誤解された音楽? 悲劇の『チューブラー・ベルズ / Tubular Bells』 ~ Mike Oldfield ~
初版 2018/01/12 23:00
改訂 2018/01/12 23:57
みなさんはマイク・オールドフィールドの『チューブラー・ベルズ』を聞いたことがあるだろうか?そもそも、この分野(プログレシブ・ロック)を聴くことが無い人には馴染みのないものかも知れない。しかし、『エクソシストのテーマ』を聴いたことがあるかと言われれば「あ~、あれね!」と思い出すかも知れない。
エクソシスト(悪魔払いの祈祷師という意味)というオカルト映画が発表されたのが1973年なので、かれこれ45年も経過したわけである。
マイク・オールドフィールドの初作品であるが、エクソシストの映画のヒットにより、良くも悪くもこの曲は大ヒットしたのである。ただし、『チューブラー・ベルズ』という正式名称よりも『エクソシストのテーマ』としてであるが!
何故、この『チューブラー・ベルズ』を『エクソシストのテーマ』にしようと考えたのかは分からないが、作者の意思をまったく無視した選択にはいささか疑問も残る。たまたま、新人の発表した曲が映画の雰囲気にピッタリだったのかも知れないが、 当人はまったく、そのようには考えていないようだ。むしろ、無断で使用された挙句に、怪奇的なイメージをこの曲に持たせてしまうということで、かなり憤慨したらしい。後年、マイク・オールドフィールド自身が「あんな恐怖映画に使われたのは残念だ。 だってあの曲は、ゆったりとした美しい自然を表現したものだから・・」と反発している。
すべての楽器を一人で演奏し、オーバーダビングを繰り返しながら曲に仕上げるには相当な努力と忍耐が必要であったと想像できる。特に中盤からクライマックスに盛り上っていき感動的な終わりを迎える流れはとてもエクソシストという映画とはかけ離れた世界観がある。 目を閉じて聴いていると、雄大な草原とどこまでも続く青空の中に引きづり込まれていくような感覚を覚える。そう、『チューブラー・ベルズ』は壮大な抒情詩なのである。オカルトチックな悪魔祓いの映画のテーマ曲になってはいけない曲なのではないだろうか?
もともと、マイク・オールドフィールドはこの『チューブラー・ベルズ』を含めた三部作として作品を発表している。『ハージェスト・リッジ』・『オマドーン』である。いずれも、片面1曲で25分にも及ぶ大作である。一度、じっくりと味わって聞いてみたらどうだろう!
analogrecordfan
アナログレコードを聴くことが大好きです。特に1960年代・1970年代のロックが好きです。好きなアーティストはビートルズ、ローリングストーンズ、CCR、ELO、ELP、S&G、ベンチャーズ、アランパーソンプロジェクト、ブレッド、アリス、キャロル、太田裕美、かぐや姫、吉田拓郎、泉谷しげる、YMO、等々・・・・これから、このミュージアムを充実させていきますので、宜しくお願いします!
全てのレコードは下記のURLより御覧頂けます。
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