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Hydrocephalus minor
Jince累層の独特の色合いと艶のある質感が残ります。同じ産地のParadoxides gracilisに近いですが、そこまでは大きくならず、尾部周辺に流れるような棘があり、見た目の印象は異なります。どちらかというとEccaparadoxides pusillusに近い印象があり、EccaparadoxidesとParadoxidesの中間系みたいな感じかと思います。尾部周辺の棘は、柔らかな棘を持っていたのではと推測できる質感です。
Middle Cambrian Paradoxididae,Paradoxidoidea,Redlichiina,Redlichiida TRI-122 JinceTrilobites
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Ptychoparia striata
Jince累層では古くから知られた種です。眼も棘もなく地味な印象の種類ですが、Ptychopariida(目)の中のThe・Ptychopariaとも言える元祖的存在でありながら、Ptychopariida(目)廃止の考えからUncertain(未分類)まで降格を余儀なくされている可哀そうな種類であります。元々雑多な分類できない種類の置き場所でしかなかったPtychopariida(目)ですので、Ptychopariaに責任はありませんが。
Middle Cambrian Ptychopariidae,Ptychoparioidea,Ptychopariida TRI-156 JinceTrilobites
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Ellipsocephalus hoffi
チェコを代表する種類であり、チェコ産の中では最もポピュラーな種類かと思います。しかし、絶産して時間が経ちますので、近年は簡単には入手できなくなってきました。この地味な種類は、群れで暮らしていた為、この標本の様に群衆状態で見つかるのは一般的な産状です。WIKIPEDIAでも盲目の底生形と紹介されていますが、実際には小さな眼があるとされ、多くの個体が小さく明瞭でないため、所在がはっきりしていなかったのですが、瞼翼の形状などからも高い確率で存在していたと思われます。
Middle Cambrian Ellipsocephaloidea,Ellipsocephaloidea,Ptychopariida TRI-19 JinceTrilobites
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Rejkocephalus rotundatus
Rejkocephalus=Hydrocephalusという認識で良いですが、バラバラになりかけている事もあり、違いが良く分かりません。最後の写真に以前のオーナーか採取者の記載があるのですが、Eccaparadoxides pusillusやParadoxides gracilisといった近縁な仲間の表記もありますので、同定は難しくなっています。この化石は、複数体の個体がまとまって散乱しているJinceらしい標本で、この様な産状の化石は、当時の状況を想像できて面白いと思います。
Middle Cambrian Paradoxididae,Paradoxidoidea,Redlichiina,Redlichiida TRI-394 JinceTrilobites
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Conocoryphe gerlinda
眼の無い種類であるConocorypheは、チェコ、ボヘミア地方からも幾つかの種類が産出しますが、種類の違いが分かり難く、カンブリア紀のチェコ産らしい特徴の無い地味な感じの種類です。C.gerlindaは、頭部に一面細かいブツブツがあるので比較的分かりやすい種類です。入手できるチェコのConocorypheのもう一つの見分けの方法が、母岩の色です。本種は褐色系、C.sulzeriは焦茶系、C.sulzeriは黄土色系と何故か分かりやすく区別できます。
Middle Cambrian Conocoryphidae,Ptychoparioidea,Ptychopariida TRI-370 JinceTrilobites