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生痕化石の世界
化石と言えば生物そのものの姿を残す体化石がありますが、生痕化石は、生物が残した営みの痕が化石化したものです。こちらの書籍では、その代表的な生痕化石である①住まい②行動③食べ痕④排泄物についての項目があり、三葉虫については、行動の痕に関しての解説がされています。通常では化石化が難しい三葉虫の脚について当時の見解が示されています。化石の中では地味な存在である生痕化石は、古生物の生態を伺い知るのに重要な手掛かりを与える事が理解できる書籍です。
福田 芳生 生痕化石の世界 Japanese 築地書館Trilobites
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British Wenlock Trilobites Part 2
Part 1から遅れる事3年、Part 2も刊行されました。Wenlockといえばイングランドのシルル紀産地の総称とも言え、この論文にはDudleyを始め近郊のMalvern、Nuch Wenlockなど英国産三葉虫を収集していると耳にする数々の産地が並びます。三葉虫研究創成期である18世紀(1700年代)中期からの歴史から記載され、これら有名産地の標本写真も多く登場します。標本としての見所は、Part 2のが凄いと思います。Ktenoura、Sphaerexochus、Staurocephalusといった個性的なケイルルス亜目(Cheirurina)の仲間、Hemiarhesなどリカス目(Lichida)、見た事ない様な多彩なオドントプレウラ目(Odontopleurida)など驚きの種類が並びます。
A. T. Thomas British Wenlock Trilobites Part 2 - EnglishTrilobites
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Brigham Young University Geology Studies Volume 28, Part 1
カンブリア紀ユタ州の産出化石が三葉虫以外も含め記載されています。今は、「Exceptional Cambrian Fossils From Utah - A Window Into The Age Of Trilobites」というカンブリア紀ユタ州産の良書が発刊されていますが、一昔前は、こちらの書籍がカンブリア紀ユタ州の化石を調べるのに重宝されていました。産地情報などこの書籍しかない部分もありますので、今でも参考に出来る事に変わりはありません。1ページ毎に写真だけでなく復元イラストと解説が載っていて、種の特徴を捉えるのにも重宝できます。
Lloyd F Gunther,Val G. Gunther Brigham Young University Geology Studies Volume 28, Part 1 0068-1016 EnglishTrilobites