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Cambropallas telesto
カンブリア紀モロッコ産の二大大型三葉虫の小さい方というイメージでしょうか。大きい方のAcadoparadoxidesは30cmを超える巨体で、分類的にはParadoxididae(科)に対し、CambropallasはHolmiidae(科)でOlenellina (オレネルス亜目)に近い系統にあります。モロッコ産が市場に登場した初期から知られ、以前はAndalusianaと呼ばれている個体と混同する事もありましたが、流通している標本は基本的に同じ種類を指していると考えます。背部中央の特に後半に鋭く短い棘が立っているのが大きな特徴です。大型の種類は補修が入っている事が多く、時には完全に模造品も見かける程です。本種も一定以上のレベルの標本は特定の供給元からしか入手できなかったり高価になったりします。完全体は本当に少ない種類なのですが、模造品と見分けるには細部の状況の確認、ポジティブとネガティブが両方揃っていると信憑性は増します。 [Left side:Negative,Right side:Positive]
Middle Cambrian Holmiidae,Olenelloidea,Olenellina,Redlichiida TRI-45 Jbel WawrmastTrilobites
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Esmeraldina roweii
Holmiidae(科)は、初期のオルネルスの仲間ではマイナーな部類ですが、良く知られる種の中では、モロッコの大型種Cambropallas telestoと同じ分類となります。本種とCambropallasが同じとは言われてもピンとこないかもしれませんが、共通の特徴に背の棘があります。(Cambropallasは後半だけですが)頭部の太い頬棘以外に短く鋭い3つの棘が後方にあります。頭部は細かい粒々に覆われているのが分かります。胸部と尾部は非常に柔らかな構造である事が推察でき、中央部の縦に伸びる棘も柔らかめに見えます。この様な体の構造により、胸部の化石化がし難い産状の種類です。
Lower Cambrian Holmiidae,Olenelloidea,Olenellina,Redlichiida TRI-269 CampitoTrilobites
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Wanneria walcottana
初期オレネルス類の傑作の一つと思う種類です。この頃の種類は立体感こそ乏しいですが、胸部から尾部にかけて緩く棘を纏い、優雅な装飾になっています。特にこの種類は幅広な体形に似合っております。最も初期の三葉虫は、生命で最初に眼を持った生命の一つですが、既に三日月型の大型の眼を発達させていたのが分かります。 【標本リンク】EXTINCTIONS,Inc http://www.trilobites.com/site_arc/index.cfm?action=item&prod_id=6591&sid=4&cfid=6be06a79-9850-4b2f-b66f-9fd3c5f51751&cftoken=0
Lower Cambrian Holmiidae,Olenelloidea,Olenellina,Redlichiida TRI-514 KinzersTrilobites