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元オックス 野口ひでとの「ひでとからあなたに」 a.k.a.真木ひでと
1970年12月にリリースされたラスト・シングルのタイトルは、グループ・サウンズ・ブームが完全に終焉したことをペシミスティックに総括する「もうどうにもならない」でした、この人がリード・シンガーを務めていたオックスの。失神が失意にとってかわったわけですが。のたうち回って「テルミー」を啼唱していた野口は、何枚かのソロ・シンクルを出した後、72年にこのファースト・ソロを。ポール・アンカ、アダモ、モップスが歌った吉田拓郎、沢田研二らのカバーが収録されていますが、なかでも自ら作詞作曲を手掛けた「笑いを忘れたピエロ」が聴きものです。野口本人の弁によると、自分自身がナーバスになっていた時に作った、自分に対しての応援歌だそうです。オックスという過去を思えば、道化ができなくなってしまった自身を客体化しつつも苦悩している、聴きようによってはそこそこヘビーな楽曲といえるでしょう。先にシングルでだされた「他に何がある」は当時レノンの「マザー」のパクリに聴こえたわけですけれども、せめてこのアルバムでは8番まで歌詞のある7分を超えたといわれるバージョンで収録して欲しかったのですが。本作の後、あの「全日本歌謡選手権」で優勝、真木ひでととして再デビュー、オックス時代の栄光を再びといわんばかりのタイトル「夢よもう一度」というポール・アンカのパクリに聴こえた曲で復活することになります。なお、現在このアルバムは真木ひでとのボックスセット内に全曲収められてCD化されています。
歌謡曲 LP, Album フィリップス揖斐是方
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「ビートルマニア」 1970年代のトリビュート・ミュージカル
最終的には裁判沙汰になったのでしたか、記憶が曖昧なのですが、とにかくこれはビートルズ・ファンには有名かつ悪名高い(?そこはちょっとわからない)例のミュージカルのオリジナル・サントラです。1970年代後半の時点で世界はすでに、ビートルズのライブを心底求めていたと、疑似追体験でもいいから、なんとかまた見てみたいと、そういう欲求のあらわれでしょう。この日本盤がでたのは1978年。翌年かな、日本でも品川プリンスホテルではFM東京主催で上演されたようです、福田、星加、湯川先生らがのっかった形で。いまでは動画サイトで全世界のビートルイミテイターを見て楽しむことができますが、70年代はそうはいきません。結構インパクトのあるミュージカルだったんじゃないかと想像します。レーザーディスクなんかで映像もリリースされました。#beatles
ビートルズ LP, Album フィリップス揖斐是方
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エリック・サティ/ヴェクサシオン ピアノ・ラインベルト・デ・レーウ
1984年の輸入盤国内仕様エルピーです。定価2700円。サティというと、有名な曲がいくつもありますが最も好きなのがこの「ヴェクサシオン」。26拍から成るフレーズを840回反復し続けるという、1893年に作られたサイケデリック・ダダイズム・ドラッグ・ミュージック(笑)。そのフレーズを35回録音されたレコードなので、24回連続再生すればこの楽曲は「完奏」したことになります。これはシーデーではないので、面倒くさい。いうまでもなく数多のミニマル・ミュージックの祖でしょう。実にムダで退屈で反音楽家サティの面目躍如ですが、人生余白も大切だと認識させてくれる一枚。ただし、一度もまだ完奏をきいたことはありませんが。#アナログレコード #eriksatie #ミニマルミュージック #ラインベルト・デ・レーウ
現代音楽 LP, Album フィリップス揖斐是方
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ハービー・マンデルの新しい世界
ジョン・メイオール、キャンド・ヒート、ローリング・ストーンズと並べれば自ずとハービー・マンデルというギタリストの名前にたどりつくのですが、68年のサイケデリックなファースト・ソロ・アルバムがこれです。日本盤のLPは別ジャケットだったわけですが、どうしてあのインパクトのあるオリジナル・デザインでいかなかったのか。かえって地味になってしまったと思うのですが。シーデーが初めて発売された時にはまったく違うデザインのジャケット、しかもB面の曲から始まるという不可解なものでした。近年のアルバムはこのファーストのジャケットを踏襲したものになっていることから、マンデル本人にとってもこのファーストは重要な位置をしめているのかもしれません。#johnmayall #キャンド・ヒート #サイケデリック #アナログレコード #therollingstones #psychedelic
サイケデリックロック LP, Album フィリップス揖斐是方
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アクションズ ドン・チェリーとペンデレツキ 国内盤LP
オーネット・コールマンなどもそうですが、現代音楽にアプローチしていたジャズ・ミュージシャンの感性はある種独特の色合いを帯びていたように思います。ここでは「ヒロシマ」でお馴染みのポーランドのペンデレツキ とドン・チェリーの組み合わせ。チェリーという人は、もしももっと遅く生まれていたならばロック・ミュージシャンになったかもしれないと思います。その雑食性、佇まいはたとえば何となくデヴィッド・アレンやジェイミー・ミューアを思い出してしまうわけです。#フリー・ジャズ #現代音楽
フリー・ジャズ、現代音楽 LP アナログ・レコード フィリップス揖斐是方
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ザ・テンプターズの「出来るかい出来るかい」サイン付きシングル。
70年7月の11枚目のシングル。のちの郷ひろみあたりの楽曲に直結する作風で、松崎さんが作者ではありません。 偶然みつけた小さなレコード店で売っていた格安のシングルですが、メンバーのサインが入っている。当然真偽のほどは不明。#アナログレコード #7inch #グループサウンズ #大口広司 #萩原健一 #サイン入り
歌謡曲 アナログ シングル フィリップス揖斐是方