東芝のアルファベット記号 その2

初版 2023/03/09 05:56

アルファベット記号の種類

6.「E」

  • 実は、きちんと印刷された「E」は見たことがありません。
  • 画像は1962年9月新譜のシングル盤(発売は1962年8月)のもの(プレス・マークは「H2」)
     パリのカナロ(フランシスコ・カナロ)OM-9088
     ジャケ裏のアルファベットは無表記 定価¥330
    ※上 内袋にスタンプ押しされた「E」
    ※下 盤に刻印された「E」
  • このようなものしか見つからず、大変短期間に「隠れE」的に存在した感じです。
  • なお、盤面へのアルファベット記号の刻印そのものは「D」「E」「F」があり、「F」はよく見かけます。

7.「F」

  • 1962年9月頃に「F」が登場し、これ以降暫く落ち着きます。
  • シングル盤は、途中から表ジャケットに表示されるようになります。

8.「G」

  • 1965年6月に「G」が登場します。
  • これは、同タイミングで実施された各社のシングル盤の値上げとシンクロしているようです。
    この値上げで、洋楽 ¥330 ⇒ ¥370、邦楽 ¥290 ⇒ ¥330 となります。
    LPの価格は変更されていませんが、同時に「G」となりました。
  • この値上げの直前(1965年4月1日)に17cm盤の物品税率が改定されています(10% ⇒ 13%)。

9.3度目の無表記(ポピュラー系LPのみ)

  • ポピュラー系のLP(P-7000シリーズのみ)が3度目の無表記となります。
    対象は1966年8月新譜(7月5日と7月15日発売分)のみです。
  • 1966年7月5日発売分
    ※1 ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズNo.2 CP-7550 アルファベットも定価も表示なし。
  • 1966年7月15日発売分
    ※2 ベスト・オブ・ベンチャーズNo.2 LP-7544
       上が初版でアルファベットも定価も表示なし。 
       下が再版で「H」¥1,750。
  • LP-7000シリーズが、1966年8月5日から ¥1,750 に値下げされる直前だったためと思います。

10.「H」

ポピュラー系のLP(P-7000シリーズのみ)(1966.08.05から)
  • 1966年8月5日より、「H」が登場します。
    ※上 OP-7553/54(ビートルズ物語)1966.08.05
    ※下 CP-7560(ペット・サウンズ/ビーチ・ボーイズ)1966.08.15
  • このタイミングでP-7000シリーズ全体が ¥1,750 に値下げされました。
    同年4月1日にLPの物品税率が 20% から 15% に引き下げられており、東芝の場合、これを反映させたのがP-7000シリーズのみでした。
ポピュラー系の他LPとクラシックLP全般(1966年12月新譜から)
  • その他のポピュラー系は、1966年11月15日に新しくP-8000,R-8000シリーズが登場します。
    そこから「H」になっています。それぞれ定価は¥2,000と¥1,700です。
    ※画像はOR-8001(タンゴ4人のアイドル/ガルデル他)1966.11.15
  • これを「値上げ」と説明しているのを目にすることがありますが、厳密に言う誤りです。
    新価格の新シリーズが発売されたとは言え、旧譜のP-7000,R-7000シリーズは従来通りの ¥1,750,¥1,500で継続販売となっているからです。
  • クラシック1966年11月5日より、新たにA-8000,B-8000シリーズが登場します。
    定価は¥2,000と¥1,700で、そこから「H」となっています。
    従来のA-7000,B-7000シリーズは、それぞれ¥1,800,¥1,500で継続販売です。
邦楽LP全般(1967.10.05から)
  • 1967年10月5日に新しいTP-8000シリーズ(定価 ¥1,800)が登場し、そこから「H」となっています。
  • 従来のTP-7000シリーズも¥1,500のまま継続販売です。このシリーズはその後も新譜が発売されています。
シングル全般(1968.04.01から)
  • シングル盤はLPからかなり遅れ、1968年4月1日から「H」となります。
    ※上 OR-1872 ディア・エロイズ(ホリーズ)1968.04.01 ¥370
        定価は¥370が継続です。
    ※下 OR-1856 恋は晴れのちくもり(ハーマンズ・ハーミッツ)1968.03.01 ¥370
        念のため、直前の1968.03.01まで「G」が続いていたエビデンスとして。
  • 実は、同じ1968年4月1日に17cm盤の物品税が13%から15%に上げられています。
    シングル盤の「H」は、これとシンクロしているようです。
    但し、これが価格に反映するのは、1968年6月1日からです。

※上 OR-1911 コングラチュレーションズ(クリフ・リチャード)1968.06.01
   ¥400に改訂された時のレコードです。
   この時、アルファベット記号は再び裏ジャケットに表示されるようになっています。

  • 邦楽では1968年3月1日から、新たにTP-2000シリーズ(定価¥370)が登場していますが、その時点では「G」のままです。洋楽と同期をとって1968年4月1日から(TP-2004以降)「H」となっています。アルファベット記号の表示位置変更も洋楽と同じです。

国内盤アナログ・レコード(1950年代〜1960年代〜1970年頃)のデータ・ベース(リスト)を作成しています。
(国内盤レコードDB)
ジャンルはオール・ジャンルで、フォーマットはExcel ファイル(xlsx)です。
現在仮開示しているのは、
日本グラモフォン
東芝
日蓄工業
日本ウエストミンスター
日本ディスク(1950年代)
日本マーキュリー(1950年代)
ユニバーサル・レコード(1950年代)
日本コロムビア
キング・レコード
です。

今後、随時追加していく予定ですが、時間はかかります。

ダウンロードして自由に使って頂いて結構ですが、同時に開示している説明ファイル(ワード文書 or リッチ・テキスト)を
よくお読みになってください。また、現段階ではあくまでも仮開示であり、完成形ではないことにもご留意ください。

https://1drv.ms/u/s!ApINowI3ybkacrP3M_GV7wSe6j0?e=67lDy2

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