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Boedaspis ensifer
世界の三葉虫を収集しているコレクターの中で、最も憧れる種類と言って過言でない三葉虫が本種であると思います。始めて写真での姿を見た時、戦慄を覚えるくらい華麗な容姿に直ぐに虜になるも、車が買える程の価格を知り遠い存在である事を悟り、憧れの種類がある三葉虫収集に終わりが無い事も理解しました。登場当初はAcidaspis kuckersianaと呼ばれ、世界に数個体しか存在しない幻種でしたが、その後、再開発により少量ながら市場に出回りましたが、簡単に手を出せない金額なのは変わりありません。
Lower Ordovician Odontopleuridae,Lichida TRI-542 Volkhovian LevelTrilobites
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Gondwanaspis sp.
この種は且つて幻種でしたが、一時期少し出回る様になり、近年はまた見かけなくなりました。元々数が少ない種なのですが、値が下がるのを待ちすぎても再び買えなくなる事があるモロッコ産は、投資の勘が必要です。Gondwanaspisという属名は、あのゴンドワナ大陸に由来します。頭部や尾部を見れば、この種がLeonaspis/Kettneraspisに近縁である事が分かります。頭部縁の細かいフリル棘は、中心部だけ何故か存在しません。
Devonian Odontopleuridae,Lichida TRI-403 -Trilobites
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Dicranurus monstrosus
デボン紀モロッコ産において、最も人気が高い種類の一つです。オクラホマのDicranurus hamatus elegantusに比べれば入手はしやすいですが、思いのほか状態の良い標本が少ないです。特に近年は、採掘しつくされ、新たな原石が枯渇している状況と聞きます。現地では部分化石で採取される事が大部分ですので、安価な標本はコンポジットも散見します。この種類、状態が良いとこの標本の様に背軸に細かい1対の棘が並びます。モンスターという名前に恥じず、一度見たら忘れられない特異的な姿をしていて三葉虫界を代表する種類だと思います。
Devonian Odontopleuridae,Lichida TRI-5 -Trilobites
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Meadowtownella (Primaspis) crosotus
ケンタッキー州産のPrimaspisという種類を入手したくて10年くらい探してやっと手に入れることが出来た標本です。オハイオ州でも同種の産出はあります。Meadowtownellaの属名が正式ですが、長年知っていたPrimaspisという属名の方が慣れています。3体の内1体だけ裏面になっています。私の数あるコレクションの中でも気に行っている標本の一つです。 【標本リンク】Extinctions.inc http://www.trilobites.com/site_arc/index.cfm?action=item&prod_id=4542&
Ordovician Odontopleuridae,Lichida TRI-339 LatoniaTrilobites
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Meadowtownella trentonensis
後の時代シルル紀のOdontopleuraに見えますが、オルドビス紀から産出する種類です。Meadowtownellaは、何れも小型でオルドビス紀北米の広いエリアから産出し、カナダ・オンタリオ州やケベック州やアメリカの周辺他州でも産出され、Primaspisもこの種類と同じと考えられています。三葉虫産地としては伝説的産地であるウォルコット採石場より産出しますが、産出量は極めて少なく、比較的見かけるCeraurus pleurexanthemusと比べると入手が難しい種類の一つです。
Upper Ordovician Odontopleuridae,Lichida TRI-427 RustTrilobites
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Odontopleura prevosti
sその名の通りOdontopleurida(目)の代表の様な種類ですが、化石としての見た目は地味です。この標本は、右自在頬が欠損していますが、見つかる多くの標本は、両方とも欠落している事が多いので、一つでも残っているのは貴重なのです。ルーペや写真で拡大して見ると棘が沢山生えていて、美しい種類であることが分かります。Odontopleuraは、チェコのシルル紀から数種類が報告されていますが、何れも大きくはならず1cm程度の小さな種類です。
Silurian Odontopleuridae,Lichida TRI-160 LitenTrilobites
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Dicranurus hamatus elegantus
Dicranurusは、三葉虫収集家が収集に引き込まれる引き金となったという人もいるほど特別の種だと思います。モロッコ産のD.monstrosusと米国オクラホマ州産のD.hamatus elegantusが代表的です。体格は、モロッコ産の方が骨太でがっしりしているのに対し、オクラホマ産は華奢で棘が長いのが特徴で名前の通りエレガンスです。どちらも多くは産出しませんが、オクラホマの方が圧倒的に数が少なく、近年はレベルの高い標本の価格は高止まりであります。
Lower Devonian Odontopleuridae,Lichida TRI-210 HaraganTrilobites
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Koneprusia dahmani
全身が細かい棘で覆われた驚異的なKoneprusiaです。如何にも古生物という独特の存在感があり、モロッコ棘々種でも上位の人気種です。Hammi氏の作品ではErbenochile erbeniの次に欲しかった一品であり、本種をHammi氏の作品で得たいというコレクターとしての願望が叶いました。大きさも質も文句なし、このレベルで剖出できる技術は現在の所、彼の右に出る者はいないでしょう。化石で見ると絶賛なのですが、この様な生物が家の中を這っていたら三葉虫コレクターの私でも叩き潰すかもしれません。
Lower Devonian(Emsian) Odontopleuridae,Lichida TRI-704 TimrhanrhartTrilobites
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Kettneraspis angelini
ゴットランド島のKettneraspisの仲間など、さすがに現物をご覧になった方は少ないと思います。ゴットランド島は、シルル紀の世界的な代表地でありながら、保護も徹底されており、知名度が高い割に市場に出てくる標本が極めて少ない産地です。稀に出てきてもCalymeneやEncrinurus、Proetusといった種類であります。この標本は、この地の標本では例が少ない棘の浮かし彫りがされており、保存状態も申し分ありません。後の時代のKettneraspis/Leonaspusとほぼ同じ形態をしています。
Middle Silurian Odontopleuridae,Lichida TRI-420 Hemse Marl(Hemse Group)Trilobites
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Miraspis mira
本種は、世界の三葉虫を収集しているコレクターでは、知らぬ者が居ない様な有名古典種でありながら、完全体の実物が入手できない代表種です。チェコ産でも近縁のAcathalomina minutaやOdontopleura ovataは、市場で見かけることがありますが、本種は入手の機会が全くないと言ってよいレベルです。体長は20mmと小さい物の全身が棘に覆われ、棘に棘が生えた姿は、一目見たら忘れられない鮮烈な印象を持ち、Joachim Barrandeの図版から本種に惹き込まれたのは私だけではない筈です。
Silurian Odontopleuridae,Lichida TRI-557 LodeniceTrilobites
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Isoprusia sp.
Laethoprusia sp.やUndescribed Odontopleuridといった仮称でも見かけるのですが、まだ正式な命名はされていないと思われます。広義のKoneprusiaの一種であることは間違いないのですが、棘を含め全体的に線が細めです。棘の生え方も胸部の上半身はまるで欠けてしまったかのように不自然に生えていなかったりします。市場を見ていると、この種類に近縁な幾つかの別種も見られますが、なんせ高額な種類のため、全てを網羅させることは難しいです。
Middle Devonian Odontopleuridae,Lichida TRI-681 -Trilobites
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Ceratonurus sp.
大型のモロッコ産と比較すると華奢で小ぶりなのがオクラホマのCeratonurusです。モロッコ産も同様ですが、三葉虫の世界では有名種でありますが、未だに小種名が付いておりません。この標本は、棘に棘が生えている所まで剖出されていてレベルの高い剖出であるのが分かります。この標本は、EXTINCTIONSの殿堂級化石が多く掲載されているSculpted Stoneに掲載されている標本です。三葉虫コレクターには人気の種類なので、デボン紀オクラホマ産の中でも高値で取引される種類です。 【標本リンク】Sculpted Stone http://www.sculptedstone.com/index.cfm?fuseaction=arc.sh_item&prod_id=3234
Lower Devonian Odontopleuridae,Lichida TRI-556 HaraganTrilobites