RENAULT 4CV PA55

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終戦後、外国企業との技術提携によるノックダウン生産が盛んに行われる中、日野ヂーゼル工業はフランス・ルノー公団と技術提携し、1953年にルノー4CVの生産を開始した。こうして誕生した日野ルノー(PA型)は、水冷直列4気筒OHVの748ccエンジンをリアに縦置きに搭載するRR駆動方式車で、フロアシフト3速のトランスミッションを介して100km/hの最高速度をマークした。ダブルウィッシュボーン&スイングアクスルの4輪独立懸架や、ラック&ピニオンのステアリングなどの先進メカニズムは当時の国産車では際立っていた。基本スタイルは本国4CVを受け継ぐが、初期モデルでは日本の高速車規格に適合させるため、バンパーステップを設けてオリジナルより全長を伸ばしていたほか、細かいデザイン部分には徐々に日本専用の形状が採用されていった。日野ルノーは1957年に完全国産化を達成した後も、1963年まで生産が続けられた。
 このクルマはオーナードライバーよりも主にタクシー業者の手に渡って活躍し、「神風タクシー」の異名をとったのは有名な話。

 日野ルノーは曲面を多用したクラシカルなボディスタイルとともに、センターピラーを軸に開く前後のドアが印象的です。すなわち、前ドアは前開き、後ドアは後開きという珍しいパターンで、いわゆる「観音開き」とは正反対です。さてその乗降性はいかに?
 最高出力21psというエンジンスペックは10年間不変でしたが、最終的に車重が700kgにも達したボディを引っ張るには、少々役不足だったかもしれませんね。日野・ルノー4CV

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