来館者二万人記念 現行低額面収入印紙を求めて

初版 2022/03/02 17:06

改訂 2023/03/30 16:37

 収入印紙と聞いてもピンとこない人が多いようである。少し前に放送されたサザエさんで収入印紙が登場したようであるが、ツイッター上で「どうしてカツオが収入印紙を知っているのか」、「そもそも収入印紙を見たことがない」というような内容のつぶやきが数多く投稿されていた。会社の設立者や飲食店関係者などは収入印紙を使うこともあるだろうが、一般人が収入印紙に触れる機会はほとんどない(一度に5万円以上の買い物をすれば200円の収入印紙がレシートに貼られるが、これぐらいしか収入印紙を目にする機会はない)。

 さて印紙税額一覧表に記載されている税額は全て200円以上である。しかしながら現行の収入印紙は1円や30円などの200円以下の額面が12種存在する。

発行日  1円:1948.9.1 , 2円:1948.10.10

発行日 5・10円:1954.4.1 ,20円:1957.4.1

発行日 40・50・80・100円:1975.4.1

60円:1976.4.1 , 30円:1976.12.1

発行日 1975.4.1

 これらの低額面収入印紙は情報公開での公開請求や各種手数料の徴収に用いられる。50円、100円は使い道がありそうだが、30円や120円など使い道がいまいちよく分からないような額面のものもある。需要が無いので扱っている郵便局も少なく、ある程度大きな郵便局でないとこれらの低額面収入印紙は入手出来ない。

 1〜20円は随分前に購入した切手のロットに入っていて手に入れられたのだが、第三次昭和収入印紙の30〜120円は手に入れられていなかった。

 30円、50円、100円は地元の郵便局に在庫があってすぐに購入出来た。しかしそれ以外の額面は在庫が無く購入出来なかった。

    ※ ※ ※ ※ ※ ※

 少し前に第三次昭和の現行低額面印紙を手に入れるために日本の郵便局の中枢たる東京中央郵便局へ行った。印紙を扱う窓口に向かい、

「40円、60円、80円、120円の収入印紙を下さい」

と言うと局員の方はすぐに会計して下さり、

「合計2200円になります、印紙を取ってくるのでしばらくお待ちください(実はこのとき、自動車重量税印紙や郵便切手なども購入したので合計金額が2200円になっている)。」

と言われ暫く窓口の前で待っていた。

しかし、局員の方が戻ってきて

「すみません、60円と120円の在庫がないんです。50円一枚と10円一枚で60円、100円と20円で120円の組み合わせなら出来るのですが....。」

と言われてしまった。まさか日本でも有数の郵便局ですら在庫がないのか、と驚いてしまった。勿論、50円と10円、100円と20円はすでに持っているので購入しても仕方がない。

「40円と80円のみで大丈夫です。」

と私が言うと

「では会計し直させて頂きます。合計2020円になります。」

と局員の方。値段が下がって残念だったのはこの時が初めてかもしれない。残念に思いながら郵便局を後にしたのだが、やはり電車を乗り継いでここまでやって来て結局手に入れられないのは非常に残念であったのでgoogleマップで付近の郵便局を探した。最初に目についたのが大手町郵便局であったのでダメ元で電話を掛けた。

「そちらの郵便局に60円と120円の収入印紙はありませんか」

と聞くと

「あまり数はありませんがどちらもありますよ。」

と非常に嬉しい返事を聞くことが出来た。早速、強い風がビル群を吹き抜ける中、大手町郵便局へ向かった。

 大手町郵便局の窓口で

「60円と120円の収入印紙を下さい」

と言うとすぐに取ってきて下さった。180円を払って印紙を受け取り再び電車を乗り継いでようやく帰宅することが出来た。

    ※ ※ ※ ※ ※ ※

 現行であるというのにここまで入手が難しいというのはそれはそれで入手のしがいがあるのかもしれない。しかし、政府が税金徴収の為に発行しているのだから全額面の収入印紙を郵便局などでは揃えてほしいものである。

古い印紙類を主に収集しておりますが、他にも日本・外国の戦前紙幣、切手等も集めています。





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