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Coronocephalus gaoluoensis
Coronocephalusは、三葉虫収集家には悩ましい存在です。中国名で王冠虫を名乗る様に美しい種類であり、顔縁の装飾や無数の棘、黄橙色の映える色合いなど、平坦な種類でありながら、孤高の存在感ある種類です。不完全な標本なら二束三文の価値しか無いのですが、ほぼ完全な個体など長年探しても出て来ませんので、ある程度の所で諦めるしかない事に気が付きます。そうは言っても何時か入手のチャンスが来るだろうと気に掛けてはいますが、20年以上収集してても変わりはありませんでした。産地情報も実は謎が多いのですが、市場に出回る個体は湖南省のものと見ています。
Lower Silurian Encrinuridae,Cheiruroidea,Cheirurina,Phacopida TRI-30 XiushanTrilobites
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Reedops cephalotes
モロッコ産であったら廃棄されそうなレベルの標本かもしれませんが、こちらは本種の命名の元祖ともいえるチェコ産です。既に新規産出が無いチェコ産にあってカンブリア紀やシルル紀産、以外の時代の三葉虫は入手難易度が高いです。姿自体は、モロッコ産と違いが判らないレベルです。母岩の質感もモロッコ産に近いのですが、型抜きに微妙に失敗したチョコレートみたいな質感です。
Lower Devonian Phacopidae,Phacopoidea,Phacopina,Phacopida TRI-660 ProkopTrilobites
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Gravicalymene teddersensis
カリメネといえば、オルドビス期とシルル紀に大繁栄して絶滅したと思われがちですが、デボン紀にも生存していました。Gravicalymeneは、日本の岐阜県高山市福地のデボン紀の地層からも発見されております。モロッコのGravicalymeneは、産出自体が極めて貴重でカリメネと馬鹿にできない位に高価です。以前から存在は知られていたものの、見つかったのは数個体のみで殿堂級の存在でした。本標本は、まるでオルドビス期のDiacalymeneのように巨大で存在感があります。カリメネは、デボン紀には希少種に成り下がり、既に生きた化石という位置付けだったのでしょうが、姿を変えずに生き残っていたという事は、現在のサメのように完成されたフォルムであった事の裏付けといえるでしょう。
Middle Devonian Calymenidae,Calymenina,Phacopida TRI-414 MegraneTrilobites
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Ectiillaenus sp.
この種類は、モロッコ産ではDiacalymene ouzregui同様に価値が無い種類と思われており、この標本もミネラルショーで二束三文で売られているの中から状態の良さそうな個体を探して購入したものです。多産するとはいえ、Diacalymeneよりは圧倒的に数は少ないのですが、正確な産地も分からなければ、記載も正式にされていないという可哀そうな存在です。立体的には保存されており、欧州の近縁種より大きく状態の悪さを除けば見た目はロシア産と同じです。
Ordovician Illaenidae,Illaenina,Corynexochida TRI-233 -Trilobites