-
Panasonic AG-AF105
Panasonicの業務用AVCHDカメラAVCCAMシリーズのAG-AF105です。2010年12月に世界初の4/3 (フォーサーズ)型センサーを搭載したHDビデオカメラとして登場しました。レンズ交換式でマウントはマイクロフォーサーズ(m4/3)規格です。 AG-AF105は同じ年の10月に発売されたm4/3ミラーレス一眼カメラであるGH2と同世代のハードウェアであると考えられますが,動画撮影に特化しています。内蔵のNDフィルタやマイクのXLR端子を内蔵していますがメカシャッターは持たないためスチル写真を撮ることはほとんど想定されていません。もちろん,HD動画から静止画を切り出すことは可能ですが,当然ながら静止画としての解像度はあまり高くありません。 2012年5月には有償のファームウェアアップデート(AG-SFU100G)によってHDプログレッシブの1080/60p出力に対応します。同じ年の11月にはAG-AF105の後継機としてAG-AF105Aが発売されますが,ハードウェアはほぼそのままで1080/60p出力に対応し,SDIから10ビット4:2:2信号を出力できるようになりました。ファームウェアをアップデートしたAG-AF105との違いは10bit出力とフォーカスアシスト機能が少し追加されたくらいだと思われます。最近では業務用でもSDIではなくHDMIで事足りるようなところがありますがSDI出力はBNC端子で確実に接続できるのはなんとなく安心感があります。ただ,私個人としてはSDI出力を使うような本格的な動画撮影をしないのでAG-AF105Aが出てもなんだかなぁ,という感じでした。 手元の個体は,AG-SFU100Gをあてた中古をヤフオク!で調達したものです。なぜ,このカメラを調達しようと思ったのか,今から思い出そうとしてもあまり思い出せません。ミラーレス一眼で動画が撮れるといっても外部マイク端子がついていなかったり,ついていてもプラグインパワーのしょぼい端子でマイクアンプも最低限のものしか内蔵されていないため音声は相当に貧弱でした。そのため,コンサートの録画には到底使えず,XLR端子が付いた動画機が欲しい,と思ってAG-AF105を調達したような気がします。もちろん録音は別途やっているのでそちらの音声を使えばよいのですが,万一のときの保険としてカメラ側でもそこそこの音声が録れていれば安心というのもありました。 これを調達したのがいつごろかすっかり記憶が失われていますが,2016年5月に最初の動画を撮っているようなのでこの時期に調達したものと思われます。AG-AF105はインターフェースが充実しているかわりに見た目通りにガタイがでかく,かさばります。しかし,プラスチックの筐体なので持つと意外に軽く撮影の取り回しはそれほどたいへんではありません。しょぼい三脚に据えてもよほどひどい三脚でなければフラフラしないし,トータルとして荷物を軽くできて助かります。私は動画を撮る機会はそれほど多くないので,撮影をするたびに使い方を思い出すのに苦労しますが,最低限の機能を使うだけなら大きな問題はありません。インターフェースもよく考えられていますからすぐに慣れます。 SDカードスロットが2つあるのですが,どういうわけか同時にパラレルで録画することができず,2枚に連続して書き込むことで長時間記録をする,という機能しかありません。SDカードの容量が小さくて高価だった時代のカメラだからかもしれませんが業務用と言う割にはなんだかなぁ,と思う仕様です。しかしそれ以外は私のような使い方では特に不満もありません。ちゃんとしたマイクを使えば音声もそこそこの音質ですし,リニアPCMで記録できるので保険としては十分です。音楽ではなく講演の録画程度なら単体+マイクで余裕です。 使用頻度は高くないですが,いざというときには頼れるカメラです。 #カメラ #レンズ交換式 #ミラーレス一眼 #AF #Panasonic #AG-AF105 #デジタル #m4/3
レンズ交換式カメラ MFT PanasonicMOR
-
Canon EOS5 QD
デジタル一眼レフカメラのEOS 5Dではなく,1992年に登場したフィルム一眼レフカメラのEOS5です。EOSの後に半角スペースがあるかないか,という微妙な違いがありますが,EOS5 QDというのは日本国内向けの名前で,日本と北米以外ではEOS 5という名称だったのでさらに混乱しそうです。また国内向けのEOS5 QDのマニュアルにはEOS 5QDと書かれていて半角スペースの位置にまったく一貫性がありません。まぁ,だからどうだっってことはないのですが,たぶんメーカーも何も考えていなかったのでしょう。 EOS5は視線入力が初めて搭載されたカメラでした。私の場合,最近流行の瞳AFと聞くと視線入力のことかと思ってしまうのですが,当時のカメラを知らない世代の人は視線入力とはなんのことか意味がわからないかもしれません。EOS5には測距点が5つあって,中央がクロスセンサー,両側2個づつの4個は縦センサーでした。イマドキのミラーレスならセンサーのほぼ全面でピント合わせが行えますが,当時は5つの測距点でも測距点の数としては多かったのです。それで,たくさんの測距点からピントを合わせるための1つを選ぶのはたいへんだろう,という発想がでてきます。ファインダーをのぞきながら,ピントを合わせたい測距点を見つめるとその測距点が選ばれてピント合わせが行われる,という画期的な機能が「視線入力」だったのです。メガネをかけていない人はそれなりに視線入力で測距点を選ぶことができましたが,メガネをかけているとあまりうまくいかないこともあったようです。私自身はメガネをかけていないので,ほとんど不便を感じることなく,視線入力の恩恵にあずかることができました。瞳の個人差に対応するためにキャリブレーションの機能があったりしてとても未来的な雰囲気を出していたカメラです。 このEOS5は自分で買ったはじめての一眼レフカメラでした。当時,開店したばかりのとても小さなカメラ屋さんが,発売されたばかりのEOS5をたいへん安値で売っているという折り込み広告を入れていたので,カミさんといっしょにお店に行ったことを今でもよく覚えています。このお店はデモ機として仕入れた個体をデモに使わずに新品のまま売ってしまう,という禁じ手で安値を実現していたようです。当然,1台限りの特価だったのでもともとEOS5を買う気満々だったこともあって,即決で買って帰りました。そんなわけで,この個体の背面下部には「DEMO」という刻印が入っています。 このEOS5はほぼ10年にわたって世界中を連れ歩いて使い倒しました。デモ機として頑丈に作られていたのか,あるいはたまたまアタリの個体だったのかはまったくわかりませんが,故障することなく必要な時に必要な写真を残してくれました。明るく見やすい代わりにピントの山がほとんど掴めない素通しのようなファインダーには閉口しましたが,AFで使う分には快適でした。MFで使うことは想定されていないカメラだったのでしょう。 ここ15年ほどは電源も入れずに放っていたのですが,電池を入れたらちゃんと動きました。シャッターも切れるし,フィルムも巻き上げるし,AFも動作します。新品で買ってからほぼ30年が経っていますが,ちゃんと生きていました。このことは,ちょっとした驚きでした。バブル経済がはじけるタイミングと相前後して発売されたEOS5は色々な意味で贅を尽くして作られたカメラだったのかもしれません。 久しぶりにEOS5に電池を入れて30年前のカメラが動く様子を見て,このカメラといっしょに出かけた様々な場所のことを懐かしく思い出しました。 #カメラ #レンズ交換式 #一眼レフ #AF #Canon #EOS5 #35mmフィルム #フルサイズ #視線入力
レンズ交換式カメラ EF CanonMOR