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Peronopsis fallax
この種類は、尾部に1対の棘があるのが特徴です。(緑色)よく見ないと気が付かないレベルの棘ではありますが、種の同定には欠かせない特徴になっています。体表に皺構造は確認できませんので、全体的にはツルっとした体表をしております。Peronopsisは、同じユタ州産のP. interstritaが多量に出回りますが、こちらには棘の特徴は見られません。
Middle Cambrian Peronopsidae,Agnostoidea,Agnostina,Agnostida 【TRI-229】 MarjumiTrilobites
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Phalagnostus prantli
カンブリア紀を代表する生物であったAgnostida(目)の仲間ですが、世界中のカンブリア紀の地層で見つかるものの、米国ユタ州以外では、それほど多く産出する訳ではありません。Phalagnostusは、チェコの代表的なJince(累層)より産出した標本で、頭部と尾部がどちらか眼が無いので分かり難いですが、尾部は片側だけ二重の輪(右側)になっているのが特徴です。また胸部は2節、確認できます。
Middle Cambrian Phalacromidae,Agnostoidea,Agnostina,Agnostida TRI-168 JinceTrilobites
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Ptychagnostus akanthodes
ユタ州産のAgnostida(目)の仲間は、非常に沢山の種類が同定されているのですが、Peronopsis interstricta以外は、入手するのは難しいのが現状です。P.akanthodesの特徴は、頭部側だけに細かい皺があり、この標本では左側が頭部となっています。また頭部側から1対の鋭い棘があるのも特徴です。まるでオーストラリア産の様な砂岩質の母岩から産出しており、写真でもクッキリ見るのは難しいので、少し明瞭度を調整しています。
Middle Cambrian Ptychagnostidae,Agnostoidea,Agnostina,Agnostida TRI-177 MarjumiTrilobites
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Pagetia cf.taijiangensis
アグノスタスよりも三葉虫に近いPagetiaは、Burgess Shaleで産出するPagetia bootes(WALCOTT1916b)が有名で、名前だけは聞いたことがあるコレクターも多いと思います。分類的に中間型の立場で、近年は甲殻類の一種とされるAgnostida(目)ですが、この種類があるので、三葉虫側との境界が難しくなっていて、最新の説でもEodiscoidea(超科)が三葉虫として分離されているケースも見られます。バージェス以外で入手できる仲間としては、モロッコのCephalopygeなどがありますが、どの地域においても数が少なく、集めるのが難しいグループであります。
Middle Cambrian Eodiscidae,Eodiscoidea,Agnostida TRI-700 Kaili(凱里)Trilobites