鑑別書とエメラルドの含浸処理の話

初版 2020/09/02 13:48

改訂 2020/09/02 13:57

 以前、鑑別書作成依頼を中央宝石研究所様にお願いしましたレッドベリルのルースですが、本日、完成した鑑別書とともにに持ち帰ってまいりました。

こちらが鑑別書の内容となっております。

 このレポートから、今回私が入手したルースは間違いなく天然のレッドベリルのルースであること、詳細なルースのサイズとカラット数、そして加工段階で含浸処理が行われていることが証明されました。


 ここで含浸処理のお話を

含浸処理は宝石を原石からルースに加工する前に、原石の内部から表面にできた亀裂や傷を補強する目的で、屈折率が近い透明の油脂や樹脂に含浸させる人工処理です。

特にエメラルドが有名で、市場に出回っている殆どのエメラルドに含浸処理がなされているといっても過言ではないでしょう。


 今回私が依頼したレッドベリルもかなり砕けた言い方をすると「赤色のエメラルド」なので、ルースに加工する段階で殆どが含浸処理されます。

ですのでエメラルドやレッドベリルの場合は含浸処理がされているのが当たり前、といった具合なので、含浸されているからといって特に価値が著しく下がる。ということはないです。


逆に、含浸処理が施されていないと証明されたエメラルドやレッドベリルのルースは希少価値が非常に高いルースとなります。


 そういったことを公的に証明するためにも、鑑別書の作成は必要になってきます。

鑑別書はいわば鉱物の身分証明書で、一種の血統書でもあるのです。


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余談:ダイヤモンドは鑑別書とは別に、ダイヤモンドそのものの品質を保証するための鑑定書を発行することができます。


 鑑別書はダイヤモンドを含む様々な宝石に対し発行することができますが、鑑定書を発行することができる宝石はダイヤモンドだけです。

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 以上、鑑別書と含浸処理について長々とお話しさせていただきました。

私自身鉱物に関しては未だ素人ですので、間違いや補足などございましたら、お手数をおかけして誠に恐縮でございますがコメントをくださると助かります。


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FF14新米リアルギャザラーとして、こつこつと集めた鉱物標本をこちらに展示させていただいております。
鉱物に関して完全な素人ではございますが、何卒よろしくお願いいたします。

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