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Misszhouia longicaudata
ユネスコ世界自然遺産(澄江の化石産地/2012年登録)から産出した驚異的な保存状態のNaraoiaです。これだけ見ると、ウミウシみたいで三葉虫には見えませんが、良く見ると軟体部だけの化石と分かります。鰓肢と歩肢の構造が良く分かり、現生の甲殻類と同じように絶え間なく動かしていた様子が目に浮かびます。背中の外殻で分離したのでなく、殻の内側の軟体部で分離すると、この様な産状になるそうですが、この様な保存状態は、澄江であっても多くはありません。 (中国名:長尾納羅虫)
Middle Cambrian Naraoiidae,Nektaspida TRI-214-2 HeilinpuTrilobites
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Misszhouia longicaudata
ナラオイアの仲間を三葉虫の分類に含めて良いのかという結論は出てはいません。一般的な三葉虫の様に炭酸カルシウムの硬質の外骨格を持たなく、胸部と尾部が一体で頭部と二分割する構造は、外観上、明らかに別物であると見方もできます。但し付属肢(鰓脚)は、三葉虫とほぼ同じであり懸け離れた分類でも無さそうです。澄江動物群のMisszhouiaは、普通の産地では化石化できないであろうナラオイアの様な軟体部を保存できている貴重な産地で、言わずと知れたユネスコ世界自然遺産(澄江の化石産地/2012年登録)です。澄江のナラオイアは、大型の本種と小型で棘が特徴のNaraoia spinosa(Zhang & Hou, 1985)が知られていますが、本種の方が産出は少ないです。 (中国名:長尾納羅虫)
Middle Cambrian Naraoiidae,Nektaspida TRI-214 HeilinpuTrilobites