Bill Champlin / Livin' For Love (2021年1月発売)

初版 2021/01/31 12:30

改訂 2021/02/10 18:08





私が世界で一番好きなミュージシャン、Bill Champlin


Chicagoのメンバーとして1981年12月~2009年8月まで約28年に渡り活躍したことはもとより、自己のバンドThe Sons Of Champlinでも1965年~1977年、1997年~現在、TOTOのJoseph Williams、ギタリストPeter FriestedtとのバンドChamplin Williams Friestedt としても2015、2020年に2枚のスタジオアルバムを発表、2017年~はTamara Champlin, Gary FalconeとのバンドBill Champlin and Wundergroundとしても活動(2018年にアルバム発表)、 そして1970年代中盤以降からの数多くのセッション活動も見逃せません。(彼が他のアーティストのアルバムやシングルでリードボーカルを担ったものだけでも150曲ほど)


そんな彼が2008年11月の「No Place Left To Fall」以来13年ぶりのソロアルバムをリリースしました。1月26日に手元に届いてから毎日聴いています。現時点ではCDは自主レーベル「Wunderground Records」から彼のオフィシャルサイトでの直販(デジタルより一足早く、2021/1/12~発送開始)、デジタルは「Imagen Records」より2021/1/22に各種配信サービスにて展開されています。ただし、日本では契約の関係でストリーミングサービス等は4月まで待つ必要があります。(日本盤はアートワークを変更してボーナストラック付で大手レコード会社より4月にCDリリース予定)


このアルバムより先にBill Champlin and Wundergroundの2枚目のスタジオアルバムの制作が進行していることが2018年秋ごろ~日本の音楽雑誌や彼のオフィシャルサイトでアナウンスされ、2019年秋ごろまでその制作が継続していることが紹介されていましたが、2020年2月末ごろ一旦制作を中断し、ソロアルバムの制作に入ったとみられます。この新譜の3曲目に収録のタイトルトラック「Livin' For Love」に取り掛かっているときにTamara Champlinから「今こそ、ソロアルバムに取り組むべきだわ」との助言もあり制作が本格化したようです。(公開されているインタビューより)8月末にはすべての曲のミキシングを終え、9月に著名なマスタリングエンジニアのJoe Gastwirtによりマスタリングが行われてます。また、とても美しく未来への希望やメッセージも込められているアートワークは「Symphony Of The Sun」という題名の作品で15年くらい前にチャンプリン夫妻が気に入り購入した作品とか。原作者はロシア出身で現在はハワイに在住の「Vladimir Kush」です。


前置がずいぶん長くなってしまいました。さて本作品の中身の音楽についてですが、まさに「Champlin」印の作品だと思います。3曲目の「Livin’ For Love」や9曲目「Loosin' Ground」ではブルージーに、元シカゴの同僚Jason Scheffと共作し、Jasonがベースを演奏し、デュエットしているJazzyな4曲目「Show Me」、2018年10月に他界したGeorge Hawkins, Jr.のベース(ドラムはVinnie Colaiuta)が聴けるオープニングトラックではパワーバラード、Greg Mathiesonが曲作りや演奏に絡んだ2曲目「Especially Me」、Wundergroundのメンバーで共作した6曲目「Hey」そして13曲目「The Truth Has Begun」ではGroovyでFunkyに、10曲目の「A Stevie Song」はアルバムの中でいいアクセントになっている曲でSteve Porcaroが参加、7曲目「Alone」や11曲目「Too Good For Too Long」ではモダンなロックを聴かせてくれます。5曲目に収録された「Another Lie」は2016年9月に他界した息子「Brad Champlin」についてのもので、曲中に「Now the only place I can see your face is in a dream」とあり、アルバム中一番ぐっと心に響いてきました。


アルバム通して感じたことはバラエティに富んだ幅広い音楽ですが、決して散漫な印象はなく、アルバムとしての統一感があります。これまで以上にボーカルが生々しく、演奏やアレンジもいい意味で洗練され過ぎず骨太なところが気に入ってます。コロナ渦の制作という事もありますが、Tamara Champlinもこれまでのソロ作以上に曲作りや、バックボーカル面での貢献が高いです。また1曲目を除く全ての曲でLenny Castroがパーカションで参加し、アルバムに彩りを添えています。


The Sons Of Champlinの前身バンドThe Opposite Sixのデビューシングルを1965年1月にリリースして56年、まさにこれまでのキャリアを凝縮した内容だと思います。


先の見えてこない日々が続く現在ですが、ビルさんもアルバムの10曲目「A Stevie Song」で「Music is the perfect path to love」と歌っています。


一日でも早くこのアルバムからの曲がLiveで披露され、日本公演も実現することを切に願っています。

https://youtu.be/4QE0JOLIR7s





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私が洋楽好きになったきっかけは1983年8月の夏休みにFMラジオから流れてきた、Asiaの「Don't Cry」でした。以降英米のロックを中心に聴き続けています。特に好きなボーカリストは、Bill Champlin, Richard Page, David Pack, Michael McDonald, Bernie Chiaravalle, Peter Mayer, Steve Winwood, Paul Carrack, John Wetton, Peter Cox, Paul Rodgers, Gino Vannelli 等です。これまでの人生で一番聞いてるアルバムは「Chicago 17」で次が「Mr. Mister / Welcome To The Real World」です。

https://immyhead2012.wixsite.com/mysite

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