-
on the beach/neil young 渚にて/ニール・ヤング
優れた表現者の作品は、極私を歌いながら、それがいつしか予言めいた普遍の意味合いも伴ってくるものですが、ヤングの本作のタイトル曲「渚にて」などはまさにその典型といえるでしょう。まるで、遠い水平線の向こうに四十数年後の世界が見えていたような歌詞。2020年以降の現在に至るまで、ここまで時代の風にシンクロする楽曲も珍しいのではないかと思います。冷酷な静寂、逃げ場のない終末感と、たとえようのない寂寥感。ザ・バンドのリズム・セクションの参加とか、マンソンを歌った曲とか、他のアングルでこのアルバムを語ることはできるのですが、それらを忘れさせてしまうほどヘヴィーでダウナーなヤングの名曲です。#neilyoung #csn&y #theband #charlesmanson #dvdaudio
ロック DVD audio ワーナーミュージック揖斐是方
-
ジョン・フルシアンテ スマイル・フロム・ザ・ストリーツ・ユー・ホールド
ある種の過剰さ、危なっかしいスリル、抑えきれない衝動、後先を考えない挙動、音で見せる非日常の風景、これらはロック音楽に欠かせない要素だと思いますが、なかなかそれらの条件を満たすアルバムは、ありそうで少ない。個人的には、ですが。フルシアンテのこのセカンドは曰く付きの問題作であると同時に、1990年代には稀有な本質的に危ない(笑)ロック・アルバムとして現在も異彩を放っています。レコード会社に返品の山、最終的には謝罪したというルー・リードの「無限大の幻覚」を彷彿とさせる、ドラッグ調達のための手段にリリースしたものの本人が後に廃盤にした逸話も、内容と相まって忘れがたい。とにかくプロとしての制御・抑制・理性を軽々を飛び越えた後先を考えない衝動で突っ走ったという点で、これは最後のロックアルバムだったのかもしれません。そしてそれは音楽に明確な形で表れています。#レッドホットチリペッパーズ
ロック 音楽CD ワーナーミュージック揖斐是方
-
ホット・コールド・アンド・カスタード/ピーター&ゴードン
1967年のラスト・アルバム。当時のスウィンギング・ロンドンの雰囲気というのは、こういう残された音源や映像からでしかうかがい知れませんが、ほぼ例外なく英国のこの時代の作品には独特のフィーリングが漂っています。それはテープの逆回転のような意匠をこらしたサウンドデザイン云々とはまた別の次元で、ギターやドラムスの音の録り方や音質などといった側面からも、70年をまたぐ以前のレコードが持つ、あの時代ならではのものがあるのです。「グリーナー・デイズ」という名曲も収録されている本作は、地味ながらもやはり60年代イギリスを象徴するアルバムの一枚といえるでしょう。なお、国内製の紙ジャケットは、かつて回収されたザ・シーズのライブ・アルバムと同様、製作上のミスで裏貼りの面がフロント・カバーになってしまっています。エラー・ジャケットということにならないのでしょうか。#スウィンギング・ロンドン #peterasher #紙ジャケット #ブリティシュ・ビート
ロック 音楽CD ワーナーミュージック揖斐是方
-
ジョイ・ディビジョン 『クローサー』
イアン・カーティス没後もフェイドアウトしていかなかったメンバーたちの歴史の方がいまやはるかに長くなっていますが、それでもカーティス時代の無二の存在感と音楽は価値をいささかも失っていません。これは、ワルシヤワのシーデーとかディビジョンの二作がちょうど収納できるサイズのボックスの写真です。#Joy Division #CD BOX
ロック CD ワーナーミュージック揖斐是方