郷土玩具に興味を持ったのは…

初版 2022/03/07 13:19

改訂 2022/03/07 13:19


小学校の4・5年ころ、国語の教科書に三春駒の伝説が載っていました。

延暦14(795)年、坂上田村麻呂が蝦夷との戦いで苦戦した際に、清水寺の僧侶が戦勝を祈願して贈った100頭の木馬によって敵を退けることができたという話。このうち1頭が高柴村に現れ、清水寺の高僧の作であることを知った杵阿弥という者が残りの99頭を作って100頭としたところ、3年後にその1頭も姿を消したが、杵阿弥の子孫がこの木馬を模作して村の子どもに与えたところ、みんな病気もせずに立派に成長したということで、子育て木馬と呼ばれるようになり、その後、三春駒として愛玩されるようになった、という伝説です。

1000年以上前の出来事として伝わる伝説が、実際に今日、物として存在するということが、不思議でなりませんでした。

(厳密には後付けで由緒話として創作したのでしょうが…。)

それが、5年生のとき、たまたま同級生の家で三春駒を見ました。

これが馬なの?と思うとともに、子どもながらに造形の美しさ・色の鮮やかさに感動して、率直に「欲しい」と思いました。

その後、このようなものが他にも郷土玩具として存在することを知り、集めてみようと考えるようになったのですが、きっかけはこの三春駒です。

(写真の三春駒は、正確な時期は覚えていませんが、高校のとき広島市内の百貨店で開かれた物産展で購入しました)

#思い出

各地に伝わる「郷土玩具」はその地域固有の環境や時代背景により生まれ、継承されてきました。
現在は、年賀切手のデザインに採用されることにより一時的に注目されることはありますが、多くの郷土玩具は私たちの生活に密着しているわけではないので、製作者が亡くなったり廃業されたりすると、後継者もなく、二度と目にすることができなくなるということが起きています。

一方、これまで郷土玩具を購入するには、現地に行くか、観光・物産展のようなところで探す等、限られた方法しかありませんでしたが、インターネットの普及により、本や雑誌・テレビでしか見ることができなかったお気に入りをオークション等で、手に入れることができるようになりました。

きちんと郷土玩具を収集するには今しかないと考え、乏しい予算(小遣い)のなか、少しずつ集めてきましたが、これまで収集したものをここに紹介していきます。

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