アギラの色はなぜ変わったの?

初版 2023/05/21 19:27

改訂 2024/05/12 23:30

アギラはウルトラシリーズに何度か登場しますが、その度ごとに個体差が目立つのが特徴です。(はいそこ!「着ぐるみの傷み」とか「デパート屋上のショー」とか言うの禁止で!)

「ウルトラセブン」本編中にアギラは2回登場しますが、32話のリッガー戦の時は体色が白っぽく、黄色(金色?)のカプセルに戻ったのに対し、46話の偽セブン戦の時は黒っぽい体色で、赤いカプセルから登場しています。鳴き声も違い、白アギラはやや低い声、黒アギラは高い声です。

ご存じのように、セブンの持つケースにはいつも5つのカプセルが入っています。そこで「実は白アギラと黒アギラは別個体ではないか」という説もありました。ミクラス、ウィンダム、アギラ2体ともう1体という説です。しかし、白黒のアギラは体のひび状の模様などが一致している(当然)ので、同一個体と考える方が自然です。また、平成ウルトラセブンで瀕死のカザモリ隊員をカプセルに収納した場面から、「残りのカプセルは医療用の空きカプセル」という設定も生え、この説は下火になりました。

ではなぜアギラの体色は変化したのでしょうか?まず考えられるのは婚姻色です。繁殖期になると体の一部が色づく生物は地球上にも存在します。ただ声の変化はこの説だと説明できません。いくら何でも偽セブンに求愛音は出さないでしょうから。

そこで私は「全身アザだらけだった」説を推したいと思います。

リッガー戦の時、アギラはリッガーと取っ組み合い、押しつぶされ、尻尾で何度となく打ち据えられています。全身怪我だらけ、アザだらけになるのは当然です。

この時点で、残り2つが医療用カプセルだとして、1つは埋まっていたのではないでしょうか。そう、「零下140度の対決」で、ガンダーに凍死寸前まで追い詰められたミクラスです。登山家が凍傷で指などの末端部を失うという話はよく聞きます。光の国の科学力で再生医療はできるにしても、時間はかかりそうです。ディンの妨害電波に弱いウィンダムは出せないとして、戦闘力の高いミクラスを出さなかったのは、ミクラスは治療中で医療用カプセルから出せなかったのではないかということです。

リッガー戦後、もちろんアギラはもう1つの医療用カプセルに収容されたと考えられます。ところが39話で、アギラは医療用カプセルから追い出されます。ウィンダムがガッツ星人に撃破されてしまったからです。どう見ても死亡状態で、残った細胞をかき集めて全身再生医療とかいうレベルのダメージですから、治癒設備はウィンダムとミクラスに割り当てられ、軽傷のアギラは通常カプセルで自然回復を待つことになった、と。だから偽セブン戦では傷が癒えきらない、人間で言えばまだ全身包帯と絆創膏という状態で召還されたわけです。そりゃ全身青アザだらけなら色も変わって見えますって。

え、鳴き声の違いですか?

リッガー戦でのアギラは、それまでずっと出番を待ち続けていましたから、やる気十分で「俺はやるぜ!やってやるぜ!}と叫びながら闘っていたんです。ほら、声、低くなりますよね。

ところが偽セブン戦では、全身傷だらけのまま「着替えたとき隊員服にウルトラアイを忘れたから、取ってくるまで時間稼いどいてね」という間抜けな理由で召還され、しかも相手は主人のセブンと同じ能力を持つロボット。アイスラッガーでも使われたら即死確定です。当然アギラは「ひぇ~!こんなのやってられっか~!死にたくね~!」と甲高い悲鳴を上げ続けるしかなかったわけですよ。

カプセル怪獣アギラが好きすぎる人です。

Default
  • File

    PUTA2

    2023/05/21

    面白い考察、ありがとうございます。
    私もアギラ大好き人間なので、非常に興味深いです。

    なるほど、そういう見方も面白いですね。
    私はアギラは2匹いた説だと思っていたので、意外な切り口でした。

    返信する