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Illaenus sarsi
ロシア産のキャラメル色や、スウェーデンの緑灰色とも違う漆黒の化石となるノルウェー産です。産出種としてはバルト海沿岸の主要産地と同じか近似ですが、色が違うだけで印象が全く異なるのは不思議なものです。2010年代に研究者から提供された標本が、マスターフォッシルを通じて幾つか流通しましたが、簡単に手を出せない位に高価にコントロールされていた数点の標本の一つです。少し待ては、もう少し安価に供給されるかと思いきや当時流通した標本以外は未だに流通してきません。「Fossils and Strata, Number 56,Trilobites of the Middle Ordovician Elnes Formation of the Oslo Region, Norway」を見るとオスロ近郊の広い範囲に産地があるようですが、この黒い三葉虫が産出するのは、多分狭い範囲だけで場所は公開されていないようです。
Middle Ordovician Styginidae,Illaenoidea,Illaenina,Corynexochida TRI-626 ElnesTrilobites
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Illaenus sarsi
頬棘が無いIllaenusであるI.sarsiといえば、ロシアのサンクトペテルブルグ産の状態の良いキャラメル色の標本が有名です。この種類は、バルト海の対岸とはいえ、直線距離で約1,200kmも離れたスウェーデンからの同種です。この産地は、青白い硬い母岩に三葉虫もチョコレート色をしており、殻も剥がれやすく、保存状態もロシア産には敵いません。しかし、商業的に採掘はされておらず、圧倒的に産出量は少ないので、入手難易度はロシア産より高いです。
Lower Ordovician Styginidae,Illaenidae,Illaenina,Corynexochida TRI-273 ExpansusTrilobites