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AIR & ARMOR
この『AIR & ARMOR』では東西ドイツ国境のチューリンゲン地方からフランクフルトとシュツットガルトへと向かうための要衝ビュルツブルク付近での戦いを扱います。ルールが標準ゲームと上級ゲームに分かれていて、標準ゲームでは基本の地上戦を扱い、上級ゲームでは電子戦、航空戦力、化学戦、工兵や地雷といったルールが加わります。核兵器はありません。 両軍が交互に基幹編制単位部隊(旅団または師団)を活性化させて、それに所属する連隊毎に行軍・強襲・速攻といった任務を指定するシステムですが、ワルシャワ条約軍はターンの初めに任務を指定しておかなければならず部隊運用の融通が利かなくなっています。マップはフルマップ1枚、コマは中隊規模のユニットにステップ数(中隊の個数)を組み合わせる方式です。 同じ戦場、同じ部隊であっても、状況の異なるシナリオが複数用意されています(標準ゲーム用が4本、上級ゲーム用が6本)。 1988年にボックスアートが変更された第二版が同じWest End社から出版された他、2024年にはCompass Games社から『Air & Armor: Würzburg, Designer Signature Edition』のタイトルで改訂・再出版されています。 #第三次世界大戦 #西ドイツ戦線 ターンスケール: 1ターン=2時間 マップスケール: 1ヘクス=1マイル ユニットスケール: 1コマ=中隊~大隊 https://muuseo.com/Sin_Oga/items/116
戦術作戦級 東西熱戦 Bruce Maxwell 2人Sin Oga
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SUMMER LIGHTNING
『Summer Lightning』は第二次世界大戦のヨーロッパにおける最初の戦役、1939年9月のポーランド侵攻を扱う軍事シミュレーションゲームです。 本作はアメリカのLock 'n Load Publishing社が発売したポーランド戦役のゲームです。ポーランド戦役は歴史としてはマイナーではないものの、ゲームではそれまであまり取り上げられないテーマでした。21世紀になるとネタが尽きてきたのか、マイナーなテーマの出版も増えたようです。 いわゆるチットドリブンシステムで、活性化した司令部の指揮範囲内のユニットが行動します。その行動を開始する前に、戦線を突破して戦果を拡大するための「EXPLOIT」ユニットを指定しておくのが、特徴的なルールです。また戦術チットを使用する戦闘も若干珍しい感じです。 基本的には9月1日から始まってポーランドの降服まで行うヒストリカルシナリオが1本あるだけですが、様々な可能性の状況を試せるオプションが10種類以上あります(組み合わせての使用も可能です)。ソ連軍の侵攻がなかったり、フランス軍が活発に活動したりという歴史のイフが手軽に試せます。 #9月戦役 #ポーランド ターンスケール: 1ターン=2日間 マップスケール: 1ヘクス=30㎞ ユニットスケール: 1コマ=師団規模(連隊~軍団もあり)
Mark von Martial 作戦級 WWⅡ欧州東部戦線 Brian TrainSin Oga
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OPERATION OCTOBER TYPHOON オクトーバー・タイフーン
このゲームは、1990年代前半の西ドイツ領内におけるNATO軍とワルシャワ条約機構軍との戦いを想定して制作した、作戦級のシミュレーションゲームです。 ツクダホビーが発売したフルマップ(一回り小さい)2枚でコマシート4枚(約1000コマ)の、第三次世界大戦仮想ビッグゲームです。ワルシャワ条約機構軍の西ドイツ侵攻最初の1週間をチットドリブンシステムで再現します。このテーマでよくある化学戦・戦術核や避難民のルールはありません。 ルールはそれほど複雑でもないですが、スケールが小さいのでプレイは大変です。なにより初期配置や増援がルールブックに羅列されているだけで、しかも乱丁しているので異常にプレイしにくいのが難点です。戦闘序列シートを自作したものの、まだもう一工夫必要な感じです。 キャンペーンゲームの他に、北部軍集団と中部軍集団それぞれマップ1枚だけのシナリオが入っています。というかキャンペーンゲームは両シナリオを合体しただけです。『Panzer Keil』が二分割で「ゲームジャーナル誌」の付録になったことを考えれば、これもマップ毎の分割での付録化再販も不可能ではないかもしれないです。 #第三次世界大戦 #西ドイツ戦線 ターンスケール: 1ターン=1日 マップスケール: 1ヘクス=8㎞ ユニットスケール: 1コマ=大隊~連隊(ステップ制)
高荷義之 作戦級 NF series 東西熱戦Sin Oga
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FIGHTER BOMBER ファイターボマー
このゲームは、戦闘爆撃機による対地攻撃と地対空ミサイルや対空火器による迎撃を扱ったものです。プレイヤーはパイロットとして対地攻撃を行い、あるいは対空火器の指揮官として敵機の迎撃を行います。 ツクダホビーが発売した現代航空戦闘ゲーム『ジェットファイター』の続編です。エキスパンションではなくスタンドアロンで、単独で空対地戦闘だけでなく空戦も行えます。このスケールだと空対地戦闘の地上側にはほぼ選択肢はないので、空対地戦は1人(または1チーム)プレイになります。 『ジェットファイター』と同じくSPIの『AIR WAR』とほぼ同スケールの細密シミュレーションながら、プロット式の同時移動なので1人で1機を扱うので手一杯です。旋回は60°単位とやや大雑把に思わせておいて、選択ルールで20°単位⁉に細かくできるという凝りようです。 マップは薄手のハードボードで、レターサイズ判のものが2枚、その2倍サイズのもの(写真3)が6枚入っています。対地攻撃らしく土色のマップになっていますが、山などの地形はなく、雲や太陽の要素もありません。 登場機種はスカイレイダーやF-100D、MiG-17といった古いものからMiG-29やMiG-31、Su-27といった新型機まで28機種。ベトナム戦争や中東戦争にも対応できます。シナリオは地対空・空対地戦闘ものが5本掲載されています。 『ジェットファイター』とのセールスギャップからデッドストックが多いらしく、今でもオークションで未開封品が出てくることがあります(しかも安価で)。これもそうした一品でした。 #F-4CファントムⅡ #空対地戦闘 ターンスケール: 1ターン=3秒 マップスケール: 1ヘクス=200メートル、1高度=50メートル ユニットスケール: 1コマ=1機、1両
高荷義之 コンバット級 NF series 航空戦ジェットエイジSin Oga
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TOP GUN
『TOP GUN』は現代の空中戦を扱った多人数ゲームで、各プレイヤーがアメリカまたはソビエトのパイロットを演じます。このゲームの目的は、自機が撃ち落とされずに、できる限り多くの敵機を撃ち落とすことにあります。 これはParamount Picturesの映画「TOP GUN」に基づいた航空戦のゲームです。元々はアメリカのFASA Corporationが発売したもので、㈱ツクダホビーが日本ライセンス版として発売しています。とはいえ、外箱は日本の配給元の東北新社のライセンス証が入っている以外は全面英語表記で、外箱の中身もルールブックにマップシートも英語表記です。日本語ルールブックが封入されて帯が付いたうえでシュリンクラップがかけられていたので、パッケージングは日本なのでしょうが、どこからどこまでが日本製でアメリカ製なのかは不明です。 プロット式で同時移動のシステムですが、マニューバー選択方式なのでマニューバーチャートを見れば説明なしでもプレイできるくらい簡単です。プロットはサイコロでもできるのでスピーディなプレイが可能です(というか、スピーディなプレイが求められています)。 収録機種はアメリカがA-6、A-7、F-5、A-4、F-14、F-15、F-16、F-18の8機種(F-5とA-4のデータは同じ)、ソビエトがSu-7、Su-17/22、MiG-21、MiG-23、MiG-25、MiG-28(映画の「The MiG」)の6機種です。コマとしてプラスチック製のミニチュアを使用しますが、A-6、A-7、F-18、F-14の4種類だけなのでほとんどはアグレッサー機よろしく代役を務めることになります。ミニチュアの使用は気分が上がるのですが、いかんせん15㎜未満しかなくて真っ直ぐを向いていてくれないのが困りものです。プレイのため識別する必要があるので、ありえないような色で塗っています。 #トップガン #F-14トムキャット ターンスケール: 不明 マップスケール: 不明、高度6レベル ユニットスケール: 1コマ=1機
コンバット級 航空戦ジェットエイジ Jordan K. Weisman, Kevin Stein, L. Ross Babcock III 2人以上Sin Oga
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クラッシャージョウ CRUSHER JOE
国産の商用TRPG最初期の一作で、ツクダホビーでは同時発売の『エンタープライズ』と並んでの第一号です。まだ『Traveller』も『D&D』も日本語ライセンス版が発売される前です。劇場版「クラッシャージョウ」の公開に合わせて(わずかに遅れて)発売されました。 外箱の中にはルールブックとシナリオブック、ラミネート加工されたキャラクターカードとダイスが入っています。近年は減りましたが、昔はロールプレイングゲームも箱入りが当たり前だったのです。 ルールブックはB5判19ページで、冒頭5ページは「ロールプレイゲームとは?」に充てられています。キャラクターの能力値はダメージポイントも含めて5つ。プリセットの有名キャラクターが13人と、名無しのクラッシャー2人がカードになっています。ワールドセッティングとしては小説版を含めた登場人物のリストが載っています。 シナリオブックは12ページで、屋内型の短編1本と野外探索から始まる中編シナリオ1本が収録されています。 1983年の夏から秋頃には唯一のサプリメント『シナリオ集』が発売されましたが、その後は続きませんでした。 #クラッシャージョウ #マチュア https://muuseo.com/Sin_Oga/items/130 https://muuseo.com/Sin_Oga/items/259
安彦良和 ロールプレイングゲーム Tsukuda Hobby Roleplay Game series 「クラッシャージョウ」の世界Sin Oga
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エンタープライズ ENTERPRISE
数あるSF作品の中で「スタートレック」ほどエピソード、キャラクターの数が多いものも少ないでしょう。このゲームは、そのスタートレックの最も本質的な部分、つまりキャラクター同士の行動を再現するロールプレイゲームです。 国産の商用TRPG最初期の一作で、ツクダホビーでは同時発売の『クラッシャージョウ』と並んで第一号です。まだ『Traveller』も『D&D』も日本語ライセンス版が発売される前です。 外箱の中にはルールブックとシナリオブック、ラミネート加工されたキャラクターカードとダイスが入っています。近年は減りましたが、昔はロールプレイングゲームも箱入りが当たり前だったのです。 ルールブックはB5判20ページで、冒頭5ページは「ロールプレイゲームとは?」に充てられています。キャラクターの能力値は5つ。他に感情などに影響する「アラインメント」と特殊技能があります。プリセットの有名キャラクターが10人と、名無しのロミュラン人、バルカン人、保安隊員がカードになっています。ワールドセッティングは異星人リストが若干あるだけです。TV放送本編や小説を見てくれということでしょう。 シナリオブックは13ページで、スタートレックらしく野外探索から始まる中編シナリオが1本だけ収録されています。TRPGの第一号であることを考えるとロールプレイの雰囲気を知ってもらう短編シナリオがないのは厳しかったですね。 #スタートレック #宇宙大作戦 https://muuseo.com/Sin_Oga/items/131 https://muuseo.com/Sin_Oga/items/154
Paramount Pictures Corporation / Tohoku Shinsha Film ロールプレイングゲーム Tsukuda Hobby Roleplay Game series 「STAR TREK」の世界Sin Oga
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戦闘メカ ザブングル
このゲームは「戦闘メカ ザブングル」における第1話から第2クール中盤くらいまでのストーリーを題材として再現したものです。入門用として、シミュレーションゲームというものを理解できるよう、移動と戦闘だけに重点を置き、わかりやすい内容になっています。 これは「ザブングル」の序盤を舞台とした複数プレイヤー用のゲームです。アイアンギア側とイノセント側で同人数の偶数人でのプレイが推奨されます。プレイヤー用コマのランドシップが8種類なのでそのくらいまでが無理なくプレイできます。 アイアンギア側とイノセント側とに分かれますが、違いは使用する戦闘カードだけで、敵味方の区別はありません(あるのかな?)。 初級ゲームは基本的にはすごろくで「敵」と同じマスに止まるかサイコロの指示で戦闘になります。カードは戦闘でしか使いません。上級ゲームも移動ルートが一定ではなく移動にガソリンが必要になる他は初級ゲームと大きく変わりません。ゴールへの到着順や戦闘によってブルーストーンを獲得し、最も多く獲得したプレイヤーが勝利です。 #戦闘メカ・ザブングル #アイアンギア ターンスケール: 不明 マップスケール: 不明 ユニットスケール: ランドシップ1隻のクルー
アドベンチャー級 SF series 「戦闘メカ ザブングル」の世界 岡田厚利Sin Oga
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超人ロック LOCKE THE SUPERMAN
このゲームはSFマンガ「超人ロック」(原作:聖悠紀)の世界をテーマにしたロールプレイング的なキャラクター・カードゲームです。各プレイヤーは「超人ロック」に登場する人物になってゲームを進めますが、その正体は自分にしかわかりません。プレイヤー間のハラの探り合いという要素の含まれた、一味違うアニメ・ゲームをお楽しみいただけます。 1984年の「超人ロック」の劇場映画公開に合わせてエポック社から発売されたゲームです。とはいえ映画やマンガのストーリーとは直接関係ありません。プレイヤーはロック世界の登場人物になり、悪者の秘密基地の破壊を目指して、あるいはその阻止を目指して、様々な惑星を巡っていきます。 マップの表面は惑星マップで、ここに惑星カードをびっしり並べ、キャラクターの訪れた場所のカードを公開してイベントを処理します。秘密基地が発見されたなら、マップを裏返して今度は秘密基地カードを並べ、同様に基地内を探索していきます。基地の重要拠点を破壊すれば善の勝利、阻止すれば悪の勝利です。ところが、キャラクターの正体は本人しかわからず、シルエットカードを表向きの顔として活動するので、一筋縄ではいかないゲームになっています。 プレイヤーが最小5人、最大で12人にもなる「密」なゲームなので、昨今ではどうなんでしょうね。 このゲームを基にしたガジェットが本家「超人ロック」のニルヴァーナ編に登場しています。 カード類の仕様を改めて(内容は同じ)国際通信社から2020年頃に再発売されました。 #超人ロック #セミロールプレイングゲーム
聖悠紀 アドベンチャー級 Epoch Simulation Game 「超人ロック」の世界Sin Oga
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THE CONQUERORS: ALEXANDER the GREAT
『THE CONQUERORS: ALEXANDER the GREAT』はマケドニア軍プレイヤー、すなわちアレクサンドロスⅢ世が紀元前4世紀の「既知世界の征服」を試みるゲームです。対戦相手のペルシア軍プレイヤーは「大王」ダレイオスⅢ世を表します。アレクサンドロスの戦役は極めて兵站的であり、ゲームシステムはこの要素の重要性を反映しています。 ゲームはチットで選ばれたプレイヤーが1つのアクションを行って、このラウンドをシームレスに続けていくというシステムで、決まったゲームターンというプレイの単位はありません。チットの引きによっては一方のプレイヤーが延々と連続でラウンドをプレイすることもあり得ます。 マケドニア軍プレイヤーは、アレクサンドロスが大王になり、ギリシアの盟主の地位を維持し、神性を確立することで勝利します。ペルシア軍プレイヤーはマケドニアが勝利する前にアレクサンドロスが死亡するか、マケドニアの軍内に厭戦ムードが蔓延したなら勝利します。明らかにマケドニア軍・アレクサンドロスが主役のゲームで、ペルシア軍プレイヤーのプレイは(勝利条件的にはともかく)難しいものになるでしょう。そのためか1人プレイのやり方もルールに載っています。 #アレクサンドロス大王 #ツァラトゥストラはかく語りき ターンスケール: 不定 マップスケール: ポイント・トゥ・ポイント制 ユニットスケール: 1コマ=軍・艦隊規模(戦力ポイント制)(リーダー有)
Roger B. MacGowan 戦略級 アレクサンドロスⅢ世の東方遠征 Richard H. BergSin Oga
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EUROPE AFLAME
『EUROPE AFLAME』は第二次世界大戦中のヨーロッパおよび中東における陸、海、空の戦いのゲームです。ゲームは2~4人でプレイします。各プレイヤー(またはプレイヤー2人ずつの各チーム)は戦争の主要な同盟陣営の一方―連合国(イギリス連合王国、ソビエト連邦、アメリカ合衆国、フランス、ポーランド)か枢軸国(ドイツとイタリア)―の軍隊を指揮します。各プレイヤーは最高司令官として戦略を選び、軍隊を建造し、戦役を指揮しなければなりません。 『D&D』のTSR社が発売した第二次世界大戦(ヨーロッパ)の大戦略級ゲーム。SPIブランドでないシミュレーションウォーゲームはTSRでは珍品です。『レッドオクトーバーを追え』と同じ大判平箱のゲームですが、発売当時これの存在は知りませんでした。ひょっとすると『レッド~』同様に和訳付きで輸入販売されていたのかもしれません。 コマはスタンド式で相手側に内容が分からないようになっています。ただこの手のゲームによくあることで、非常に小さなエリアもあってユニットのスタックは難しいです。 シナリオは練習用の一人用ポーランド戦役から、1940年:西方電撃戦、バルバロッサ、キャンペーンゲームの4本があります。 Box Artに挙げたStephanie Tabatはアートデザイナーで、使用された写真はU.S. Army Photo, U.S. Air Force Photo, Signal Corps Photo, Study Trust, National Archiveがクレジットされています。 #欧州大戦 #ナチスドイツ ターンスケール: 1ターン=3ヶ月 マップスケール: エリア制 ユニットスケール: 1コマ=軍規模(兵員50000から150000)、艦隊、航空軍
Stephanie Tabat 戦略級 WWⅡ欧州戦域 David "Zeb" CookSin Oga