東芝の赤盤(エバークリーン)物語 その11

初版 2023/03/22 05:14

改訂 2023/03/22 05:14

エバークリーン登場前夜の試作品?

  • 画像は「魅惑の王子(クラヴォー名唱第2集)/アンドレ・クラヴォー」(PW-1012)で、1958年6月新譜の25cm盤です。
  • ご覧の通り、盤は無色透明のクリア・ビニールとなっています。ジャケットにも盤にも、そのことに関するコメントは一切ありません。
  • レコードの原材料は、プレス時に製造されるのではなく、予め一定量を作っておき、プレス時に1枚分の分量を温めた状態でプレス機にセットします。従って、突然変異的に1枚だけ色が抜けるなどということは有り得ません。実際、私が見る限りこのアイテムはみな透明盤のようです。おそらく、初回ロットはすべてそうなのではないかと思います。
  • また、仮に事故だとしたら、プレス時に気付かないわけはなく、検査を経て市場に出回ることはないでしょう。
  • 推測ですが、これは意図的なものと考えています。その企図は、製造開始する「エバークリーン・レコード」の試作品を市場に投入し、消費者の反応を見ることだったのではないかと……
  • この透明盤は、カーボン・ブラックを取り除き、赤盤用の染料も加えていない状態に見えますが、黒くないレコードに対する消費者の拒否感はないか(クレームは来ないか)、再生面・盤質面での評価はどうか(少なくとも苦情殺到では製品化できない)、工場でのプレスに問題はないか、等々を調査したかったのではないかと……
  • そう考えると、対象アイテムがひとつだけというのは心許ないので、他にもあるのではないかと思い、探してみたところ、ありました。
  • デ・ヴィートのヴァイオリンによるフランクのソナタが、同じ材料でプレスされているようです。
  • こちらは1958年7月新譜の25cm盤ですが、残念ながら所有しておりませんので、現物の画像は掲載できません。

あくまでも個人的な推測です

  • 透明のクリア・ビニール盤が存在することは事実ですが、これが「試作段階での赤くないエバークリーン」というのは、個人的な推測に過ぎません。事実であると主張するものではありません。

国内盤アナログ・レコード(1950年代〜1960年代〜1970年頃)のデータ・ベース(リスト)を作成しています。
(国内盤レコードDB)
ジャンルはオール・ジャンルで、フォーマットはExcel ファイル(xlsx)です。
現在仮開示しているのは、
日本グラモフォン
東芝
日蓄工業
日本ウエストミンスター
日本ディスク(1950年代)
日本マーキュリー(1950年代)
ユニバーサル・レコード(1950年代)
日本コロムビア
キング・レコード
です。

今後、随時追加していく予定ですが、時間はかかります。

ダウンロードして自由に使って頂いて結構ですが、同時に開示している説明ファイル(ワード文書 or リッチ・テキスト)を
よくお読みになってください。また、現段階ではあくまでも仮開示であり、完成形ではないことにもご留意ください。

https://1drv.ms/u/s!ApINowI3ybkacrP3M_GV7wSe6j0?e=67lDy2

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