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窯変草花彫文花瓶 河村又次郎
河村又次郎氏といえば御本手や粉引をイメージしてしまいます。個人的には朝鮮の李朝陶器との繋がりを感じてしまうのですが、どうでしょうか。 御尊父の喜太郎氏が京焼から猿投の陶土に魅了されて愛知県に移住、その後、鎌倉に移って北大路廬山人の窯跡に基中窯を開きました。 又次郎氏自身は、愛知県で作陶を続け、喜太郎氏が亡くなった後に、鎌倉の基中窯を受け継いで作陶されていました。 この方の作品には、形状や彫文よりも、その肌理に惹かれます。3枚目の写真にアップしていますが、ビスクドールの肌のような艶めかしさと、それでいてぽってりとした温かみが感じられます。
縦26cm 横16cm 陶磁器 基中窯ひろ
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糠白釉鉄絵花瓶 木村充
益子焼の代表的な糠白釉はモミ殻灰と寺山白土、土灰に少量の藁灰と長石を加えた釉薬で白っぽく発色します。 この花瓶は、片面に鉄絵で草花を描いて糠白釉を掛けた釉裏鉄絵になり、釉薬が流れて、鉄絵がぼおっと滲んでいます。 口が大きく胴はタイトで、ロクロ成型のあと削りによる面取りが施されています。 陶土に砂が混じりきめが粗い益子焼にしては、やや薄造りです。 色合い的に白というよりも、柔らかなクリーム色に発色をしています。 個人的には、この柔らかな色合いが好きです。
縦22cm 横16cm 陶磁器 木村窯ひろ
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益子焼 柿釉草花紋扁壷 木村充
益子焼と言えば、人間国宝の濱田庄司氏が有名ですが、濱田氏が益子に築窯される以前から窯業を生業とし濱田氏の影響を強く受けた御三家と呼ばれる家柄があったようです。記憶に間違いなければ、佐久間藤太郎氏、村田元氏、木村一郎氏のお三方で、そのひとり、木村一郎氏の娘婿で、あとを継いだのが木村充氏です。 益子と言えば、もう糸つの系譜として、加守田章二氏が有名ですが、こちらはモダンな作風でご縁がありません。 ちなみに、充氏は養子なので、若い頃から陶芸に携わってこられたわけではないのでしょうが筆が上手な方です。おしくも早世されてしまいましたが、現在は、ご子息(充良氏)があとを継がれていたと思います。 益子焼は、土質がよくないようで、薄造りには向きません。この扁壷も厚手で重く作られています。でもそれが、釉薬の発色などにも独自の味わいを加味しているように思います。
縦18cm 横24cm 陶磁器 木村窯ひろ
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一輪挿し(?) 金城次郎
これも、金城次郎氏の作品です。注ぎ口があれば沖縄の酒器「カラカラ」なのですが、注ぎ口がないので、一輪挿しと考えています。 壺屋焼の上焼で、魚紋が裏表に描かれています。
縦8cm 横10cm 陶磁器 金城次郎窯ひろ