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Dalmanites limuloides
まだRochester Shaleが閉鎖されていなかった頃は、本種はシルル紀の一般種として軽視される存在でした。当時でも群衆化石はそれなりの高額の標本もありましたが、単一個体の標本は入門種だと私も思っていました。ただ他の産地を見てみれば、ダルマニテスは、同じアメリカ産でもWaldron ShaleやHenryhouseでも結構な希少種ですし、英国産も簡単に入手できるような供給量はありません。現在も状態の良い標本が市場に出てくると直ぐに売りけれる様な人気種であります。
Middle Silurian (Ludfordian) Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-14 Rochester ShaleTrilobites
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Symphysurus sp.
近年、軟体部が保存された化石が多く発見され注目を集めるFezouata層、何と言っても特徴なのは大型の三葉虫でも軟体部が保存されている事です。拡大しなくても大きな組織の構造が分かるのは、三葉虫の構造を知り得る画期的な産状といえます。この標本は、それでも小さい方ですが、触覚の節構造、頭部から胸部にかけてのグチャグチャに見える部分も内蔵の保存が化石化しているものです。
Lowor Ordovician (Floian) Nileidae,Asaphoidea,Asaphida TRI-725 FezouataTrilobites
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Plesiomegalaspis sp.
モロッコでは数少ないノジュールから産出する種類です。2009年頃から市場に現れ、当時、価格的にはそれ程高い訳でもありませんでしたが、モロッコ産ではよくあるように、僅かなロットだけで市場から消えてしまった様に思います。ぱっと見、一般的に産出しそうなAsaphusに見えますが、中レベルの大きさで、太くて長めの頬棘、意外と同じ種類がいない事に後から気が付きます。
Ordovician Asaphidae,Asaphoidea,Asaphida TRI-369 -Trilobites
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Crozonaspis struvei
この種類は、数は何れも少ないですが近隣のポルトガル、フランスでも産出します。ZeliszkellaやEodalmanitinaと近縁な種類です。フランス産にも共通する事ですが、陽の光に当てるとキラキラと輝く母岩で、ポルトガル産とも近い質感です。Dalmanitoidea(超科)に属しますが、後のシルル紀やデボン紀のDalmanitoidea(超科)よりシンプルであり、まだ他のファコプスの要素が残る分岐した直後の姿に思えます。
Ordovician Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-321 SueveTrilobites
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Acadoparadoxides levisettii
モロッコのAcadoparadoxidesというと30㎝を超えるような巨大な三葉虫、A.briareusとして知られますが、この標本は10㎝にも満たない小型の個体、近年になり新種の記載がされました。事実上収集できる最も大きな三葉虫であるA.briareusは、コレクションするには抑えておきたいのですが、数が増えてくると嵩張るし重いしで、案外扱いに困るものですが、この様な小型の標本であれば扱いが楽で助かります。小型の本種ですが数が極めて少なく、記載はされて別種となりましたが、通常の大型個体の子供でないのかという気がしてなりません。
Middle Cambrian Paradoxididae,Redlichioidea,Redlichiida TRI-625 Jbel WawrmastTrilobites
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Boeckops stelcki
モロッコのPhacopsの中では複眼が大きい方で、この標本でも縦に7列あります。頭部の粒々が他の種類より細かく、同じくらい細かい粒々が胸部も尾部にも確認できます。Austerops系との区別が難しく、この標本もAusteropsとして入手しています。これらの比較は粒々が無い箇所を見るか、複眼の縦列などで判断していきますが、状態の良い個体でなければ見分けがつけられません。
Devonian Phacopidae,Phacopoidea,Phacopina,Phacopida TRI-627 -Trilobites
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Redlichia takooensis
カンブリア紀初期の地層として世界的に知名度のあるEmu Bay Shaleから産出する大型のレドリキアです。三葉虫を収集しているコレクターなら誰もが知る様な有名種ながら、豪州では化石は法律で保護されている事もあり、古いコレクションからしか入手する術はありませんので、実物の入手は難しい情勢です。大きい個体では20㎝を超える大型種ですが、大きな個体では背中からの1本の長い棘は化石では残ってきません。 【標本リンク】化石セブン https://www.kaseki7.com/items_fossil/tr/638.html
Lower Cambrian Redlichiidae,Redlichioidea,Redlichiina,Redlichiida TRI-672 Emu Bay ShaleTrilobites