アイテム解説の補助線「UNCERTAIN-T」

初版 2025/03/09 06:55

改訂 2025/03/09 07:30

2024年1月。

納屋からある車が発掘され、

その異形のマシンに

世界中のマニアがざわめいた…

このクルマは

UNCERTAIN-Tというショーカー。

1965年にSteve Scottらの手で

製作されたこのクルマは

クラシカルなT型フォードを

極端に前傾させたデザインと

実際にドラッグストリップを

駆け抜けられる走行性能で

カスタムカー誌のスターとなった。

…ちなみに実車登場の翌年には

Monogramから模型も発売され、

その特異な造形を

手の平で堪能出来るようになった。

Monogram UNCERTAIN "T"

https://muuseo.com/kaikai/items/852

kaikai

エド・ロスらが盛り上げた

「全く新しい形のクルマ」とも違う

既存のクルマをライフサイズで

「誇張」してしまうカスタムは、

後に「カリカチュアカー」として

一大ジャンルとなるのであった。

ショーや雑誌を賑わせた

このヘンテコなマシンは、

メタリックオレンジから

メタリックイエローに

リペイントされた後で

1970年頃売りに出されて

それきり行方が

分からなくなっていたのである。

失われた伝説の一台として

ファンの記憶に刻まれたマシン。

あのクルマはいま何処に…

次にこのクルマが世を騒がせたのは

2019年のSEMAショーだった。

そう、伝説のマシン

UNCERTAIN-Tが

サプライズ出演という形で

50年振りに姿を見せたのだ。

https://youtu.be/__BOjclEves?feature=shared

Panhead Custom Can - Uncertain T - YouTube

A handmade monster, coming in hot, propelled by an angry overcooked nailhead. Built in secret from a Monogram model of Steve Scott’s mystery machine. The Bar...

https://www.youtube.com/watch?feature=shared&v=__BOjclEves

…実際は非常に忠実な

レプリカだったのだが、

半世紀を跨いでなお

クルマ好きを虜にしてやまない

その魅力を確かに証明した

事件的な出来事となった。

そして2024年。

ついに「本物」が姿を現した。

塗装が剥がれてボディは錆び、

シャシーのフレームは

輸送中にポッキリ折れたために

ボディがさらに前に倒れ、

エンジンのファンネルが

窓を割ってしまっている。

さて、長い眠りから覚めた

このクルマの今後やいかに…

画像出典

https://kustomrama.com/wiki/Steve_Scott%27s_Uncertain-T

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kaikai

この世はわからない
ことがたくさんある。

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    とーちゃん

    2025/03/09 - 編集済み

     ライセンスプレートと
    ゼンマイのハンドルにも、
    やられました。

     ^o^

     当時の $7,000 は、
    今のいくら位の
    価値だったのかも、
    ちょっと気になります。

     実車によじ登っている
    子供達の記憶に、どう 刻まれて
    いるのでしょうね?!

     眠っている お宝って
    あるのですね。

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      kaikai

      2025/03/09

      ドルショック前なので1ドル=360円、
      単純計算で約250万円くらいですが
      今と円自体の価値も違うので
      今の感覚ではこの数倍くらい…?
      なかなかのお値段です♨︎

      完成が1960年代なので
      この少年たちも今は爺さんでしょうが、
      彼らに忘れ去られてしまう前に
      掘り起こされたというのは
      色んな意味で幸福だったと思います…!

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