手帳のお供 持ち歩きにオススメな万年筆

初版 2023/11/10 19:58

改訂 2023/11/10 19:58

お洒落なカフェで、コーヒー片手に手帳を広げ、気ままにペンを走らせる。

なんとも絵になる光景だが、インクブームと言われている昨今、どうせならお気に入りのインクを入れた万年筆で楽しみたい。

そんなシーンで活躍しそうな10,000円前後で手に入るオススメ万年筆を、あくまで僕の個人的な主観でつらつら書いてみようと思う。

字幅展開があるモノに関しては、手帳のお供ならEFかF、ノートとか少し大きめなモノに書くのならMでも良いかと。BとかBBはかなり太い線になるので外出先ではあまり出番が無いかと思われます。

◾️その1 Kaweco Sport

1930年代に発売され、1972年のミュンヘン・オリンピック開催の際に公式ペンとしても認定されたという、ドイツの文具メーカー、Kawecoの定番商品。

カートリッジ/コンバーター両用式。

キャップを閉めた状態で約11cm、キャップポストすると13cmという、ズボンのポケットやカバンにポイっと放り込めるサイズ感とコロッとした可愛らしい外観やカラーバリエーションが魅力。別売でクリップもある(僕は付けない派だったけど、友人が付けているのを見てちょっとアリかな、と思っている)。

樹脂、アルミ、真鍮等、色々なマテリアルがあり、それぞれ個性的。万年筆以外にボールペンとシャープペンシルもある。

また、Kaweco Collectionという名前で毎年の様に限定カラーが発売されている(Kaweco Collectionは限定モデルの総称で、Sport以外のシリーズも含まれる)。

ペン先はネジ式又は首軸とセットのユニットになっていて、仮に落としてペン先を曲げたとしても最悪交換出来る。また、字幅のバリエーションもEF、F、M、B、BBと広く、お値段は張るが、14金ペン先もラインナップする。

ちなみに定番品にデフォルトで装着されているのはMで、他の字幅が欲しかったらペン先交換に出してね、というスタンスだが、Collectionは購入時に字幅が選べるケースが多い印象。

◾️その2 LAMY safari

ドイツの筆記具メーカー LAMYか1980年に発売した人気シリーズ。

Kaweco Sportと並ぶお洒落万年筆筆頭。

鉄ペンのみのラインナップで、字幅は限定の漢字ニブを除くとEF、F、M、Bと展開しているが、LAMY JAPANの公式ページを見るとMまでしか載っておらず、実店舗の店頭でも同様だったので、Bは国内では正規販売していない模様。

ボールペンとシャープペンシルもラインナップされており、毎年限定カラーが出ている。また、最近は他の文具メーカーとのコラボも盛んな様子(写真はコクヨとのコラボ)。

素材違いでアルミ製のモデルもあるが、こちらはアルスターという名前で別モデル扱いになっている。

Kaweco Sportと違ってサイズは普通の万年筆候だが、樹脂製のボディは軽くて取り回しやすい。

カートリッジ/コンバーター両用式。

◾️その3 TWSBI DIAMOND Mini

台湾の筆記具メーカー TWSBIのフラッグシップモデル DIAMONDシリーズのミニサイズ版。鉄ペン。

バリエーションは写真のクラシックと、全て透明なクリア、更に首軸とピストン部にアルミパーツを使ったALがあり、ALはカラーも複数ある。

字幅展開はEF、F、M、Bに加えスタブ1.1もあり、カリグラフィーも楽しめる。ペン先はKaweco Sport同様ネジ式のユニットなので、万一破損しても交換が可能。

全長はキャップを閉めた状態で約11.8cm、キャップポストした状態で約13cmとKaweco Sportより約1cm長い程度だが、インク容量約1.2mlとこのサイズの万年筆としては破格の大容量を誇るピストン吸入式を採用している。更に胴軸は透明なポリカーボネイトにダイヤモンドの名の由来となるクリスタルカットを施した上、傷防止のコーティングまで行っており、入れたインクを眺めて楽しむことが出来る上、インク残量も一目で分かる。泊まりがけとかならともかく、ちょっとした外出なら出先でインクを切らしたといった事はまず起こらない。

このDIAMONDシリーズは出荷前に全数検品済みなので、製品誤差も少ないと聞く。また、ペン先はネジ式のユニットなので交換可能。

持ち歩き万年筆としての完成度はかなり高いと感じる。

◾️その4 Travelers Company

プラス万年筆

トラベラーズノート等を展開しているTravelers Companyの万年筆。

Made in Japanの小さな真鍮製ボディにドイツ製のニブを組み合わせた持ち歩きに特化した一本。鉄ペン。

Kaweco Sportよりも更に小さく細いので使えるコンバーターが無く、ヨーロッパ規格のミニカートリッジ専用。

ペン先はネジ式なのでユニットごと交換出来る。

字幅展開は行っておらず、F一択。

最初は金ピカだが徐々に貫禄ある見た目に変わっていく。それを楽しむも良し、磨いて愛でるも良し。

◾️その5 パイロット エリート95S

僕の友人が愛用している万年筆。

昭和49年に大橋巨泉さんのCMで大ヒット商品となったモデルの復刻版。

昭和の香り漂うノスタルジックなペンで、ニブの形が格好良くて個人的に堪らん一本。

サイズはDIAMOND Miniとほぼ同じだが胴軸は細い。樹脂製の短めの胴軸にアルミ製のちょっと長いキャップをポストすると筆記の際にいい感じの長さになる。

ペン先は14金で、字幅展開はEF、F、M。

細軸なので、手帳のペンホルダーに挿して持ち歩ける。

カートリッジ/コンバーター両用式。ただしコンバーターはCON-40のみ対応。

◾️その6 パイロット グランセ

黄銅製の細軸万年筆。

パイロット独自の規格でいう3号と小振りなニブで、金ペンと鉄ペンの2種類があり、軸の塗装の違いと合わせて3グレードで展開している。

字幅展開はEF、F、FM、Mの4種類だが、グレートや軸の色によっては選べないものもある。

僕はこの14K3号ニブをかなり高く評価している。小さいながら紙への当たりが柔らかく、万年筆ならではの書き心地をしっかり味わえる。

また、このペンもエリートと同じく手帳のペンホルダーに挿すことが出来る。

カートリッジ/コンバーター両用式。ただしコンバーターはCON-40のみ対応。

◾️総括

僕が触った事の無いモノは載せない方針なので、ざっとこんなところかな、といった感じ。

この中からだと手を出し易いのはKaweco Sportの樹脂軸かLAMYのsafariがお値段的にも入手難易度的にもオススメ。

もうちょっと本格的に、となると、TWSBI DIAMOND MiniやKaweco Sportの金属軸は持ち歩きのみならず普段使いにも充分だし、気軽に長く使えるかな、と思います。

ギターを弾いている時、ペンを片手に紙に向かっている時、心を開放出来る。
少し息が出来る。
人生を共に過ごす相棒達。

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