-
追悼・小松政夫『デンセンマンありがとう』 しらけ鳥音頭/友川かずき
特にわざわざ買い求めるまでもないほど、イヤというほど耳に入ってきたこの番組のこの曲、桂三枝に伊東四郎、なによりも鬼才小松政夫、お馴染み過ぎる面々。1977年の夏がオリジナル発売です。このアルバムで特筆すべきは、「しらけ鳥音頭」のオリジネイター、友川かずきのフルレングス・レコーディング・ヴァージョンが収録されていることでしょう。幾多の作品を70年代よりリリースし続けている友川さんの、おそらくここでしか聴けないレア音源とでもいいましょうか。「別にたいしたものじゃありませんよ」という氏の声が聞こえてきそうですが笑、とにかく珍しい。かつ面白いものはしょうがない。#友川かずき
愛唱歌 音楽CD ソリッド揖斐是方
-
虚鐸 西村虚空
自作の長い管による楽器「虚鐸」を演奏する西村虚空の1964年の録音です。これはヨーロッパ盤のCD。単なる「尺八」とは別物とされるそうですが、この人はあのワイルドな法竹の海童道と同じく、自らを単なるの尺八奏者とは定義していなかったようです。だのでおそらくその世界では敵も多かったであろうこうした方々の、このうさん臭くもロックな姿勢が好ましいのです。サイケデリックのリスナーは必然的に世界の民族音楽や土俗的でエスニックな音楽へアプローチしていくものですが、この人のこのアルバムも世界のアシッド・ミュージックとしての文脈の中で紹介されていることで知り、聴く気になりました。いろいろな聴きかたがあるでしょうが、非常にサイケなメディテーション音楽として機能しているのは確かです。#尺八 #海童道
サイケデリック/アシッド 音楽CD ?揖斐是方
-
CULT SOUNDS/V.A. ヤホワ13 ジェレミー・スペンサー 麻原彰晃 カルト教団が遺した音楽集
キャピトルと間違えそうなレーベルマークも妖しげなこのレコードは、世界のカルトな人々が録音した音楽を集めたコンピレイションです。人民寺院のジム・ジョーンズが子供たちに歌わせた歓迎の歌から始まり、マンソン・ファミリーからは代表選手がお馴染みのボビー・ボーソレイユ(当然ルシファーライジング)、71年にフリートウッド・マックを脱退したジェレミー・スペンサーが入信したチルドレン・オブ・ゴッドでのレコーディング、ラエルにヤホワにおっかないアントン・ラ・ヴェイ、ブランチ・ダビディアンのデビッド・コレシュ、そして我が国からはショーコー・アサハラの尊師の数え歌などを収録しています。安易に「ライ」からマンソンを入れていないところが特徴でしょうか。しかし聴いていて、楽曲として一番しっくりくるのが「数え歌」なので笑うしかありません。#yahowa13 #Fleetwoodmac #オウム真理教 #Kennethanger
愛唱歌 LP, Album Aberrant揖斐是方
-
生誕80年 NILSSON 'THE TRUE ONE' Pandemonium Shadow Show 1967 Promo Box ハリー・ニルソン
存命ならば本日で満80歳となったハリー・ニルソンのファースト・アルバム、これはそのプロモーション用のボックス・セットです。期待の新人、ニルソンに対して、RCAレーベルが非常に強力なバックアップでプロモーション活動を行った証明でしょう。内容はステッカー、バッヂ、ゴム風船二種、プロモ・ポスター、ファンクラブ・カード、宣材写真、プレス・リリースなどが、ブラック・レーベルのファースト・アルバムのモノラル盤とともにセットされています。また、幸運にもこのコピーには本人のサインと署名入りの手紙も入っていました。アメリカの一人ビートルズによるサージャントペパーへの回答として、素晴らしい出来を示すサイケ・ポップ・アルバムですが、あれほどビートルズ四人からの賞賛を得て、しかも友人・仕事仲間として絶大な信頼を置かれていたアーティストであるにもかかわらず、早すぎた死とともに過小評価が残念でなりません。#beatles #yardbirds #bs&t #philspector #ringostarr #johnlennon #アナログレコード #プロモーション用 #サイン入り #psychedelicrock
ロック LP Box set RCA揖斐是方
-
演奏中に始めた本気の喧嘩が収録されたライヴ・アルバム「シチリアーノ」藤川義明・翠川敬基・AKETA
翠川氏のアルバムで好きなのが一枚あったのですが、このあたりの人脈の音楽には疎く、ただ興味本位だけで入手したジャズのアルバム。(2007年)開演前から険悪な空気があったそうで、よりによって演奏の真っ最中に怒りが爆発、「シチリア・マフィア・ブルース」の途中で相手をひっぱたく音が3発。アルトサックスの藤川氏からチェロの翠川氏へ。ところが録音を聴いてみるとその夜の三人の演奏はとてもいいということで、明田川氏がリリースに踏み切ったようです。それにしても、ロックならいざしらず、西荻の、あの狭いアケタの店で、17人の客の前で「楽曲の演奏中に喧嘩」、ファイティング・ライヴ・ヴァージョンとはすごい笑。究極のドキュメンタリー・アブソルートリー・ライヴ。#CD #明田川荘之 #翠川敬基 #藤川義明 #ジャズ
ジャズ 音楽CD アケタズディスク揖斐是方
-
ロッキン・ヴィカーズ コンプリート・コレクション モーターヘッド以前のレミー・キルミスター
モーターヘッドよりもホークウィンドよりもサム・ゴーパルよりももっと以前の、若き日のレミーが参加していたブリティッシュ・モッド・ビート・バンドのコンピレイション。レミーは途中から加入したようですが、英国では局地的かつ短期間ながらなかなかの人気だったバンドのようです。プロデュースはシェル・タルミー。キンクスの「タンディ」やピート・タウンゼントの曲などもカヴァーしており、レミーの文脈とはまた別の角度からも楽しめるのではないでしょうか。#レミー #シェルタルミー #moterhead #thekinks #thewho #hawkwind #samgopal #モーターヘッド
ロック CD クリンク揖斐是方
-
THE JOKERS イランのヘヴィー・サイケデリック・トリオ (1972)
1972年にイランのテヘランで録音されたザ・ジョーカーズのアルバム。当然ですが、全曲未発表のままだった発掘物です。1972年のパワー・トリオ。当時の色々なバンド名が想起されますが、すべて欧米のか、もしくはスピード・グルー・アンド・シンキくらいか。まだいるかもしれない笑。まさかイランにもこの手のバンドが活動していたなど、誰も想像できなかったのでは。そう考えると、まだまだ思いもよらない国々のこういうバンドの音が陽の目をみる可能性はあるでしょう。限定1000枚の紙ジャケット。#CD #psychedelicrock #パワートリオ #イラン
サイケデリックロック 音楽CD フェイディングサンシャイン揖斐是方
-
ホット・コールド・アンド・カスタード/ピーター&ゴードン
1967年のラスト・アルバム。当時のスウィンギング・ロンドンの雰囲気というのは、こういう残された音源や映像からでしかうかがい知れませんが、ほぼ例外なく英国のこの時代の作品には独特のフィーリングが漂っています。それはテープの逆回転のような意匠をこらしたサウンドデザイン云々とはまた別の次元で、ギターやドラムスの音の録り方や音質などといった側面からも、70年をまたぐ以前のレコードが持つ、あの時代ならではのものがあるのです。「グリーナー・デイズ」という名曲も収録されている本作は、地味ながらもやはり60年代イギリスを象徴するアルバムの一枚といえるでしょう。なお、国内製の紙ジャケットは、かつて回収されたザ・シーズのライブ・アルバムと同様、製作上のミスで裏貼りの面がフロント・カバーになってしまっています。エラー・ジャケットということにならないのでしょうか。#スウィンギング・ロンドン #peterasher #紙ジャケット #ブリティシュ・ビート
ロック 音楽CD ワーナーミュージック揖斐是方
-
ただ一人だけ マリー・ラフォレ HOUSE OF RISING SUN 日本語
フランスの女優、マリー・ラフォレといえばやはり「太陽がいっぱい」でのドロンの相手役が有名でしょうが、シンガーとしてもたくさんのレコードを残しています。ローリング・ストーンズの「黒くぬれ!」のカヴァーなども必聴モノですが、これは「朝日のあたる家」を日本語で歌ったカヴァー。1964年のレコードです。「あの人だけよ ただ一人だけ 私のこの心を あげる人は」という、「朝日のあたる家」とは全く関係のないオリジナルの歌詞を唄っているという極めて珍しいケースの一枚、ただ、歌詞カードに作詞者のクレジットはないし、レーベルには作者としてBob Dylanとあるし、その辺は時代を感じさせます。夜の闇が深かった時代の、仏国産の大人の歌謡曲の趣きです。#アナログレコード #7inch #太陽がいっぱい #アラン・ドロン #theanimals #bobdylan #朝日のあたる家 #日本語盤
フレンチ・ポップス 7" Single コロムビア揖斐是方
-
韓国のグループ・サウンズ IDOL ビートルズ、ジミヘンドリックスのカバー
1971年に発売されたらしい韓国のバンド、IDOLの紙ジャケットシーデー。6人組のはずなのにプロマイドには4人。場末のキャバレーのハコバンみたいなサウンドでゲス・フーの「ジーズ・アイズ」ビージーズの「ジョーク」ニール・ダイアモンドの「スイート・キャロライン」などをカバー。しかし一番印象に残るのは暗くて鈍重でどこかやるせなさが漂うヘンドリックスの「紫のけむり」です。 ファズを使っているもののチューニングが変。しかし実にいいのです笑。しかもすべてを韓国語で歌っている! おまけに「レット・イット・ビー」まで。#CDアルバム #psychedelicrock #jimihendrix #beatles #guesswho #beegees #韓国
ロック 音楽CD universal rythm on揖斐是方
-
Travelin' / Tommy James & the Shondells
「モニー・モニー」のヒットやジョーン・ジェットによる「クリムゾン・アンド・クローバー」でも 知られるアメリカのガレージ・バンドによる1970年の通算10作目にしてラスト・アルバム。チャート・アクションは全米で91位。つまり、そういうことになります。新しいロックの時代に対応すべく頑張ってはいますがやはり厳しかった。ただし「Candy Maker」だけは哀しいけれど興味深い一曲です。「Abbey Road」ファンを脱力させるに十分なサイケデリック仕様のナンバー。米原盤のレコードは二束三文ですがこのシーデーは全くそうではありませんでした。#CD #psychedelicrock #ジョーンジェット #ガレージパンク
ロック 音楽CD Collector's Choice Music揖斐是方
-
カレリア・グループの『ある酔っ払いの詩』 SUOMI POP
フィンランドのカレリア・グループによるアンダーグラウンド臭に溢れた奇盤です。サイケデリック・フォーク・ロックとも称されていますが、少なくともこの日本盤シングル曲を聴く限り、まさしく「ある酔っ払いの戯言」とかいいようのないフリーク・アウトサイダー・ミュージック。ボーカルのよれよれ度と語感が妙に人懐っこいのです。シーデーのほうは71年の3枚のアルバムを収めたもの。#アナログレコード #7inch #シングル盤 #フィンランド #psychedelic
アウトサイダーミュージック フォーク ロック 7" Single CD トリオ揖斐是方
-
DOSIS COMPLETA/MANGANZOIDES これも狂暴なペルーのネオ・ガレージ・パンク
ロス・サイコスの正統な継承者は実は世界中にいるのかもしれません。が、ペルー本国に限って言えばこのマンガンゾイデスあたりなのかもしれません。とにかく野卑、野蛮、ワイルド、勢いのみ、オリジナルだろうとカバーだろうと、歌いだしからすでに勢い余ってうわずっているような始末。ガレージ・パンクの鑑のようなバンド。これはバンド名を冠した1998年のアルバムと2000年の「MAS DOSIS!!!」の2on1にライブやデモのボーナスを収録したアルバムで、正確には再発のヴァージョン。何故かネット上では全く入手できず、リマのレコード店に連絡の上送金小切手を送り、現地の郵便局のストライキのために延々とまたされて漸く入手した記憶があります。#音楽CD #ガレージパンク #ペルー #Lossaicos
ガレージパンク 音楽CD KOMODO揖斐是方
-
50回転ズ デビュー以前のCDR 劇団クリノ
インディーズ時代の50回転ズがリリースしたCDR二枚。売値は三百円と四百円。どのくらいの枚数が出回っていたのか知りませんが、彼等のようなタイプのバンドはとにかく初期の演奏、録音が圧倒的に良い、勢いとパワーが違います。とはいえデビュー以降も一向に衰える事を知らないサウンドですが。名曲「天王寺エレジー」も収録。#インディーズ #ガレージパンク #CDR
ガレージパンク CDR 劇団クリノ揖斐是方
-
BURN ROCK N' ROLL!/THE FLAMING SIDEBURNS
度をこえた装丁のレコードやシーデーというものが世の中には存在しますが、これもその一つ。縦25センチ、横18センチ、厚さ1ミリの木製の「炎」。変形ジャケットもいいけれど、これでは当然他の物と同じようには収納できません。1995年にフィンランドのヘルシンキで結成されたハード・ガレージ・パンク・バンド、フレイミング・サイドバーンズの通算七枚目であり四枚目のライブ・アルバム。(2006) やはりストゥージズ、MC5あたりを源流とするラジカルかつ狂暴で熱いガレージ・サウンド。こういうデザインにした気持ちはわかるけれど、それにしても収まりの悪い形です。#ガレージパンク #変形ジャケット #CDアルバム
サイケデリックガレージ CD RASTRILLO揖斐是方