小田部羊一展 金沢しいのき迎賓館にて開催

初版 2020/11/29 10:33

改訂 2020/12/12 18:50

小田部羊一展 金沢しいのき迎賓館にて開催!

日本で初の個展ということでかなり力が入っています。


天才アニメーター 小田部羊一(こたべよういち)の世界展 奥山玲子作品 特別展示 チラシ - 美術館パンフレット | MUUSEO




トークショーも参加してきました!

なみきたかし先生も参加

非常に面白いお話でした。

サインはやや高額な図録購入者のみ対応で残念。事前告知なし。


私の私見ですが小田部氏は「1を聞いて10を知る」感じのかたに思えました。

企画の方から、コンセプトやデザイン案など一つのヒントから想像を膨らませ作品に仕上げる「天才肌」の方!?職場にかかわる多くの方から刺激を受けたとのこと。


小田部氏は現在84歳、東京芸大日本画卒で、平山郁夫、前田青邨と学友だったそうです。父が絵の好きな人だったため、幼少期から絵のある生活をしていて、画家を志したそうです。

当時は絵で食べていくにはまだ苦労のある時代、何をしようかと考えていたところ、マンガ映画(アニメ)を見て刺激を受けたそうです。日本アニメーション(東映)に求人があったため入社。絵の技術で食べていけるし子ども達に夢を与えたいとの思い。

東映アニメーションで後に妻となる、奥山玲子さんと同じ職場で働くことになる。

当時は、奥山が上司であり、いろいろと仕事の注文があったそうです。

また奥様の人柄は、女性の活躍を訴える活発な方で当時としては異端だったそうです。

NHK連続ドラマ広瀬すず主演の「なつぞら」のモデルになった程の人です。

「こんな人が日本のお茶の間に登場したら、大変だと!」ご主人の小田部氏は思ったそうです。


高畑勲・宮崎駿氏とのエピソードも面白かった!

自身が死にかけて高畑氏が弔辞を読んでくれるはずが、反対に自分が弔辞を読んだ

いつも強面な宮崎が、面会謝絶にも関わらず病室に入ってきて、自分を見舞いに来て体を撫でた。「あの宮崎がそんなことをするはずが無いので、自分は死ぬのだな」と覚悟したそうです。




任天堂へは1985年に、先輩だった池田部長の誘いがあり転職したそうです。

当時のアニメーション業界は経費削減の為、アニメの動きをカットするなどの効率化を図り、質が下がるなど小田部氏にとっては面白くない環境だったこと。妻が1,2年他の事もしてみたら?との意見も転職に大きく影響したそうです。


入社後、スーパーマリオ作者で有名な宮本茂氏と出会う。

任天堂の宮本茂氏が金沢美術工芸大学出身というご縁もあって、今回金沢にて展示開催となったそうです。


当時のゲーム業界は、ドット絵にアニメを取り入れてより面白いモノにしようとしている時代でした。生産性追求するアニメの世界とは逆の環境です。

以降ゲームは進化を遂げ格段に面白くなります!


「スーパーマリオ3」の原画を任天堂からお借りして展示されています。

ゲームは後に384万本売れ大ヒット作となります。

https://youtu.be/ZF2QMOogC74




マリオのコンセプトについて宮本氏に聞くと「何でも自由に!ただし人殺しだけはやらないんだ!」とのことで、デザインについて大きなヒントとなったそうです。


スーパーマリオのアニメ化映画化など、宮本氏は慎重な姿勢だったそうです。

プレイヤーが楽しめるゲームの自由さが制限されるとの事らしいです。


ポケットモンスターについては、賛成多数だったとのことで

ピカチュウからテレビアニメ放映までつながるのです。

ハイジとピカチュウどちらもほっぺが赤いデザインですね。

ピカチュウデザインした方はほかにいるとの事ですが、小田部氏の影響を強く受けているものと考えられます。


ゲーム会社でアニメの指導と橋渡しするなどが仕事で約20年勤務されたそうです。






公式HP

石川県政記念 しいのき迎賓館 - ようこそ、おもてなしの空間へ。- (shiinoki-geihinkan.jp)





小田部羊一は、半世紀にわたり日本のアニメーション業界の第一線で活躍してきました。「アルプスの少女ハイジ」や「母をたずねて三千里」、「火垂るの墓」など日本アニメの名作、「スーパーマリオ」や「ピカチュウ」などのキャラクターの多くは、彼が制作に関わっています。作品を制作する際、「線」の表現を大切にしてきたと彼は語っています。




本展覧会では、小田部羊一がこれまで手掛けてきた作品の原画や、制作途中の絵画などを公開します。作品を通じ、アニメーション制作の楽しさだけではなく、彼の線描表現の豊かさを感じていただけますと幸いです。







~小田部羊一(こたべ よういち)~

1959年、東映動画株式会社(現:東映アニメーション株式会社)へ入社。主要な名作で活躍後、高畑勲、宮崎駿と共にAプロダクション(現:シンエイ動画)へ移籍。常にアニメーション史に残る名作にその名を刻む。

1985年、任天堂に入社。アニメーションのノウハウをテレビゲームに取り入れる。

現在はフリーで活躍する傍ら、日本アニメーション文化財団理事のほか多数の役職を務めながら、講演や後進の指導、展覧会などで活躍している。



サインをいただく事が出来ました!感謝です。


☆奥山玲子作品 特別展示

2019年度前期放送の連続テレビ小説「なつぞら」の主人公のモデルとなった奥山玲子は、実を言うと小田部羊一の妻です。奥山玲子の作品も併せて特別展示します。



~奥山玲子(おくやま れいこ)~

東映動画株式会社へ入社し、長編アニメ「白蛇伝」に動画スタッフとして参加。母を訪ねて三千里、注文の多い料理店などの長編スタッフとして活躍する。

1963年、同僚だったアニメーター小田部羊一と結婚。晩年は銅版画家としても活躍。2007年5月6日病没。



【主催】

石川県政記念しいのき迎賓館



#2020

ファミコン世代のおじさんの趣味のサイトです!
古いTVゲームと工芸が好きです。
アイコンは陶芸家 人間国宝 三代徳田八十吉の「黎明」がモチーフです。

TVゲームソフト約850本所有
「人間国宝からサブカルまで」をコンセプトに美術品とゲームなど蒐集

レトロゲームコンシューマ愛好会 会員番号1175

ユーチューブはじめました!「げーむのケイミヤチ」で検索してね!
https://twitter.com/keimiyachi

https://www.youtube.com/channel/UCmZzkdJaYzBZiG3NqhacVgg/

Default