-
サガキリガイダマシ
よく「ツリテラ」と呼ばれる巻き貝の化石です。 瑞浪市で有名なビカリアよりも小さく、多産します。 ツリテラは、北海道から九州まで、日本中で見つかる巻き貝の化石です。 画像8枚目は、7枚目の化石の産状で、大体の原石はこの状態なので、クリーニングが大変な化石でもあります。また、巻き貝の形上、しかたがいないことですが、大体は巻きの境目で割れてしまい、そこからどんどん崩れていくため、状態の良いものはそこまで多く採れません。
最初の画像33mm あとの画像20mm キリガイダマシ科 Turritella sagaiCatrilobite
-
Puseudphillipsia spatulifera
画像1、2枚目がポジ、3、4枚目がネガです。 どちらも尾部のみの部分化石です。 P.spatuliferaは大きな個体だと50mm、60mmに届くような種類ですが、この化石の大きさから推定すると20mm〜30mm程度と思われますので、まだ成体ではないと考えられます。 完全体も一応産出するようですが、全くと言っていいほど見かけず、また高価なので、入手は非常に難しいです。
ポジ12mm ネガ14mm Proetida ペルム紀Catrilobite
-
Cyphaspis walteri
頭部から伸びる2本の棘が悪魔の角のように見えることから、Devil's Horn Cyphaspisとも呼ばれるキファスピスの仲間です。2本の棘については、明確な役割はわかっていません。メインの完全体の他に、同種、他種の頭部や尾部などがあります。 まとまってで見つかることも多く、集団で暮らしていたと考えられています。 右頬棘のみ質感が違い、若干太いため、補修が入っている可能性があります。
33mm(棘含む) Proetida デボン紀Catrilobite
-
Asaphus lepidurus
僕の手持ちの中で唯一のロシア産のものです。 右側に圧縮変形があり、あまり状態がいいとは言えません。 この種は一般種であるためこのような品質のものならそこまで高価ではありませんが、ある程度綺麗なものは結構いい値段がするので、ロシア産の蒐集は全く進みません。
70mm Asaphida オルドビス紀Catrilobite
-
Gerastos tuberculatus marocensis
モロッコ産デボン紀の三葉虫の中でも多産し、安価な三葉虫です。 ただ、近年は産地の枯渇もあり良い標本は減ってきているそうです。 この標本は体節の端などが少し荒れていて、完璧ではありませんが、なかなか綺麗な個体です。 この種はHammi氏の標本でも手が届く価格なので、いつかHammi氏剖出のものが欲しいと考えています。 Gerastosのうち、このtuberculatus marocensisは多産するのですが、他のG. ainrasifusやG.hammiなどはほとんど見かけません。
通常姿勢28mm、防御姿勢直線19mm Proetida デボン紀Catrilobite
-
Elrathia kingi
博物館のミュージアムショップなどでよく見かける、安価な三葉虫です。 サイズは20〜30mmと小さいながらも、黒い外骨格や細かく綺麗に並んだ体節など、魅力的な種類です。 非常に多産する種なのですが、ユタ州以外では見つからず、そこの環境に超特化し、繁栄した種だといえます。 他のコレクターの方によると、教科書などによく載っている種だそうです。ちなみに、僕が使っている教科書には福地のGravicalymene yamakoshiiが三葉虫代表として載っています。
一つ目 21mm 二つ目30mm Ptychopariida カンブリア紀Catrilobite
-
Pseudophillipsia spatulifera
ペルム紀の三葉虫としては大きく、日本では最も多産すると言える三葉虫です。 多産するとはいえほとんどが部分化石で、完全体は稀です。 気仙沼市の他にも岩手県陸前高田市などでも見つかります。
画像1、2枚目15mm 画像3、4枚目20mm Proetida ペルム紀Catrilobite
-
Agnostus pisiformis
アグノスタスの脱皮殻が集まった化石です。 ほとんどが部分化石で、完全体は最後の画像の赤丸で囲った形です。 Agnostidaは近年は付属肢の研究などから、三葉虫の仲間ではなく、甲殻類の仲間であるというせつがあります。
母岩 横75mm 縦80mm Agnostida カンブリア紀Catrilobite
-
Phacops latifrons?
あまり見かけないベルギーのファコプスです。 詳しい産地、種名は分かりません。 産地的にも主にフランスで見つかるPhacops latifronsかもしれないと考えています。 圧縮を受けており、今にも崩れそうな化石ですが、意外にも複眼など細部は残っています。 追記 フランスPhacops latifronsのについて少し調べてみると、産地がフランスとベルギーの国境に位置するVireuxであると分かりました(Vireuxはフランスの国土です)。行き過ぎた推測かもしれませんが、この標本はフランスのVireuxの地層からの転石がベルギー側で見つかったものか、ベルギー側の同じ地層から見つかった物だと考えられます。 また、フランスのPhacops latifronsと比べても、色や、圧縮の具合など全くと言っていいほど同じなので、この標本もPhacops latifronsでいいような気がします。
直径15mm Phacopida デボン紀Catrilobite
-
Ellipsocephalus hoffi
チェコのエリプソセファルスのダブル標本です。(最後の画像の幼体?もありました) 比較的多産し、集団で見つかることも多いようです。 目がない三葉虫と言われることもあるそうですが、最近だと目があるという説が有力です。 この標本にも、小さな目らしきつくりがあります。 一部まだ母岩がかかっていますが、比較的状態の良い標本だと思います。
20mm(両個体共に) Ptychopariida カンブリア紀Catrilobite
-
Illaenus sp.
モロッコのイレヌスの一種です。 Zagoraのイレヌスは種小名が不明です。ネットにあるZagora産の同種と思われる標本は約120mmとのことなので、この標本はまだまだ成体ではないと思われます。 ロシア産のイレヌスの仲間は目がはっきりと残っているものが多いですが、モロッコ産となると、この標本同様目の残った標本はみかけません。
97mm Corynexochida オルドビス紀Catrilobite
-
Hongshiyanaspis yiliangensis
非常に小さな体、急に細くなる頬棘などが特徴的な三葉虫です。 この標本の産地であるシャオシバ(Xiaoshiba)は、状態の良い三葉虫などの軟体部や軟体動物の化石の産地として有名です。
14mm Redlichiida カンブリア紀Catrilobite
-
Acadoparadoxides briareus
約40cmと非常に迫力のある三葉虫、Acadoparadoxides briareusです。 この種は三葉虫史上最大の大きさとはいきませんが、おそらく普通に入手できる三葉虫の中では最大の大きさです。 僕のコレクションの中でもっとも大きく、重く、入手価格が高かった三葉虫です。 この標本は、この種として十分なサイズがあり、また、目や側葉から伸びるフリルの成長線などかなり状態の良い化石です。他にも、同種と思われる部分化石がいくつかあります。 ここまで大きいとケースも安くないものが多いですが、最後の画像のフリマアプリで手頃に買えた昆虫用ケースにポジ側だけ入れています。 画像7枚目はネガ側です。
全長380mm Redlichiida カンブリア紀Catrilobite
-
マキヤマキララ
瑞浪市では多くの化石が見つかりますが、その中でも代表的な貝の仲間の化石です。 この種の特徴としては、殻に模様のような凹凸があること、殻が剥がれたところがまるで真珠にように美しく光沢を持つことです。 瑞浪の貝化石に共通して言えるのは、非常に殻が割れやすく、剥がれやすいことです。そのため、マキヤマキララの多くの標本で殻がなかったり、半分くらい剥がれていたりしています。 一部殻が剥がれていたりしますがそこの光沢も美しく、非常に見栄えが良くクリーニングできたので気に入っています。
横25mm クルミガイ目 Acila submirabilisCatrilobite
-
Parabathycheilus gallicus
飛び出た目が特徴的な三葉虫です。 非常に長い頬棘も特徴的です。 本種はカリメネの仲間なのですがなかなか実感が湧かず、飛び出した目と頬棘を隠してみると、ちょっとカリメネに似ているように見えてきました。
20mm Phacopida オルドビス紀Catrilobite