans de WaadのKapotte Musiekの初期衝動が詰まった本作品も聴いてみて下さい。 “Element” https://youtu.be/DUntK3oyUQQ “The Valley of Death” https://youtu.be/RJrkct3Ny7c #KapotteMusiek #HistoryIsWhatWas #FransDeWaad #IFRecords #Holland
Experimental, Electro-acoustic IF Records 不明Dr K2
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Andrew Chalk/Ralf Wehowsky/Eric Lanzillotta “Yang-Tul”
これはUSミニツアーで西海岸に行った時(1999年?)に見つけたブツですが、その頃って、今以上に音響系ノイズが流行っていて、轟音系はやや過小評価されていたように思います。まあこの3者だったら、大体の音は想像出来るのですが、やはり聴いてみないとと思い購入しました。Andrew Chalkは1980年代中盤にはFerial Confineとしても活動をしていたことは以前書きましたが、彼は、その後、1986年頃から純粋に音響系ドローンにシフトしていきます。一方、Ralf Wehowskyは以前に紹介した密室実験系バンドP16.D4のリーダー兼創設者で、グループ解散後、1992年以降はRLW名義でソロ活動をしている頭脳派コラージュ/音響系ノイズ・アーティストです。Eric元々はこのレコードをリリースしているアメリカのレーベルAnomalous Recordsの運営者でもありますが,1980年代には,時々ソロでもライブ活動をしていたようです.それで、この3者によるコラボ作品が,この”Yang-Tylerですが、A面は、音素材をRalfが行い、Andrewがそれを加工・変調して,淡い音色の透き通ったようなドローン・ノイズに仕上げています。一方、B面はAndrewとEricとが音素材を送り、Ralfが仕上げていますが、単にドローンではなく、微弱音の採取や打撃音なども後半から絡んできて、アブストラクトな音響ノイズに熟成させています。個人的にはB面の,少しだけRLW或いはP16.D4を思い出させる音の配置が好みですが,まあ人それぞれでも良いかと。実は私もRalfともコラボ・スプリット7㌅を出していますが、それよりも、ここでのトラックは深化しています。時にはこんな「上品な蒸留酒」とような音楽もいいのでは?ないでしょうか。 https://youtu.be/LglzINDRzIk #AndrewChalk #RalfWehowsky #EricLanzillotta #Yang-Tul #Collaboration #Electro-Acoustic #Drone #Noise
Experimental, Electro-acoustic Anomalous Records 1900円位?Dr K2