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Asaphus kowalewskii
ロシア産ならではの剖出の一つに腹彫りがあります。他の産地では剥離性のある産状から石を割った際に残念ながら裏彫りになるケースはありますが、値段が下がってしまい、コレクターも収集を優先しない方が多いです。ロシア産の場合も通常は表側から剖出しますし、通常の表彫りより手間が係るため、積極的には実施しない剖出法ではあります。ロシアのアサフスの場合、母岩との剥離性が良いこともあり、他の産地では余り実施しない裏彫りで殻構造を見ることが可能です。三葉虫の外骨格を裏から見ると外骨格の仕組みが表から見るのと違い、理解を深められます。残念ながらロシア産の場合は、内臓等の軟体部は残りませんが、どの辺りに筋肉で外骨格とつながっていたのかや、ハイポストマなど興味深く観察が出来ます。
Middle Ordovician Asaphidae,Asaphoidea,Asaphida TRI-13-2 Asery levelTrilobites
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Asaphus kowalewskii
ロシアのアサフスといえば、この種類が最も注目されると思います。眼軸が3cmほどの高さがあり、先端に複眼が付いています。化石化していない触覚は別にあり、現生のカタツムリとの違いはカタツムリは大触覚の先端に光を感じる程度の眼を持っていますが、この三葉虫はしっかりと映像を捕らえる眼を持っていました。しかし眼軸は伸び縮みは出来ず、泥底の海底から眼だけを飛び出させて身を隠していたと想像されています。海底から眼が飛び出ていればそこに居るのが敵に分かるのでは?思ってしまいますが、他の種類のアサフスより多く産出することをみるとそれなりに順化していたのだと思います。数多くの三葉虫の中でも眼軸がここまで長い種類は他になく、奇抜さはトップクラスです。見た目も可愛らしく、愛嬌がありますので、一般受けのする種類なのではと思います。 【標本リンク】FFストア http://www.ffstore.net/detail/akw_055.html
Middle Ordovician Asaphidae,Asaphoidea,Asaphida TRI-13 Asery levelTrilobites