-
Emerald エメラルド(1)
緑柱石のうち、緑色のものをエメラルド、青色のものをアクアマリン、黄色のものをヘリオドール、ピンクのものをモルガナイトと言う。 エメラルドの濃い緑色はクロムとバナジウムによる。 深みのある緑色は「エメラルドグリーン」と言う色の名前にも使われている。 エメラルドは結晶が割れていたり、ヒビが入っていたり、傷のある状態で見つかる事が多い。 そのため、油を染み込ませて傷を隠したり、色を良く見せる事もある。 無傷のエメラルドは滅多に産出しない。 コロンビアでエメラルドの鉱山が発見されたのは1537年で、発見したのは南米を侵略中だったスペイン軍である。 スペイン人は採掘したエメラルドをムガール帝国(現インド)やオスマン帝国(現トルコやギリシャ)の支配者に高値で売りつけた。 支配者たちはエメラルドを「天国の庭が見える石」と呼んだ。 エメラルドはクレオパトラが愛した宝石とも言われ、古代エジプトの時代から紅海沿岸で見つかっていた。 偽物のエメラルドとして、「ソーデエメラルド」と呼ばれるものがある。 見た目はそっくりだが、水を入れた透明な容器に入れて横から見ると、ソーデエメラルドは接着した部分が黒っぽい線に他の部分は透明に見える。
Be3Al2Si6O18 緑柱石 Brazil 7.5~8誌稀京兵
-
Spinel スピネル(1)
母岩はカルサイトである。 本来は無色透明だが、鉄、クロム、亜鉛、マンガンなどの元素がアルミニウム、マグネシウムを置換して様々な化学成分のスピネルを作り、それらは赤色、緑色、黒色と多彩な色を持つ。 中でも少量のクロムと鉄によって紅色になったスピネルは、古くから宝石に利用されている。 マグネシウム分の多い大理石中に含まれている産状が典型的で、スリランカやミャンマーではその岩石が風化し・崩壊した土砂の中に見ることができる。 ルビーも同じ産状で出るため、ルビーと赤色のスピネルは混同され、間違われる。 英国王室の「黒太子のルビー」が実はスピネルだったと言う話は有名である。 スピネルは正八面体やスピネル式と言われる三角板状の双晶になり、六角形に結晶するルビーとは結晶の形が違う。 スピネル型の結晶構造を持ち、化学組成の異なる21種類の鉱物があり、まとめてスピネル族の鉱物と呼んでいる。
MgAl2O4 尖晶石 Mogok, Myanmar 7.5~8誌稀京兵