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Cranioclast “Lost In Karak”
またまた、入手しました。独の謎多きデュオCranioclastの4枚目のアルバム”Lost In Karak”を紹介します。今回もまた、アルバム・タイトルも曲名も全てKranioklastのアナグラムになっています(徹底していますね!)。Cranioclastのバイオグラフィーは以前に紹介してありますので、そちらをご参照下さい。因みに、Cranioclastは、独Hargenの Klara K. TonsiとRita N. Koslakのデュオなのですが、制作・配給なども自身のレーベルCoCを通じてやっていた為か、謎が多いユニットで、本当のメンバー数もハッキリはしませんでした。そんなCranioclastの本作品は、ジャケットが、袋状ではなく、ジャケの大きさの4枚の厚紙に両面白黒印刷が施されており、盤はその間に挟まれていると言う使様になっています。いつもながらにジャケ写はアーティスティックですね。また厚紙には、英語と独逸語で何らかのコンセプト(何か、写真とかの撮り方とかそれに付随する物事の見方?)が書いてあるのですが、私には良く分かりませんでした。また、今回は、今まで、サイロやバンカーなどの建造物の写真をふんだんに使ったブックレットなどは付いてはいません。 と言う訳で、本作品の各曲を紹介していきましょう。 A1 “Rail To Kansk”は、ゆったりとしたリズムも感じられつつも、かなりダークなドローン音がのたうち回る曲で、いつもよりもビート感があるようにも感じますし、後半にはそれとなくメロディまで! 流石、4作目ともなると、録音テクの向上や機材の高度化などで、バッチリ聴かせてくれます。最後はビックリしました! A2 “A Link At Orsk”は連続して始まりますが、打楽器による土着的リズムと飛翔する電子(?)音とテープ音が非常に心地良いです。そのリズムは段々と分解されていき、最終的にはA1のリズムに置換され、飛翔する音は段々と天を覆うような迫力になっていきます。もう、見事なサウンドスケープです! B1 “Lo Rakka's Tin”は、静謐な雰囲気の中、ピアノの独奏で始まりますが、バックの音も含めて、不穏な空気感です。ピアノは段々と激しくなったり、不安定になったりして、更にカオス化しています。当然、エフェクトも掛けてありますし、何ならテープ等でサンプリングされた音だとは思いますが、まるで音が生きているかような旋律/音色です。 B2 “Lost In Karak”もB1に連続して、バックのシンセらしきドローンが始まりますが、今度は、管楽器?弦楽器?アコーディオン?のような音やシンセのパルス音が次第に挿入されてきます。そうして、突然の水音と共に、逆回転のような効果音に移行し、バックでは緩やかなドローン音が鳴り続けています。時に微かに聞こえる通信機の話し声が、ここは真空か?と思わせる秀逸なサウンドスケープとなっています。 いやー、今回もやられました‼️こんなに緻密な音楽は無いんじゃないかと思う位、作り込んであります。この作品を聴いて、思い出したのは日本のContagious Orgasmの音楽ですね。何か共通するものを感じました。なので、Contagious Orgasmのファンの方もきっと気にいると思います!とにかく、イマジネーションを強力に刺激する音楽ですので、体験してみて下さい。Let’s Listen❗️(因みに、1992年に、独レーベルFlabbergastからCD再発されていますので、そちらの方が入手しやすいかも) A1 “Rail To Kansk” A2 “A Link At Orsk” B1 “Lo Rakka's Tin” B2 “Lost In Karak” [full album] https://youtu.be/c8L9TWB5Ht4?si=ftkS70BgeXtNEWyL #Cranioclast #LostInKarak #CoC #4ThAlbum #German #Abstract #Experimental #Soundscape #Piano #Percussions #KlaraK.Tonsi #RitaN.Koslak
Experimental / Abstract CoC 1800円Dr K2
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Hastings Of Malawi “Choreological Exchanges”
皆さんは、Hastings Of Malawi (以下HOMと表記)と聞いて、何を思い浮かべますか? その中で、Nurse With Wound (以下NWWと表記)を思い浮かべた方は、相当なマニアですねー。HOMのメンバーは、Heman Pathak, John Grieve, Dave Hodesの3人なのですが、その内、Heman Pathakは、Steven Stapleton, John Forthergillと共にNWWがトリオだった時のメンバーで、シンセのプログラミングと作曲を担当していました。ただ、NWWが有名になり過ぎて、大会場でのライブをやるようになって、彼はNWWを脱退し、ジャズとワールド・ミュージックに傾倒していくようになり、バンドBig Daddy El Diabloのメンバーにもなります。一方、John Grieveは、ソロ活動もしており、主にサックスなどをループにした音響作品を発表しています。それで、HOMは、1981年にはファースト・アルバムをリリースしており、グループとしては古株なのですが、2018年まで何もリリースしていない時期もありました。その後は寡作ながらも、コンスタントにリリースしています。また、HOMは、元々、英国ダダイスト音楽グループとして認知されていたようです。もう少しまともなバイオグラフィーを書こうと思ったのですが、何如せん情報がありませんでしたので、ここで一旦止めておきます。 それで、内容ですが、A面B面共に1曲ずつで、A面には”Foxtrot”、B面には”Rhumba”と表記されています。一言で言ってしまえば、両面とも、NWW直系のミュージック・コンクレートなのですが、様々な非楽器音(時には、楽器の音も)を、そのまま使ったり、変調したり、テープスクラッチしたり、逆回転にしたり、エフェクト掛けたりして、緻密にそれらの音素材を繋ぎ合わせ、架空の「音」による物語を作っているかのようです。また、古いレコード(SP盤?)の挿入もあり、雰囲気も抜群です。特に、B面ではどこで入手したのか、日本の古い長唄らしきレコードの断片も使われています。どうも、コロナ禍の為、リモートで録音作業が強いられた為、リモート・コミュケーションをテーマにして作製されており、その為、電話がデジタル化される前の電話交換機の音や、それに関わるエンジニアのやり取り、更には電話の話し声を多用しているのが特徴ですね。本家のNWWと同様に、正しく「怪奇骨董音楽箱」と言っても良いような出来栄えですね。因みにバンド側は「ダンス・ミュージック」と言っているようです。なので、NWWが好きなリスナーさんはマストですよ‼️ そうじゃない初心者の方も興味があれば、是非とも聴いてみて下さい。この手のノイズ・ミュージックは良いステレオ・システムで聴きたいものです❗️ A面 “Choreological Exchanges (Pt.1): Foxtrot” https://youtu.be/kqQoVpGFSsM B面 “Choreological Exchanges (Pt.2): Rhumba” https://youtu.be/4PYwr_5gQlM #HastingsOfMalawi #ChoreologicalExchanges #SubRosa #Experimental #Abstract #Noise #MusiqueConcrete #Collage #NurseWithWound #HemanPathak #JohnGrieve #DaveHodes #電話 #Telephone #DanceMusic
Experimental / Abstract Sub Rosa 3100円Dr K2