どっちが正解なんだろ?

初版 2023/07/21 12:32

改訂 2023/07/21 12:41

どっちが正しいんだろ?

数年前の夏、アマルガサウルスの手持ちの画像で一番新しいものをというオファーを受けた。名前は忘れたがイギリスの小さな博物館。ロイヤルメールではなかったので国営ではなかった。

以前にも注文があった所らしく(この間2度ほどパソコンがクラッシュしていて、作ってくれたお店の人に修復してもらったけれど、マスターのHDにバックアップしていたメール等や一部の画像がダメになった。)、担当者のメールが紛失しており、博物館のマークに見覚えがあったので、返事の頭を『初めまして』という書き出しにしようかどうしようかと迷いましたね。

何度か連絡文を交わしているうちに、ずっと前のボクの文書の返信がそのまま残っている返事が届き、やっぱり『初めまして』と書かなくてよかったぁ…とホントに思いました。

忘れっぽいいい加減な性格の記憶力に対する自信のなさです。

で、その返信に以前サンプルに付けた画像と僕のコメントがそのまま残っていて、担当者はそれを利用して依頼したのでした。

その画像がこれ。

この恐竜(アマルガサウルス)を描いたボクの絵は、その特徴である頸椎から伸びた棘骨が皮膜に覆われている描き方でした。
これはいろいろ言われていてこっちの方が生き物として自然なのではないか、また体温調節を行う上で合理的ではないかとの意見もあり、ボクは最近こちらを主として想像図の中に組み入れていました。


でも、リクエストは画像の修正であり、以前ボクが描いた画像(最初の頃に描いたもの)のようにトゲを露出したものにしてくれとのことでした。
ボクは学者ではなく、まあ、その辺は頑なに自説ではないものを振りかざすつもりはないので、ちょいと頭部から頚部にかけて描き直しました。それを送り、OKを得ました。
これがその画像です。

従来、鼻腔についてはこの恐竜も目と目の間に空いていて口の近くに鼻の穴を描くことはあまりなかったのですが、この段階の画像はほとんど修正がかからない限り口元に持ってきています。
まあ、その方が生き物として自然だと言うことと、それぞれ一長一短がある説なので最後は描く者の勝手ですね。
で、この頚部の棘ですが、これはボクの好みで言えばホントは博物館と同じく、露出形なのです。
子供の頃に親しんだ、学研や旺文社の恐竜図鑑に載っている偉い先生のアマルガサウルスはほとんどがこの奇妙な骨飾りを付けていました。
まあ、どっちが正しいとかいう学者さんのご意見とどっちを描きたいという想像の(再現、復元とは図々しくていえない)絵描きの仕事としては、全く異なる、むしろ復元された全身骨格の下にパネルで表示される想像図にどっちが明確な興味を抱くかと言うことでしょうね。
子供は文句なく露出形でしょうね。

 ところがです。近年このアマルガサウルスの仲間とされるバダジャサウルス

理不尽なほどの装飾 バダジャサウルス | MUUSEO (ミューゼオ)

https://muuseo.com/Mineosaurus/items/46?theme_id=43263

Mineosaurus

というのが発見されたのです。こいつはアマルガサウルスのように頸部に棘が並んでいるのですが、アマルガサウルスのように後ろになびく、つまり皮膚でカバーが可能な生え方ではなく、頭部の前に向かって伸びているんですね。(MUUSEO 1Fに展示してあります。)オールバックがプレスリースタイルというか、ヤンキースタイルになってるんです。

これは、もう知らんぷりするしかない。

も、そのまんま出すしかない。( ´艸`)

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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