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ドント・ウォリー・マザー/マッコイズ
「ハング・オン・スルーピー」のヒットがあまりに有名な、若き日のリック・デリンジャーが属していたバンド、ザ・マッコイズ。古き佳き時代のアメリカの、ポップでイノセントで健全な人気バンドのイメージですが、66年秋のこのシングルは、そこからの脱却を図った一枚です。大ヒットとまではいかなかったまでも、それまでとはかなり異なった印象のサウンドと曲調、ずばりドラッグを知った青年のサイケデリックへの路線変更といったところでしょうか。なんでも、この曲リリース以前に、バンドはローリング・ストーンズと出会い、その薫陶を受けたという。笑い。つまりヨカラヌ事を諸々教えられたわけでしょう。タイトルはストーンズの「マザー」モノ二曲に呼応、サウンドは「黒く塗れ」に接近したような楽曲、しかもさっきまで親のいいつけを守ってきた品行方正だった青年が、札付きのワルと知り合い、突然「お母さん心配しないで」と唄う、このわかりやすい変化。バンドはこの後レーベルを移籍し、サイケデリック・ロック期へと突入していく。が、いづれも不成功、しかしながらエドカー・ウィンターとの出会いでメンバーは70年代、もう一花咲かせるわけです。なお、この日本盤シングルは米盤りも早くフェイドアウトしてしまう日本独自のショート・ヴァージョンです。
ロック 7" Single ステーツサイド揖斐是方
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米キャピトルより逆輸入デビューしたイーストの「ビューティフル・モーニング」
吉川忠英、瀬戸龍介を擁したイーストを御記憶の方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。音楽雑誌にもそこそこの大きさで取り上げられ、72年頃でしょうか、東芝もあわや行けるのかもと期したフシはありました。チャートアクションはしりませんが、米国でもシングルリリースはされたはずです。英詞ボーカルは弱いけれど、なかなか味わいのある佳曲でした。ただ、まだあの時代の要請か、イントロに和楽器「笙」を使用し、否応なくオリエンタリズムを演出させられている点、このへんは渡米してエド・サリバン・ショーに出たはいいがイントロで余計な琴かなんかのソロを遮二無二くっつけさせられて「ブルーシャトウ」をするしかなかったブルー・コメッツの、いわば敗戦国者としての悲哀丸出し、いかんともしがたいところでしょうか。アルバムではラストに「ソーラン節」を配せざるを得なかったところも哀し。そんなイーストでした。それにしても「すき焼き」以来の先達たちの米本土上陸挑戦は、やっぱり歯がたたなかったですなー。いい曲だったんだけれどなー、外人はちっともそうオモワナカッタンダナー笑。
ロック 7" Single 東芝音工 キャピトル揖斐是方
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馬鹿ねc/w 弱い女じゃありません/西村じゅん マリア四郎・作詞 フェロモン・ディープ歌謡の奇盤
昭和ディープ歌謡のおぞましき妖花、マリア四郎。天草四郎だか転びばてれんだかしらんけど、そんなイメージ・キャラクターでとりあえず頑張りました。しかしながら不発。レコード会社を移籍したのちは「みやざきみきお」 名義で「シクラメン・ブルース」を。史上初の全裸歌手としてジャケットにもその姿が。それでも不発。みやざきみきおを調べる過程で彼が作詞したこの人のこのレコードを知ることとなりました。1971年発売のディープ歌謡、作詞がみやざき、作曲はあの「赤く赤くハートが、ああーうずくのさー」の新井靖夫。なんでも、この西村じゅんという人物は「ショッキング・ヴォイス 歌謡界に登場」というキャッチコピーでうりだされたそう。針を降ろしてみたら驚きました、どう聴いても「男性」の声。回転数をまちがえたかと。こんな声の女性などおらん。ということは当然、実は「男」説も囁かれるはずで、タモリが紹介していた扇ひろ子を思いだしたり笑、どっちなんだ本当は。なんにしても極めて珍しい声質の異色歌手であることは間違いありません。ビーメンが「弱い女じゃありません」といってるので、やっぱり男なのか・・・なお、みやざき氏の作詞はたいした巧くないですね。
ディープ歌謡 7" Single コロムビア揖斐是方
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コミュニケイション/アイ高野とロックン・ロール・フレンズ カーナビーツ・カップス・クリエーション
鎌田のキース・ムーンと呼ばれキャシー中島の餌食となった16歳、高野モッチン元成さんは55歳で逝去、なんとしても惜しまれます。極めて至近距離で彼の歌と演奏を聴いたことがありますが、パワフルこの上ない見事なものでした。〽おまえのーすぺーてえで一世を風靡した彼が、カーナビーツ解散、ソロ、ゴールデン・カップスでの活動の後に、1977年におそらくひっそりと発表したアルバムです。Cdにはなっていない模様。このあとにクリエーションに加入してもう一花咲かせるわけですが。本作は「カレンダー・ガール」「悲しき街角」「悲しき願い」「ストップ・ザ・ミュージック」などアメリカン・オールディーズを集めた企画アルバムなんでしょうが、果たして彼自身が意欲的に能動的にリリースの意志をもっていたものなのか否か。極めて疑わしいのです。何故なら、その歌声は三枝守ことマヌーさながらの、極めて事務的に熱量とパワーのない仕事をただこなしているだけといったものであり、77年と言う、たぶんGSの残党たちのほとんどがきわめて苦境にたたされていた時代の救済措置的な企画レコードの感がどうしても拭えないのです。ただし参加メンバーは高野氏の人徳を反映したような豪華な面子が集められたようです。柳田ヒロ、竹田和夫、柳ジョージ、トミー・スナイダー、スティーブ・フォックス、浅野孝巳、沖津ひさゆき、エディ潘、ジョン山崎、ミッキー吉野、林恵文ら。つまりカップス/ゴダイゴ人脈ということでしょう。しかしやっぱり、収録されている楽曲はどれもみな、ソツのない、当たり障りのない、フックのない、これといった特筆すべきものがみあたらない凡庸な出来に終始しています。残念。
オールディズ LP, Album ビクター揖斐是方
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「愛の祈り」「コーヒー天国」 オクトーバー・チェリーズとジェイド・アンド・ペッパー 日本盤シングル
シンガポールとマレーシアで絶大な人気を誇った60-70年代の東南アジアを代表するバンド、オクトーバー・チェリーズとその前身、ジェイド・アンド・ペッパーの国内盤シングルです。まさかこのバンドが、過去に日本盤で出ていたなんてと驚愕する例がいくつかありましたが、これらもそのひとつ。サイケデリック・ロック・ファンの中では「ペッパーリズム」といったオムニバス盤やポコラ本などで以前から認識されていた、ビートレスク・ポップ・サイケの名バンドです。1969年がデビュー・アルバムを発表した年で、そこには「ゲット・バック」から多大なヒントを得たような(笑)曲も入っていました。この二枚は順序からいえば「コーヒー天国」の方か先にリリースされたものですが、国内発売されたとはいえ、殆ど誰も買わなかったのではないかと思われるほど知名度低し。最初から器用なバンドで、「愛の祈り」の方はB面がほぼ原曲に忠実なハード・ロックとしてグランド・ファンクの「アー・ユー・レディー」を。それにしても、帯付きLPとしか思えないようなジャケットデザインのシングルというのも非常に珍しいのではないでしょうか。
ロック 7" Single グラモフォン・ポリドール揖斐是方
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Los Buges 8 canciones quinquis
これはどうなんでしょうか。ジャケット写真はパロディの意図があるのかもしれません。大々的にオーケストラやストリングスを導入し、我々も自分たちのサージェントペパーを創り上げたのだと一瞬自賛したものの、今や最も評価の低い69年の四作目の。そんなことはないかな笑。スペインのネオ・ハード・ガレージ・バンドの8曲入りCDです。1993-96までに録音された8曲、短くてよろしい。ハードかつワイルドで、いかにも90年代のイキのいい若者がクラシック・ロックにほれ込んで創り上げた音。とくに痛烈なインパクトを残すわけでもないのですが、やはりブルー・チアーの「カム・アンド・ゲット・イット」をカバーしているとなれば、当然視野にははいってきます。他にもザ・フーのメドレーなんていう趣向もこらしている。この手のバンドはどこの国のであろうとわずかな期間で忘れ去られてしまいがちてすが、流行音楽としてのロックの本来とは、そういうものなのかもしれません。あまりにも時空を超越した偉大なのが大勢いますから忘れがちになりますけど。
,ネオ・ガレージ CD subterfuge揖斐是方
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第52回蜥蜴忌 旧ソビエト連邦製を装ったイカサマ肋骨レコードによる「まぼろしの世界」唄と演奏)ザ・ドアーズ
若い時分の様に、この7月3日という日付に対する拘泥はさすがに減退しています。39年前の初墓参は今でも大切な想い出であり、ニューミュージックマガジンに手記なんか投稿しちゃったりして赤面の一幕、しかしその後も何度も足を運びました。ということは、やはり今もって特別な1日ではあるのかなと思っております。楽曲は1966年8月にシンガーとギターリストによって書かれ、翌年の9月23日に米国ビルボード・ホット100では12位をマークしたヒット曲。邦題は「まぼろしの世界」です。人間とはいったいなんなのか?という命題をあまりにシリアスかつ愚直に考え続けた若き詩人の、生涯を貫いたひとつの大きなテーマを、しかしそれにしては非常にあっさりとした小品にまとめあげた佳曲。しかしながら今もって、よくぞこういう曲がヒットシングルとして成立したものだという、当時の米国の世相に対する驚きは払拭できませんな。1950年代から60年代のはじめあたりまで、旧ソビエトでは廃棄処分するべき患者のレントゲン写真をソノシートとして流用、当時のソ連では非合法な西側のヒット曲を劣悪な音質ながらカットして闇のマーケットで海賊盤として取引していました。現在では肋骨レコードと呼ばれているものです。これはその1枚ということなのですが、考えてみれば1967年のヒット曲、さすがに「肋骨レコード」はすでに製作されなくなっていたのでは。つまり、これはジョージアの人から買ったものでありますが、観光地の絵ハガキソノシートさながらの、旧ソ連時代へのノスタルジックなお土産品のテイを装った、実はずっと後年に作られた物好きの為のアイテム。そう見るのが妥当でしょう。米国で同曲が発売された際のプロモポスターと一緒にしておけば、なんとか体裁は保てるかと思ったものですからそうしてあります。#jimmorrison #thedoors
サイケデリックロック 肋骨レコード プライベート・カウンターフィット・レントゲン写真揖斐是方
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カンパニー1 デレク・ベイリー、エヴァン・パーカー、トリスタン・ホンジンガー 国内盤初回帯付LP
フリー・アンド・プログレッシヴ・ミュージックとして1978-9年にビクター音楽産業から発売された一枚です。このシリーズでは他にベイリーのソロ、スティーブ・レイシー、アンソニー・ブラクストン、ロスコー・ミッチェル なども出ていたようですが、販売実数はいったいどのくらいだったのでしょうか?豊かな時代でなければ実験的・前衛的な表現は、メジャーからはなかなか「発売・発表」の機会を与えられないものですが。ベイリーのギターにパーカーのサックス、ホンジンガーのチェロ、アルテナのベースという布陣で、あくまで個人的な印象に過ぎませんが、これが一般的なフリー・ジャズとは聴こえないのです。いや、厳密にいうと、フリー・ジャズとも呼べるのでしょうが、ちょっと印象が異なる。フリー・ミュージックというのでしょうか、いや、ミュージックと呼ばなくてもいいのかもしれない笑。楽器を発音しつづけあう駆け引きの記録。例によって、この種のレコードにつきものの、清水俊彦、間章両氏によるスクエアかつシリアスを極めた6ページに及ぶライナーノート、ベイリーの組織論と運動論云々と、いつも通りの観念論でレコードを側面から支えているのでした。面白い時代だったといえましょう。
イムプロヴィゼイション LP, Album ビクター揖斐是方
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三島由紀夫への弔魂歌『憂国』伊藤久男・歌 児玉誉士夫・作詞 古賀政男・作曲
「ニッポンはこれでいいのかーっ!」という命掛けの絶叫に、国民は「いいですよ別に」と笑顔で答えたに等しい、あのお馴染みの事件から半世紀余、しかし三島由紀夫の問いかけは今日いよいよ重く響き渡ります。このレコードは事件から一年後、1971年11月に発売された三島と森田への弔いの歌。歌うは「イヨマンテの夜」の、あの伊藤久男です。作曲が古賀政男ですから、これもれっきとした古賀メロディーといえるでしょう。しかしこの内容ですから、あまり表立ったところでは顧みられていないのかもしれませんが、その辺の事情はどうなんでしょうかね。「筆に尽くせぬ憂国を 剣に替えて叫びたり」と作詞したのは、自称CIAエージェントにして任侠右翼の巨魁、もちろん代表作は「ロッキード事件」の、あの児玉誉士夫。ただ、「剣に替えて」じゃなくて「刃に替えて」にしたほうがよかったのではないでしょうか。ジャケットには7ページにわたって、B面の曲ともどもこの曲の舞のための振り付け写真が。三島由紀夫事件に関して、こうした形でのシンパシーを表現した作品は、他にあまりないのではと思います。その意味では極めて貴重な楽曲といえるでしょう。#三島由紀夫
ディープ歌謡 7" Single コロムビア揖斐是方
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道 老虎再来/瞳みのる 森本太郎とスーパースター ザ・タイガース
カッペーズからタイガースに話は広がり、その勢いにまかせて図に乗り瞳みのるの作品を。10年前に発表された4曲いり(内2曲はカラオケ)CDと2曲いりDVDの二枚組で、オフィス二十二世紀・レーベルから。中国大陸を巡ってきた伝説の老虎が日本に再び現れたというような、タイガース再編に対する瞳氏の気概と意欲に満ちたナンバーです。元マネージャーとのやりとりから生まれた楽曲ということで、新生タイガースのキャッチとして依頼されたそうです。ということは、この曲が完全再編されたタイガースが全員で手掛ける復活記念の一曲に選ばれた可能性もあったのではないかと思うのですが。どうなんでしょうかね。しかし、ロコロコロコ、ロコサイラーイのコーラスなど、ジュリートッポらにとってはちょっとなあ・・・と笑、いや、しりませんけど、でもなあ・・。で、最終的には速水清司を擁する森本太郎とスーパースターが全面的に協力して、ピーのソロ作品として世に出たのではと。森本氏、実に優しいいい人。事実誤認の可能性も大、しかしそんな妄想もまた音楽を聴く面白みです。#ザ・タイガース
愛唱歌 CD DVD オフィス二十二世紀揖斐是方
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アイリー隆の「捨て身の恋」
おそらく66年頃の、デビュー盤と思われますが定かではありません。テイチクの新人歌手、出身地、出身校から判断すると、そして何よりも遮二無二付けられたと思しき芸名から察すると、北海道の先住民族の方かと思います。だとすれば、もっと頑張ってほしかった。他にはこまどり姉妹くらいしかいないのではないでしょうか。昔は人権に対する配慮など皆無といっていい状況でしたから、こうして安易に命名されたのではないかと。知らんけど。楽曲や歌唱そのものにはこれといって特筆すべきものはありません。そこがまた哀しい。#ディープ歌謡
歌謡曲 7" Single テイチク揖斐是方
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小沢昭一の小沢昭一的こころ。サイン入りLP
小沢本人の歌唱による諸作の中ではやはり本盤が一番良いのではないでしょうか、毎日聞こえてきたあのメロディーと氏の軽妙な語りを覚えている方も多いとおもいます。あの番組「小沢昭一的こころ」のテーマ・ミュージックに歌詞をつけて歌っているのが「明日の心だ」。収録曲中の白眉は酔生夢死の無頼の生きざまを歌った永六輔作詞の「アレ野垂れ死に」と、小沢作詞、今村昌平補作詞、黛敏郎作曲の「エロ事師の歌」(当然野坂作品の世界で)。これは映画に使われた楽曲なのかもしれませんが。得意のハーモニカが炸裂、戦後の昭和を築いてきたオトーサンたちのペーソス、ノスタルジア満載の好盤です。1993年に仕事でご一緒した際にいただいたサイン、不愛想で感じの悪いオヤジだったのを記憶しています。笑い。#永六輔 #黛敏郎 #今村昌平 #野坂昭如
歌謡曲 愛唱歌 LP, Album CD コロムビア揖斐是方
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絶望の奇盤 『貴様と俺』 社長たちの道楽歌唱自主製作アルバム
いろいろなレコードを手にしてきました。最高のも最低のもおびただしく。しかし古今東西、レコード溝に記録された歌唱で、聴く者をここまで脱力させ呆れさせ絶望の深淵に叩き落とすような録音は、他にちょっとないのではないか。正確にはわかりませんが、おそらく1971年ごろに有名・無名の当時の名物社長たちが集まって、存分に歌いまくる趣味で作ったレコードです。限定盤で2000部。それぞれ、社長たちは自慢の喉を披露しているのですが、71年、森山加代子のカムバック・ヒット「白い蝶のサンバ」を歌う方がいらっしゃいます。これがもう、ダントツの物凄さ、いくらなんでもこれはカッティングしちゃいけません。のレベル。Youtubeで探せば出てくるようですが。物事には「ホド」というものがあるだろうと、つくづくおもいます、たとえそれがシロートの自主盤にせよ。それほどの惨状なのです。しかし、だからこそ入手し爆笑せずにはいられないこの倒錯。笑。#森山加代子 #自主製作盤
歌謡曲 LP, Album 私家盤揖斐是方
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『スペイスド』 ソフト・マシーンの『カーニヴァル・オブ・ライト』か。
1,2,5,6,7,などどれも好きなアルバムですが、個人的にベストなのがこの妙なデザインのジャケットによる本盤です。すでにエアーズの姿はなく、ヒューとブライアンの二人のホッパーと、ラトリッジ、ワイアットによる四人編成での1969年録音。ラウンドハウスで行われた「スペイスド」というタイトルのマルチ・メディア・ショウの為に録音した長時間の演奏を編集したテープ・ミュージックです。イベントでは彼らの生演奏はなく、この音楽が流されたためにライブを期待していたファンには不評だったとか。本来のソフト・マシーンの音楽よりも、はるかにチャンス・ミュージック寄りのアプローチです。そして、こういうものを聴くと、やっぱり1966年末の同種のイベントの為に創られた前衛作品で、十数分に及ぶ、「アンソロジー」には収録されなかった、初期ザッパからの影響も指摘される、あの「カーニヴァル・オブ・ライト」の全貌がどうしても気になるのです。ソフト・マシーンのがこうしてリリースされたのだから、ビートルズのも、というわけにはいかないか・・#beatles #softmachine
サイケデリックロック 音楽CD CUNEIFORM揖斐是方
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オーネット・コールマンの世界 ジャズ・ミュージシャンによる現代音楽
このレコードは1968年に発売されたものなのですが、定価が2300円なのです。この時代の国内盤としては妙に高いと思うのですが、どうなんでしょうかね。日本ビクター株式会社からの国内初回盤で、70年代の再発ではないのですが。私はビートル再編の話題も盛り上がった『リンゴ』あたりから一気に2000円オーバーの値上がりが始まったと記憶しているのですが。それはともかく、このアルバムは現代音楽の作曲家としてのコールマン作品の紹介という趣きで、両面共木管五重奏団とか室内四重奏団が演奏、コールマン自身は片面にトランペットで参加しているだけなのです。その点が大変興味を惹きました、所謂フリージャズらしいコールマンとは違う一面がここにはあるからです。ジャズメンが製作した現代音楽のアルバムという点で、ロックと現代音楽との接点などを面白がる者としては、一応どんなものかと手をだした次第、ただし、正直に申し上げて、二回目に針を降ろす気になるのは、いったいいつになるのか(笑)。#freejazz #ornettecoleman #現代音楽
現代音楽 LP, Album 日本ビクター株式会社揖斐是方