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あほう鳥 b/w 砂の唄 秋田明大
本日で75歳となる秋田明大氏、唯一のシングル盤。1976年の発表でa面は岡本おさみ作詞 加藤登紀子作曲。「俺の十年どこいった」という歌詞が重く響きます。b面もすばらしく、秋田氏自身の科白の独白。歌詞カードには表記されていないところが実に良い。当時の等身大の心情を淡々と、朴訥とした語り口で。熱かった政治の季節が終わり、激烈なアジ演説も聞こえなくなった70年代中頃、日大全共闘の闘士として駆け抜けた激動の時間を、一切の衒いも虚飾もなく振り返る。その科白はだからこそ非常に説得力、訴求力を伴っています。タイトルが「砂の唄」というのも実に意味深です。詩集「幻視行」と同様、大切にしたい一枚です。#日大全共闘
ロック 7" Single キング揖斐是方
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ハリー・ニルソン フランス盤独自ジャケットによる初期ベスト NILSSON
レコード・ジャケットそのものが持つ「色気」に関してなのですが、1960年代に製作されたフランス盤のカバー・アートがもつセンス、華というものにお気づきの方はいらっしゃませんでしょうか?かつては日本でも紹介されていたヴォーグ・レーベルなどは最たるもので、同じアルバムを各国盤で何十枚も集めたりしていますと、フランス盤のみが非常に華やかな雰囲気をもっていることに気づきます。ちょっとしたレーベルロゴのもつ配色、デザインなどに、独特の美意識が感じられるのです。このニルソンの珍しい写真を配したコンピレイションも、フロント・ラミネートのフリップ・バック仕様、厳密にいえば1970年代初頭あたりの発売かと思われますが、やはり一瞬でジャケ買いの一枚でした。あまりに過小評価が過ぎるハリー・ニルソン、そこには大いに文句がありますけれども、このアルバムは最初の三枚からセレクトした12曲で、その選曲センスは完璧といっていいでしょう。夥しいベストLPが発売されているニルソンですが、初期に限定されたものとはいえ、これは間違いなくベスト中のベストといっていいアルバムだと思います。またしてもビクター系でした。
ポップス LP, Album RCA ビクター揖斐是方
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ゲーリー・バートン/サイケデリック・ワールド Gary Burton Larry Coryel
ビクター盤が続きますが、これも中古レコード店で何気なく手に取ってから気になり、まずはCDで入手し、内容が 当たりだっために改めてエルピーでもという手順を踏んだ一枚です。ヴィブラフォン奏者ならばロバート・ウッドとミルト・ジャクソンくらいしか知らなかったのですが、やはり落ち着いたところはゲイリー・バートン。このアルバムの前後数枚は特に興味深いものがあります。まだクロスオーバーなんていう言葉すらなかった60年代後半の、ロックとジャズの接近・融合が試みられていたあの時代の空気が横溢する音楽です。原題といい、カバー・デザインといい、サイケ時代へのジャズ側からの返答といっていいでしょう。あの時代、ロックのフィールドにいながら最もジャズに隣接する立ち位置にいたギタリストの一人がロビー・クリューガーとするならば、ここに参加しているラリー・コリエルなどはまさに、ジャズ側からロックに最も接近していたギタリストだったのではないでしょうか。きちんスピーカーに対峙して聴く必要のある、とてもイマジネイティブな音楽です。#psychedelc jazz
ジャズ LP, Album ビクター揖斐是方
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ニルソン・クニルソン Harry Nilsson KNNILLSSONN プロモーション用 シングル5枚セット
エルヴィスの死と同じタイミングでリリースされ、満足なプロモーションもされずに終わり、結果的にRCAを離れるきっかけとなったニルソン1977年、13作目のアルバム。これはイギリスで製作された同名アルバムの全10曲を、五枚のシングルとしてカットし、発売前に関係者だけに配布されたプロモーション専用のレコードです。但し、ジャケットにもレーベルにも一切RCAの表記がありません。ニルソン自身は自分の最高傑作と呼ぶこのアルバムは、個人的にも彼のベスト3に入るアルバムであり、全編に配されたストリングスの響きも麗しい名曲「僕に寄りそって」「思いは君だけに「「パーフェクト・デイ」などが印象に残ります。パロディ精神も健在で「オールド・ボーンズ」などは「ココナッツ」のそれだし、クラウス・フォアマンによるアルバムジャケットもレノンの74年盤に呼応したものになっていました。#nilsson #johnlennon
ロック 7" Single ?揖斐是方